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しちろ
2024-07-25 19:19:01
1050文字
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LOM
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お父さんのホウキとあの人の背中
リクエスト作品。主コロ。
さっきから、背に負われて揺られている。
温かい。それに思っていたより広いなと思った。普段から鍛えているし、いつも武器を手に世界中駆けまわっている人なのだから、それはそうなのだろうけど。
すこし目線を上げてみれば、目の前の赤いスカーフがべったり濡れていてひどく申し訳ない気持ちになる。たぶん、自分の涙をたくさん吸ったのと
……
もしかしたら鼻水とかついたかもしれない。ごめんなさい。
優しくて、強い人。大丈夫だよと、いつも言ってくれる人。守ってくれる人。不慮の事故で両親を亡くし、バドと二人で生きていこうと思ったときには、こんな人に出会えるとは思わなかった。血もつながらない誰かが、こんなに温かい居場所をくれるなんて。
さっきだって、そうだった。
なくなったホウキを探して、ゴミ山の奥まで一人で来てしまった。
見つけるまでは夢中だったけど、気がつけば最深部までたどり着いていて後戻りできなくなっていた。怖かった。人間を恨むアーティファクトに襲われて。戦争の憎悪にさらされて。
弟と一緒に助けに来てくれた師は、怯えるコロナも過去を生きるゴミたちの想いもまとめて受け止め、引き受けてくれた。
「コロナ、コロナ。大丈夫か?」
「腰、抜けちゃった」
壊れた玩具たちがすべてマナに還るころ。
師と弟が駆け寄ってきてくれたけど、コロナはほっとしたせいなのか、すっかり動けなくなっていた。
「バド、コロナのホウキ持ってくれるかい?」
師は弟に穏やかにそう命じ、気づけば自分は師の背に背負われていた。
師匠は、足が速い。でも今は、ゆっくり歩いてくれているのがわかる。いつもより高い目線で、ゆったり景色が動いていく。一人ではあんなに怖かったゴミ山が、今はちっとも怖くない。
「あの、師匠。私、もう歩けると、思うから」
おずおずと声をかければ、こんなことを言ってくれる。
「遠慮しなくていいよ、こんなときに。一人で来て疲れたろう。眠っててもいいよ」
「
……
はい」
この人は優しいから。私より大人で師匠で、私が弟子で子どもだから、こんな風に言ってくれるんだろう。
コロナは背に頬を当ててみた。生前の父や母に負われていた頃を思い出す。
でも、両親に感じていたのとは、少し違う気持ち。
顔を上げてみると、少し上の方で、赤い帽子と癖のある髪が揺れている。
なんだかちょっと、顔が熱くなった気がした。
別に眠たくはないんだけど、どうしよう、この背中。もう少し独り占めしちゃっても、いいかしら。
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