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三毛田
2024-10-29 11:19:38
1076文字
Public
1000字
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95 05. 痛いくらいの熱さ
95日目 同じくらいの熱を抱いていた
火傷をしてしまうかと思うほど、俺に触れる手は熱く。
緊張と興奮で潤んだ瞳は、視線で射殺そうとしているのではと錯覚してしまう。
「
……
」
何かを告げようと開いては、すぐにその言葉を飲み込んで。
「穹、ゆっくりでいい。俺は、いくらでも待つ」
長命の持明族だからなのか、時間の流れを感じ取る感覚が他の人より鈍い。
だから、こういう言葉がするっと出てきて。
殊俗の民の一分一秒が何分の一だと思っている節があるのは否定しない。
「丹恒」
「どうした」
「好き
……
」
「ああ」
震える指先で、縋り付くように俺の手を掴んで。
どれだけ勇気を振り絞ったのだろう。
どれだけその言葉を伝えるために悩んだのだろうか。
「俺もお前が好きだ」
「違う。丹恒の好きと俺の好きは違う」
「違わない」
泣きそうな顔で否定されると、さすがにムットする。
「お前が悩み、結論を出すまで。そして、言葉を告げる勇気を出すまでの間。向けられている感情に気づいていた」
そっと手を取って握り、額をくっつけ。
「そんな姿を見て、愛しいと。触れたいと、触れてほしいと願うようになっていった」
「丹恒
……
」
重なり合う掌の温度は違う。けれど、唇から落ちる言葉は同じだ。
「好きだ、穹。お前の願いを、俺が叶えたい」
「じゃ、じゃあ! き、き、き、キスしたいっ」
「構わない」
額と手を離し、両手で頬を包みながら唇を重ね。
「ち、違う!!」
耳まで真っ赤にしながら、彼は叫ぶ。
「何が違うんだ?」
「お、俺が丹恒にキスするんだ!」
「んっ」
ちょっと乱暴に頬を包まれ、キスをされる。痛かったけれど、その痛みすらも愛しくて。
俺は、己が思うよりも彼が好きなのだと改めて思い知らされる。
愛しさが込み上げてきて、するりと指先で穹の頬を撫でると、大げさなくらい肩が跳ねて。
「可愛いな」
「う」
「う?」
「うわーん! ヴェルト、えっちなお兄さんが!!」
「誰がえっちなお兄さんだ」
先程よりも顔を赤くし、瞳を潤ませ、そんなことを叫びながらラウンジの方へと走って行ってしまう。
たぶんキャパオーバーになったのだろう。
自分から仕掛けてきたくせに、反撃されるのは弱いようで。
「可愛いな」
自分の唇を指で撫でていると、そんな言葉が自然と漏れ。
どうやら俺は、元気に走り回っていたり格好つけている姿より、先程のような初心な反応を見せる彼が好きらしい。
もっとあのような姿を見せて欲しいと思いつつ、ラウンジへ。
「穹。俺は逃げないから、ゆっくり最初から話してくれ」
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