バラ肉
2024-11-04 20:15:46
1984文字
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優男のキス

セルフリメイクでテリスグ。
結構積極的なテリー。甘々です。
キスを止められちゃったテリーだけど……?

小野Dテリーならこれくらい積極的かつワガママでも良いよね!!!
田中テリーだったらきっと解釈違いなので笑


だめじゃ。

その声と一緒に、キスしようと近づけた顔は大きく広げられた掌によって遮られた。

——なんだ。別にいいだろ?」

それに対し、空ぶった唇をわざとらしく突き出したテリーは、面白くない気持ちを隠す気もなく軽くギュッと眉を顰めた。と、一緒に己の唇を塞ぐ手を掴む。

あと少しだったのに。

恨みがましい視線で手のひらの向こうを覗けば、珍しく険しい表情を見つけ、おや?と今度は片眉を跳ね上げる。
不思議そうに見つめていると、それに気付いたのか。邪魔した張本人は、一瞬言いづらそうに唇をモゾモゾ動かし、しかしゆっくりと口を開けた。

……だって今日のテリー。なんかやらしいんだもん」

『やらしい』

拙い言い方が余計に相手を刺激するなんてつゆとも知らず。

「その、えっと……じゃからっ。キスだけじゃ、終わる気がしないから……今日はダメ」
言いながら、テリーの唇をチラ見したスグルは『NO』を突きつけるように頭を左右に振った。

正直、別に今日のテリーは平素と変わらない。
いつも通り甘い眼差しを向けながら、夜も深まったしとスグルと距離を縮める態度は二人だけの夜には馴染みのことだ。
色男と称される顔にとびっきりの色気を纏わせるのも、昼とはまるで違う男の顔を見せるのも、今に始まったことではない。

飽くまでも、スグルの発言は言い訳でしかなかった。

なんせ明日は子供達とのチャリティイベントの日である。
どこかに情事のあとが残っていたら大問題だ。倫理観の低いスグルとて、流石にそれくらい分かっているのだろう。

だから、いつものようには流されてはならない。その思いから咄嗟に出た「なんか、いやらしい」という発言が、かなり苦しい言い訳なのを分かった上で、スグルはキッと強い視線をテリーに送った。

だが、当の男はじーっと見みつめていたかと思えば、フッとニヒルに口角を上げるではないか。

「じゃあなんだ? キス以上のことされたら、どうなるっていうんだ?」

いやらしく下唇を舐めながら問いかける声は、止めろと言った側から完全に捕食者のそれに変わっていた。普段の明るい声を低くして、喉の奥を鳴らすように囁く。

「っそ、そりゃあ……

対して、ここまでハッキリ拒絶した上で聞き返されるなんて思わなかったスグルは、ついモゴモゴと言い淀む。

キス以上されたら? 
そんなの、足腰が立たないぐらいの激しいSEXになだれ込むに決まってる。
擦り切れるぐらいのキスをしながら乳首をこねくり回らされ、触ってもないのにペニスはバカみたいに汁まみれになり。
後孔をガンガンに突かれる度にローションの下品な音と肌を打つ音が混じり合って、アンアン鳴く声を彩る。
いくら数日前にヤッたとはいえ、お互い二十代の成人男子だ。まだまだ性欲旺盛。前なんて、抜かずに二発もしたせいでアナルの縁が腫れてしまい、歩き方がおかしくなったこともあった。

「ッ……

その時の違和感を思い出して、スグルはほんの少し後ろがじわりと濡れた気がした。感情の出やすい顔に羞恥と戸惑いの色が浮かぶ。
(そういえば、あの日もこんな風に熱っぽい目で見られたっけ?)
2連戦した時の状況を思い出しかけたところで、楽しげな笑い声がスグルの思考を現実に戻す。

「クククッ……hey、そんな物欲しそうな顔で、お前は一体何を想像してるんだ?」
 
悪戯な笑みから、色気を撒き散らす男の微笑みに変えたテリーは視線が絡むのを合図にゆっくりと目を細めていた。
答えなんて聞くまでもないくせに。なのにわざとらしく確認するとは、あまりにも意地悪な男だ。

……テリーって意外にタチが悪いよな?」
「Oh!? おいおい、そんなことないさ?」
そう言いつつ、掴んだままだった掌をぺろっと舐める態度は、スグルの言う通り随分と悪趣味だ。
おかげで、皮膚を這う生暖かい感触に、スグルはブワッと逆立つ産毛を止められなかった。

「やれやれ。
キン肉マン、オレはただ、お前が……キン肉スグルという男が好きなだけさ」
「!? ちょ!」

だからか、甘い告白を免罪符にして押し倒す親友を止める術はなく。

(また押し負けてしまった……!)

折角向こうの出鼻を挫いた筈なのに、結局は自分が白旗を振る状況に追い込まれてしまった。

とはいえ、こうなってはもう仕方ない。
スグルはグッと唇を噛んだ後。
さも楽しそうに口元を緩める男に、せめてものおねだりをする。

……テリー、その……やるなら優しくしてね?」
「っ!」

コテンッと傾げた頭は飽くまでも天然だ。
僅かな望みを込めて懇願する声は、しかしぶつかるように重なった唇によって即座に飲み込まれるのだった。



(優男のフリをした男は、荒々しいオオカミでした)