2024-11-02 13:13:45
2199文字
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知らない内に他人の人生狂わせた🌟モブ応:グロアリ妄想文:楓応


モブ→応
ほんのりグロあり妄想文
ちょっぴり楓応


🌟に片思いモブ。
誰にでも塩対応で表情ないけど(偶に冷笑)だけど、その媚びないへこたれない姿が格好いいなー。で🌟に憧れてるモブ。
追記をとじる
ある日、丹楓と一緒に居る様子を目撃して、静かながらも穏やかな雰囲気を感じた。
別の日、工房で景元にもっと丁寧に扱え!叱りつけがら、言い争う感情が籠もった声を聞く。
また別の日、白珠と食事をしながら、料理に舌鼓を打ち、声を上げて笑う楽しそうに表情を見た。
更に別の日、同僚が訓練場に武器を納品しに行くと、鏡流に剣で戦いを挑んだ応星が負けて悔しそうに吠えていた様子を耳にして想像した。

羨ましいと思った。

自分の傍で心穏やかに休息をして欲しかった。
言い合いをしながら職人として互いを高め合いたかった。
同じ料理を食べて、他愛ない会話をしながら感情の共有をしたかった。
一つでもいい、何か秀でたもので彼を負かして悔しがられたかった。

少しでも近づきたかった。
会話をする切っ掛けが欲しくて仕事のふりをしながら側に寄ってみたが、他人が近くに居るときは、いつだって気を張っている雰囲気が嫌でも感じられた。

別の日、自分には到底、組み上げられないだろう複雑な機巧の設計図を以て、彼に職人として無理難題をふっかけたつもりだったが、一見しただけで塵のような端材を利用しながらたった独りで一晩もかからず組みあげてしまった。

前回の礼と文言をつけて暖かい食事を持って行ったが、一緒に食べるどころか口を付けてもくれなかった。他人から提供された食事は口をつけたくないらしい。
なにも問題ないと自分が食べて見せても、表情すら変えずに首を横に振られた。

実家の太さを利用して贈り物をした。
名前だけの長、短命種の短い人生では一生働いても買えないような高価な品だ。
それは、受け取ってはくれても中身も訊かず、感動すらしてくれない。お返しもなければ部屋の隅に置かれたまま開封すらされずに煌びやかな装飾に埃を積もらせていた。

悲しい。
哀しい。

自分は何一つ、彼に与えられない。
彼にとって、自分は路傍の石と変わらない。
いや、石くれの方が、まだましかもしれない。何らかの素材として役に立て、真っ直ぐに見詰めてくれる可能性が僅かにでもあった。

哀しい。
悲しい。

最近、何にしても無気力だ。
なのに腹だけは減る。
出勤もせずに部屋に籠もっている自分を両親は心配してくれるが、この悲哀は決して理解をしてくれないだろう。
日の境目も判らなくなりだして、頭がぼう。と、する。体も痛い。喋らないせいか声を出すとがらがらで獣の声のようだ。

今日は外に出て日を浴びよう。

部屋から出て、動きづらい体を引き摺って少し歩くと母親が居て、自分を見た瞬間、卒倒した。
廊下に置かれていた大きな壺に向かって母親が倒れたものだから、派手な音を立てた。
その音に驚いて駆けつけた父親は、自分と目が合うと、すぐさま踵を返して逃げた。呼び止めようとしても、声が上手く出せなかった。
卒倒するほど、逃げ出すほど汚く見える見えるのか気になって浴室に行くと、目の前に歪んだ魔陰の化け物がいた。驚いて振り返るが何も居ない。よくよく見れば鏡だ。

ならこの目の前の化け物は。

怖くなって走りながら外にでた。
体が軋む。ぎちぎちと何かが体の中で急激に育って行く。
すれ違う人々は声を上げた。歩哨の兵士は追いかけてくる。
ぼやけてくる頭を懸命に動かして道を思い出し、痛みに耐えながら逃げた。

逃げて。
逃げて。
逃げて。

どうにか𢌞星港まで来た。
兵士の声に怯えて身を潜めながら逃げていれば、見慣れた白い髪と簪が見え、それを目指した。
名前を呼ぼうとしても、喉からは獣の咆哮のような声しかでず、製造途中の星槎を見上げていた応星が驚いた様子で振り返った。

両手を伸ばす。

しかし、手は応星に届く前に地面に落ちた。
応星が腰にはいていた白刃を抜いて自分を睨んでいた。

何もしてないのに、何故、剣を向ける。

怒りが湧いて、憎らしい感情が身の内で暴れ回り、肉が膨れ上がって再生した腕を応星へ振り上げた。
応星は怯むどころか、真っ直ぐに自分を見据えて振り上げた腕を払い、足を切り落とす。

脚を無くして無様に転がると、心臓を突かれた。
一瞬だけ意識が遠のいた気がするも、視界が開けた瞬間には脚が再生し、心臓に痛みもなかった。
息を切らして再度、構えようとする応星を、剣に刺し貫かれながら抱きすくめた。

初めてだ。
紫の宝石ような瞳が真っ直ぐ自分を映してくれている。
映っているのは化け物だが、それでもいい。
このまま連れ去ってしまおう。

心を弾ませながら応星を引き摺って運ぼうとしたが、突然、空が見えた。
可笑しい。ずっと応星だけを見ていたのに、空の次は世界が逆さまになって、自分の体が見えた。
陰月君の槍に貫かれ、風化した枯木のように崩れていく体が。

陰月君。
丹楓が見たこともない強張った表情をしていた。
応星の腕が人間では有り得ない方向に曲がっている。自分がやったのか。そんなつもりじゃなかったのに。

応星の表情は、丹楓に抱き締められて安心しきっていた。
自分が抱き締めても、眼には殺意と恐怖以外はなかったのに。

辛いなぁ。