三毛田
2024-10-30 21:49:43
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96 06. 無我夢中で抱きしめて

96日目 抱きしめて、眠る

 最近は少なくなってきたと、少し嬉しそうだったのに、また悪夢に魘されている。
 腕を伸ばして抱きしめて、柔らかな胸をそっとぽんぽんと叩けば、呼吸が安定してきた。
 眠い。
 でも、丹恒が苦しんでいる姿は見ていたくない。
 若干の矛盾があるけれど、身勝手な理由だけど、俺はそう思っているのだ。
……
 起きたら、丹恒の胸に顔を埋めていた。寝ている間の無意識なので、許されたい。
 丹恒だって、俺を抱きしめて放さなかったんだからおあいこだろう。
「ん……
 俺の頭を抱きしめながら、小さく唸る。
 背中をトントン叩くと、ようやく起きて。
……まだ寝る」
「パムのご飯食べそびれちゃうけど」
「きゅうといたい」
「それはそれで嬉しいけど、俺はお腹すいた」
「むう……
 不満そうに少しだけ唇を曲げて。それから、俺の胸にぐりぐりと顔を押し付けてくる。
 珍しく子供みたいなことしてるなと思いながら、黒髪を撫でれば嬉しそうに胸元で笑う。
 夢の中、無我夢中で丹恒のことを抱きしめて、引き留めようとしていたのを思い出した。
「穹?」
「何でもない。丹恒と一緒にご飯食べたいから、行こう」
 起き上がり、手を引くと渋々ベッドから降りる。
 洗面所で顔を洗って、最近覚えたスキンケアをしてからラウンジへ。
「みんなおはよー」
「おはよう。今日の丹恒は、素直に来たのね。偉いわ」
「俺がわがままを言って、起こして連れてきたんだ」
「ふふ。流石の丹恒も、穹のわがままには反発できないのね」
 と、コーヒーを飲みながら姫子が笑う。
「おはよう、姫子さん。穹がしつこいから」
「俺、しつこくした覚えないんだけど」
 むっとなって頬を膨らませると、姫子も丹恒も微笑ましそうな表情。
「おはよう、二人とも。スープが二種類あるが、どちらにする」
「おはよう、パム。何と何?」
「うむ。野菜たっぷりのコンソメスープと、ポタージュスープじゃ」
「俺はコンソメスープで頼む」
「穹は?」
「丹恒がコンソメなら、ポタージュで!」
「量は多めで頼む」
「俺も!」
「わかった。待っておれ」
 促されるまま、席に着いて提供してもらえるのを待つ。
「クロワッサンのサンドイッチ。ハムを二種類とレタス、オニオン、チーズを挟んである。一口サイズのハンバーグ。肉の配分の研究の試食じゃ」
「美味しそ~! いただきます!」
「いただきます」
 まずはスープ。丹恒と少しずつ食べさせ合う。
「美味しい」
「ああ。体が温まるな」
「ね」
 クロワッサンだと食べにくいが、味は最高だ。