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しちろ
2024-07-25 19:19:46
1071文字
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LOM
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地獄鍋
リクエスト作品。ラルクとティアマットのほんのりいちゃいちゃ(?)
「冬だからな」
ラルクとティアマットは鍋を囲んでいた。
外は冬だが、奈落の底はいつでも灼熱地獄である。
地獄の窯で鍋とかアホの極みだが、ドラグーンにとって主君の命は絶対である。黒と言えば白も黒になり、どんなに暑かろうが主君が鍋を喰いたいと言えば夕食は鍋になる。ゆえに今宵は鍋である。
「ティアマット様、そろそろ煮えます」
「ラルク、今宵の肉は何を」
「奈落の下層にて得た、最高級のドラゴンステーキをご用意しました」
「
……
ラルクよ。我との決闘の時期はまだであるな」
「左様。ティアマット様もご存じであるように、奈落で他に手に入る肉と言えば、悪魔の肉くらいしかありませぬ故」
「そうだったな、ラルクよ
……
。では我は今宵も、野菜を食すとしようか
……
」
「承知。健康的でよろしいかと」
……
まあ、俺は肉を食うが。
竜相手に嫌がらせとしか思えないチョイスだが、意外と気にしない主である。堕ちた竜ティアマット、いくら何でも悪魔の肉は喰いたかないし、宗教上の理由
……
というか生物学上の理由でドラゴンステーキを食せないため、この数百年ですっかりベジタリアンになっていた。これも弱体化の一因ではないかと、ラルクはひそかに思う。それにしても美味い。ドラゴンステーキ。主と鍋を喰うと肉を独占できるので、意外と嫌いじゃなかったりする。
「野菜美味い
……
だが、侘しいな。ラルクよ。こんな夜を、お前と何度過ごしてきただろうか
……
」
「百二十年ほどになりますな。奈落の墓の前を通りかかる者がまず少なく、さらにゼーブル・ファーを倒せるような戦士となりますと
……
」
正直、無理じゃねえかなと思ったりもするラルクである。『姉さん』という目的がなければ、とっくに折れているかもしれない。
「突破試験が難しすぎるのであろうか
……
すこしサービスしてみるか? 壁の顔を一つ減らすとか」
「ティアマット様の御心のままに。ですが、ゼーブル・ファーに勝利したとて肝心の知恵の竜に敗れては元も子もありますまい」
「そうであるな。ラルクよ
……
さすが我がドラグーンである」
我が主君ながら頼りないオッサンである。仕方がない。見た目タダのオッサンだし、中身もタダのオッサンだし。
「ところでラルクよ、そこのしょうゆに届かぬのだが」
「
……
はい、ティアマット様」
それくらい自分でとってほしいのだが。
そう思いつつ、渡してやるとラルクとティアマットの手と手が触れた。
「うむ
……
気が利く。さすが我がドラグーン
……
」
きゅん。ティアマットの顔がぽっと赤らむ。え、なに? 今の。
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