ちこと
2017-07-24 23:57:26
675文字
Public poke小説・SS
 

ほっぺすりすり

2017(キミきめ)映画のサト+ピカ、超短文です。ほのぼのです。


「うわ、はは。くすぐったいよ、ピカチュウ」
 ピカチュウの、ふわふわの毛並みがサトシの頬をくすぐる。あんまりやわらかくて心地いいものだから、サトシは顔をほころばせずにはいられない。
「きもちいいなあ、ピカチュウ」
 思わずつぶやいてしまったが、よくよく考えれば、気持ちいいのはあくまでサトシである。サトシのほうは、ピカチュウのようなふわふわの毛並みなど持っていない。
 するとピカチュウが、「ちゃあ」とあまえるように鳴いて、にっこりと笑った。
「ピカチュウ?」
 きょとんとしたサトシの頬に、ピカチュウはもういちど赤いほっぺをすりよせた。もちもちとやわらかくて、ふわふわと気持ちよくて、それからとびきり温かい。
 あんまり心地よくて、思わずまた、目を細める。そうしてから、ふと目を開けてみると、サトシの視界に、とても気持ちよさそうに微笑んでいるピカチュウが映った。
「ぴかぴ」
 ピカチュウはまた、ほっぺをすりよせる。そうしたくてたまらないというように 、サトシにほっぺをすりよせる。
 ……ああ、そうか。サトシはふと気づいた。もしかしていま、おれたち、おんなじ顔をしているのかな。
 おんなじような顔をして、おんなじようなことを思っているのかな。おれはピカチュウのことが大好きで、ピカチュウのほっぺがすんげえ気持ちよくて、しあわせだって思っているけれど、もしかして、ピカチュウも、おれとおんなじ気持ちなのかな。
「ピカチュウ、きもちいいか?」と、もういちど聞いてみる。ピカチュウはやっぱり、とびきり幸せそうに微笑んで、「ちゃあ」と応えた。