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三毛田
2024-11-07 15:44:51
1076文字
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1000字2
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04 004. 線を引く
4日目 その線を自分で壊す
04 004. 線を引く
己が生まれてからの過去は、あってないようなもの。だから、記憶喪失である二人と同じようなものだと。誰にも教えたくない。話したくない。
そうやって壁を作り、線を引いて。己は、彼らと同じ場所に行ってはいけないと言い聞かせて。
だから、知られたくないと。知ってほしくないと思っていた。でも、知られてしまった。見せてしまった。
それなのに、彼は深く追求せず俺がやるべきことを傍で見守ってくれて。
それがどんなに俺の心を救ったのか、穹は知らないだろう。
仙舟へ行くと列車の皆で決めた日。
追放された身だから、あそこに立ち入る資格はないと一人反対して。
だけど、悪夢が体も心も蝕み。
姫子さんに見せてもらった映像で三人の危機を悟り、逃げるだけでは駄目だと単身羅浮へ向かい。
「綺麗だよ、丹恒」
紆余曲折あって本来の姿を晒した俺を、責めたり怪奇な目で見ることなく、ただ頬に触れながら、髪に触れながら。
触れた手から伝わる熱で火傷してしまうかと錯覚するほど。
過去の罪は消えないけれど、俺は俺として生きていいのだと言われた気がして。
今まで彼らに対して引いていた線を、消した。
「なの〜。丹恒が俺にベッタリなんだけどどうしたらいい?」
「はいはい。惚気惚気。口ではそう言っても表情が緩んでるよ、アンタ」
「えへへ。こんなに眠そうな丹恒、レアだし」
「あら。丹恒が珍しいわね」
「まだ本調子じゃないのもあるだろう。穹、運んであげなさい」
「はーい。丹恒、抱き上げるから」
皆の会話が遠い。風邪を引いて熱が出たとかそういうわけではないけれど、刃の剣で貫かれた後遺症のようなものか、ここのところ体が本調子じゃない様子。
急に怠さに襲われたり、眠気がひどかったり。
龍尊の力を使った反動もありそうだ。
俺の力であるけれど、手放せるのであれば手放したいもの。
「今日も約得だ」
「何の、話だ
……
」
「丹恒にこうして触れて、あわよくば一緒に寝ようってこと」
資料室の床。敷きっぱなしの万年床へ、そっとこの重たく自由に動かない体を下ろして。
それから穹はニコニコしながら隣に寝転がる。
「手を」
「手を?」
「握って、くれないか
……
」
「うん。任せて」
そっと俺よりも温度の高い手が触れて。
それにすごく安心して、意識は勝手に落ちていった。
「
……
」
ふと目が覚めて、最初に気づいたのはとんとんと優しく胸を叩く温かい手。眠いのか段々手の力が弱くなっていって。
手を握ると、完全に眠ってしまっていると気づき。
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