三毛田
2024-11-05 21:29:44
1068文字
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02 002. 五分遅れ

2日目 寝坊は寝坊だ

「はれ?」
 絶対に起きられるようにと、変な音のアラームにしたのに。
「丹恒、起きて! 時間!」
「うーん……はっ」
 隣で寝ていた丹恒は、声をかけられて迷惑そうに唸った。でも、寝ぼけ眼で時間を確認してガバっと体を起こす。
 今日のご飯は、バイキング形式で早い者勝ちなのだ。
「あ、ああ〜……
「出遅れた」
 更に、ナナシビトであるいつもの面々以外にも、列車に立ち寄ったお客様もいる。
 急いでラウンジへ来たものの食べたいと思っていたデザートは既になく、主食も主菜も半分以上トレーから消えており、後は手軽に食べられるサンドイッチやいつものスープしかない。
「穹、今日はもう諦めろ」
「うう……
「また後でパムに作ってもらおう。助けになれるかわからないが、俺も手伝いに入る」
「丹恒……大好き」
「俺も穹が好きだ。ほら、朝食にするぞ」
 抱きしめてキスをしようとしたら逃げられた。
「待って!」
 慌てて追いかけ、渡されたお皿にご飯を持っていく。
「今日は遅かったの」
「アラームが鳴らなかった」
「鳴ったのに、途中で止めたんじゃろ。三月ちゃんですら、お前たちより先に来てもう食べ終えて部屋に戻った」
「はいはい。寝坊した俺たちが悪いんですよーだ」
 拗ねた声色で告げると、パムにしてはニヤッとした笑みで見上げてきて。
 こうなったらやけ食いだ! と意気込んでいたのだが、まずは席に座れと言われ。
 急いでとりあえず食べたいものをお皿に盛りつけて、席に着く。
「なにさ」
「これじゃろう?」
 と、テーブルに並べられたのは、食べたかったデザート。
「なんで……
「昨日も遅くまで依頼で折らんかったからな。二人には特別じゃ」
「ありがとうございます、パム様」
「うむ」
 俺がデザートの皿を掲げながら頭を下げると、嬉しそうに腰手を当てて胸を張る。
「パム、すまない。だが、ありがとう。いいのか」
「お前たち二人のおかげで、助かっているのも事実じゃ。丹恒の分は、甘さ控えめにしておる」
「つまり、俺の分は試食ということか」
「うむ」
 すでに売り切れてしまっていたものが食べられる。今日も頑張れる気がして。
「ゆっくり味わって食べさせていただきます」
「片付けはまだだから、ゆっくりでよい」
「わかった。ただ、片付けは俺たちも手伝う」
「じゃが」
「いいから、いいから! いただきます! ん~!! 美味しい……
「いただきます。ああ、美味いな」
 パムは俺たちの言葉を聞くと、やはり嬉しそうに腰に手を当てて胸を張る。
 可愛い。