ゆき
2024-10-28 22:35:51
4608文字
Public あとがき
 

(あとがきとおまけ)暗い海をひとりでゆくなら

2024.6.30発行同人誌のおまけペーパーです。お渡し漏れが多く、ここにも置きます。

PDF版
https://www.dropbox.com/scl/fi/u41vkzjo89l6hiyio3hb5/kuraiumi_omake.pdf?rlkey=bvw5pcm3tb6tyufgs23w758zt&st=8bakp5p9&dl=0



以下、テキスト版

暗い海をひとりでゆくなら
あとがきとおまけ ゆきのはら(ハネキリ)

◎お手に取っていただきありがとうございました。
あとがきをまとめる余裕がなく、カットした部分が山ほどあるので、こういうおまけをつけています。
【さめししオンリー開催おめでとうございます✿】
真経津のワンヘッド昇格後を、まるっとふんわり捏造した世界線ですが、PPPでだいぶブレてしまいました。今のうちに5人出てくる話を書いておきたいなと思い準備しましたが、バランスを取るのが難しく、説明くさくなったところを大幅カットしすぎて、わかりづらくなってしまったのでは、削りすぎたのでは、と怯えています。
【想像の象】日光東照宮にある想像の象がとても好きで、本物を見たことないけど伝聞でだいぶ近いものが出てきてる、というのが、二人の間にあるすれ違いにも似てるだろうなぁと思い、間接的に頭の片隅に置いていました。でも誰も尻尾3本もあるとは言わなかったと思いますよ、みたいな。獅子神にとっては想像の象で、村雨にとっては水道の水(あたりまえにそこにあって機能している、維持コストは別途ある)であるようなお互いの間にあるもの。他人同士の寄り添い方を二人で学習してって欲しいです。
【外堀】私はまたポジション取りをしてから、外堀コツコツ埋めようとする村雨を書いてしまった。残念ながら獅子神の外堀を埋めている間に、村雨の外堀は叶に爆速で埋められて、あーそーぼ!!とやられました。本当は獅子神を巻き込むつもりでしたが、その辺はこのおまけの後の方でさらっと説明しています。
【タイトルの話】北極星のことです、と言うのを本の方の後書きにも添えましたが、北極星でも、灯台でも、誘導灯でも、街の灯りでも、実家の夕飯でも、自室のベッドでも、温かい風呂でも、大切な人の笑顔でも、なんでもいいです。たくさんあっていいと思う。彼らは荒野や大海をゆくわけではなく、都会のギャンブラーだから。ひとりでも生きていける二人が、それでも手を取り合う様が好きで、そんな二人が不器用でも、スマートでも、進んでいくときには何を目印に、なにに光をみて歩んでいくんだろう。お互いにとってそれが真っ暗闇のように見えても、本人には確かに見える何か。でも、このふたりは二人とも愛がよくわかってないので、この後はこのまま賭場に戻ると思います。
【バカンス先】九割九分空想の産物です。大嘘だらけ。読む人の寛容さに全額ベットです。
【ハワイ】神様のいる島であり、個人的にも好きなところなので本島にしました。私が行ったのもかなり前なので、だいぶ変わったと思いますが。獅子神は案外、普通に何度か行ってたりして、という気持ちがあります。
【インド】個人的な海外支店のイメージがあって、そこありきです。言わずと知れたヒンズーの聖地ですが、観光客向けにああいう説明をすることがあるようです。なんで真経津と御手洗が一緒なのかについては、一人じゃ行かなさそうなので、ついてく形で一緒に行ってもらいました。
【補足:真経津のパスポート】別に戸籍がないわけじゃないし。という会話が挟まっていたのですが、なくてもいいかと思ってカットしてしまいました。
【スペイン】伝え聞いたグラナダの食事が美味しかったという話と、アルハンブラが最高だという話が印象に残っていて、立ち寄ってほしいなぁと。他にも欧州のいろんなところに立ち寄っていると思います。
【補足:放置された総菜タッパー】別に雑用係に、食べていいよって渡しても良かったと思うんですけど、当てつけで置いていきました。この時獅子神は、お前がダメにするんだからお前が掃除しろと思っているし、腐ったりカビだらけになったりしたら冷蔵庫ごと買い替えればいいやと思っています。この時点で無自覚に期待があるし、もう一度裏切られる準備もしてる。
【小ネタ:村雨の出張先】札幌。出張が学会と被ると死ぬ。新千歳の空港ですごい量の買い物してる出張人、いますよね。買えなかったお菓子は赤いサイロで、肉は国際線の方の今半です。わざわざ移動した人たち。
【補足:三人の賭け】ややこしくなるので会話のきっかけ程度にしてしまって、全く説明がないので流れだけ書いておきます。これを同軸でやる力量ないので諦めました。
村雨が恋をしアピールを開始→みんなはいつ付き合うか賭ける→獅子神は好意に一定以上の価値を見出さないのでそれに気づかない→付き合い始めても獅子神が変わらないので誰が勝ったか負けたかまだなのかわからず、村雨もまだアピールを続けているので表面上は変わらない→カラ銀賭場閉鎖(獅子神にかまけて残高オーバーの村雨巻き込まれ、本当は獅子神だったのに二連続でコケたので無理だった)→ハワイでしょんぼりしてるのを見て天堂が驚きつつも確信を得てカマかけ、です。
仕切り直しの賭けはいつまでに帰るかみたいな感じのがあったんですが、さめしし一緒にいるシーンより長くなってもなぁ、と削りました。抜け駆け一番乗りの天堂、呼びつけた真経津、帰れと言ってしまった叶で全員反則負けして、獅子神が戻ってきた村雨の不戦勝ってとこですかね。
【忘れ去られた親切】「真経津が驚いた後に、それ獅子神さんが言う?って言って、どう言う意味だよと言う会話をいれた方が親切だな」ってメモ帳に書いてあった、入ってないです。60Pのあたりです。
【未公開集】
メモ帳に書いておいたけど使わなかったものや、ネタ出しで書いたけど繋がらなかったもの、などから抜粋したもったいない集。この先から唐突に始まる。
【カット-1 暗い海を~】
「ローストしたナッツをつまみ食いすんな!! それこれからキャラメリゼするやつ、あー!! 足りなくなるだろ、もうお前らそれやるから皿にうつして次の焼け」
 *
「しょっぱい具も出せばいいだろう」
「は?クレープにしょっぱいものいれんの?」
「あ〜、サラダクレープみたいなやつ、あるよな」
「あれは邪道だ」
「えー、ハム入ってるやつ美味しいのに」
「いや、持ってきてねぇものがこの家にあると思うか?」
「次から用意するように」
「いや、しらねぇよ、オレ食わねぇし」
◆本題はクレープパーティじゃないからな~と思って削りました。リベンジクレープパーティしてほしい。
【カット-2 続・暗い海を~】
「どうせあなたは飽きるほどしてきただろうし、さっさと体を繋げて、他の有象無象と同じ扱いを受けるのは癪だ」
「否定しづれぇ、お前オレのことよく見てんな」
「あなたずっと、受け入れはするのに求めはしないし、許しはしても与えはしない。獅子神、私はあなたに望まれたかった。あなたはそうしてはくれなかったが。散々水をやり肥養をやり甲斐甲斐しく育てたくせに、咲いた花に見向きもしないのは不誠実だ」
「誰が花だって?」
「私の気持ちだが?」
◆なんであんなままごとみたいな付合い方したの?の回答編も入れる予定だったけど、最後に詰め込みすぎるなぁと思いカット。その代わり全年齢から成人向にしときました。
【カット-3 続・暗い海を~】
 獅子神の望みはいまだに引き裂いたようにバラバラだ。私と安寧を過ごす時間に喜びを見出し、ギャンブルで得る優位性に興奮を見出し、友人たちがそれを歓迎するのに奮い立つ。それでも止まらず進む獅子神を、友人たちが歓迎するから彼は回遊魚のように進み続けるのだろう。
 ああ、なんて忌々しい。
 獅子神の進む道は彼自身が選ぶべきだ。誰の視線にも、左右されず。
◆幕間を除き獅子神視点なのに、誤って村雨視点の地の文でメモされていた箇所が結構ありました。そこから一部。
【カット-4 続・暗い海を~】
「私も行きたかった」
「オメー海とか行くのかよ」
「小さい頃は家族で行ったことがある。あなた、夏の日差しがよく似合うだろうな」
「お前は倒れそうでこえーわ」
「大丈夫だ、多分」
「たぶんかよ」
「次は一緒に行ってくれるか」
「休めんの」
「しばらくはまとまった休みは無理だろうが、約束しよう。ほかにも些細なことも、大きなことも、たくさん約束しよう。時には守れないこともあると思うが、挽回の余地をくれ。そのままにはしない。愛想を尽かしたりしないでくれ」
……わがまま」
「あなたも言えばいい」
◆一緒にインスタ見ながらイチャイチャするターンが入る予定だったのですが、なんかちょっと蛇足かなと思ってしまって削ってしまいました。あってもよかったな。
【カット-4 エピローグ】
 さっぱりとした秋晴れの日。
 手入れの行き届いた庭に、白いガーデンテーブルをセッティングして、昨日の夜からわんさか焼いた焼き菓子、カンバヤシのパンで作ったサンドイッチ、口直しのカナッペに、スペインで作り方を聞いたトルティージャ。紅茶にコーヒーに、フルーツジュース。ひとりじゃ持ちきれないそれを、従業員二人を伴って運び込む。
「村雨、お前これなんで止めなかったんだよ」
 庭に凝った家にありがちな、やたらと手が込んでいるのにゆったりとした空間を演出している庭は、オレの家の庭だ。オレが家を空ける前、たった三カ月前はこんなに植物だらけじゃなかった。
「庭は彼らの領域だろう。私が頼まれたのはあなたの部屋だけだ」
「屁理屈!! つーかなんでここで食うんだよ、中でいいだろうが」
 こういうのをなんていうのか、従業員二人にばかみたいにデカいため息をつきながら聞いたら、イングリッシュガーデンというのだと教えてくれた。本番は春らしく、今が手入れの本番だと言う。どおりで土を掘っくり返した形跡がある。何か植えたのか、植えるのか。
 せっかく広くてなんでもできそうなのに、一面ただの芝なのが不満だったらしい。前職が造園だったとか言わねえよな? と聞いたら、笑ってごまかされた。
「そりゃ、ユミピコの勝ちだからだろ」
「なんの勝ち負けだそれは」
「愛にはたくさんの形がある。そのどれかひとつでなければいけないなどと、決まっているわけでもない。私には最初から全て見えていたから、当然の供物というわけだ」
「獅子神さん、このジャムどこの?」
「それはオレの作ったやつ。つーか発端はお前らが暴れたからだろうが。まあもういいけどよ、なんか二人も見てもらえて喜んでるし」
 平均よりデカい男が五人、顔を突き合わせて庭でお茶会なんてなかなかの光景だ。
 これはオレの予想だが、本当の勝ちは村雨の一人勝ちだ。アイツはアイツで、一人でずっとオレが村雨のことを好きだと自覚するのを待っていた。やり方が、お互いへたくそだっただけで。
 これは結構、正解に近いと思う。
◆当初はお茶会エンドでした。これ書くならインスタ見るターン増やしたと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
ゆきのはら(ハネキリ)
暗い海をひとりでゆくなら-おまけ(2024.6.30さめふる)