ミズト
2015-02-07 21:28:39
783文字
Public ◆A
 

俺のために毎朝味噌汁を作ってくれないか~応用編~

クリ御短文 ほのぼの〜

「俺の為に毎日チャーハンを作ってくれないか」

それは御幸の得意料理がチャーハンであることや、妙なところで日本ナイズされている父親の影響で得た知識から出た、現時点のクリスにとって精一杯のプロポーズめいたもの~応用編~だった。

「‥さすがにそれはダメだと思いますよ」

渋い表情で返されたそれはプロポーズに対する返事なのかプロポーズのセンスそのものに対するダメ出しなのか、いずれにしてもクリスを落胆させるものには違いなく。がくり、と肩を落としかけたところ、御幸は眉間に皺を寄せながら続けた。

「いくら先輩がチャーハン好きでも毎日じゃ飽きると思いますし、何より体にも良くないと思うんですよね。塩分とカロリーがかなり高いし‥」

――どうやら完全に互いの解釈に齟齬が発生していると気付いたところで、御幸がチャーハンの具材や調味料おかずの献立等々のバリエーションについて考察を深めきってしまう前にクリスは訂正を試みた。

「御幸?いや、確かにチャーハンを作ってくれとは言ったが」

「はい。別のものがいいですか?」

「そうではなく」

「?」

首を傾げる仕草が大変愛らしいのでもうそういうことでいいかな、と思い始めた時、はた。と気付く。

「‥‥毎日、俺に飯を作ってくれるのか?」

要するに本題はそれだ。その点については一切拒否されていない。どころか前向きに検討されている‥‥?

「‥‥現実的には無理かもしれませんけど、料理なら教えますから、俺がいない時はちゃんと自炊してくださいね?」

もちろん俺がいる時は俺が作りますよ!ばっちり胃袋掴む予定なんで、覚悟しといてくださいね?‥‥それはなんとも頼もしいイエス。どうやら、一番大切な部分はきちんと伝わっていたようである。照れくさそうに微笑む御幸に、クリスは「ご指導よろしくお願いします」と恭しく頭を下げた。