三毛田
2024-10-28 21:16:30
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94 04. 形振りかまわず名を呼んで

94日目 君の元へと走り寄る

「くっ」
「丹恒!」
 伸ばした手は、触れる寸前で。だけどと届かず、彼の体は窓を突き破り宙に投げ出され。
「クッソー!」
「穹!」
 窓枠に足をかけ、同じ方向へ跳ぶ。
 なのの悲鳴が聞こえたが、丹恒優先だ。
 着地のことは考えていない。ただただ、俺の指をすり抜けていった彼に追いつくことだけ。
 何とか着地して、受け身も取れず転がっていった丹恒の元へ走り寄る。
「丹恒! 大丈夫か?!」
 あまり激しく揺らさないように気をつけつつ、肩を叩く。
「う……
 うめき声の後、体を丸めようとしたのでホッと息をつく。でも、周囲を囲まれたのでバットを構え睨みつける。
「ああもう!」
 そんな声が聞こえ、敵の足元が凍り付く。
 なの、ナイスアシストだ。
「ふっ」
「丹恒!?」
 俺の脇を撃雲が飛んでいく。
 振り返ったら俺がやられるため、気配でしか感じ取れない。
「手間をかけさせた」
「大丈夫か?」
「ああ。まだ少しふらつくが、戦える」
「無理するなよ」
「もちろん」
 戻ってきた撃雲を避け、バットを強化する。
 一歩二歩と、背中に寄ってきた気配。
 背中合わせに、対峙する。
「はあ。つっかれた~」
 全部を動けなくさせてから、大きく伸びをする。
「穹、背中借りるぞ」
「え?」
 声と共に、重みが。どうやら、丹恒が背中に寄りかかってきたらしい。
「おんぶするから、乗って」
「ああ」
 甘えたい気分なのか、それともさっきのが響いてるのか。
 わからないが、なのと合流するまでは俺の背中で休んでくれたらいい。
「二人とも、大丈夫!?」
 弓を手にしたまま、こちらに走り寄ってくる。
「丹恒、怪我したの?」
「わからないけど、辛そうだからおんぶしてる」
「そうなんだ。丹恒、重かったりしない?」
「軽い軽い」
「じゃあ、ウチは?」
「どうだろ~」
「穹~?」
 丹恒が軽いのは事実だ。まあ、なのも軽いだろう。
 なるべく揺らさないよう歩き、依頼人に完了したことを伝えて依頼料を受け取って列車に戻り。
「ただいまー」
「おかえりなさい。丹恒、どうしたの?」
「結構な高さから吹き飛ばされて受け身が取れなかったから、疲れてるんで背負ってきた」
「そう。怪我は?」
「わからないから、診て貰った方がいいかなって思うんだけど……
「寝てるわね」
 姫子は、俺の背中で眠ってしまった丹恒を見て苦笑する。
「起きたら診るって伝えておいて」
「うん。資料室より俺の部屋の方がいいよね?」
「そうね。穹、あんたもゆっくり休むのよ」
「ありがとう、姫子」
 姫子と別れて、俺の部屋へ。