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しちろ
2023-04-30 10:50:40
1271文字
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聖剣3
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望まぬ再会
聖剣3。紅アン。
昔の落ちこぼれだったころの二人と、最終決戦近くのころ。1200字。
あんたと私は落ちこぼれ同士だった。
「なぁんだ、またあんたなの」
「
……
アンジェラ王女」
今日もいつもの、魔法の授業。
居残り常連のあいつは、やっぱり常連の私が教室に入ってきたのを見てへらっと笑った。あのねえ、私たちちっともできなくて残されているの。何をへらへら笑っているのよ。
「だってアンジェラ王女がご一緒なら、怖い先生の講義も寂しくはないですし」
「バカなこと言わないでよ。私は、あんたのために残されている訳じゃないの。
……
それに
……
」 あたしは能天気なあいつの鼻先に、びしりと指を突き付けてやる。「私はあんたより先にすっごい魔法使いになって、絶対! ホセやみんなを、見返してやるんだから!」
一番見返したい
……
認めてほしい人の名前は、言えなかったけど。
噛みついてばかりの私に、あいつはくるりと目を丸くすると、姫様ならできますよ、と笑った。
「ぜひ、そうしてください。きっとそれは、私も胸がすく」
「
……
あんたがすっきりしてどーすんのよ。私だけじゃなくてあんたもがんばるのよ」
「は、はい。ですが
……
」 気弱なあいつは本を抱えてぼそっと言う。「いつも、真っ先に授業から逃げ出す王女が言うのも、どうかなと
……
」
「なによ、弱虫のくせに生意気だわ!」
出来損ない同士の、傷のなめ合い? そうよ
……
口先だけよ。
魔法が使える。母を超える魔法使いになる。そんな日なんか、いつまでも来る気がしなかった。
この魔法王国では魔法がすべて。まともに魔法が使えない私とあいつは、この国に居場所なんてなかった。
魔法が使えないあいつはある日、自分から姿を消し、そして再び姿を現した。紅蓮の魔導師なんて、ふざけた名前になって。私に『なれる』と言ったすっごい魔法使いに、自分でなって。
すっかり変わったあいつは国内で地位を高め、一方、相変わらず出来損ないだった王女の私は、国から
――
母から見捨てられて逃げ出した。
あれから時は経ち、私たちは再び出会った。
「あんた、久しぶりね。またお互い、変わったかしら」
「そのようですね、アンジェラ王女。強大な魔力を手に入れた今、無力な人形ではない。私も、今の貴方も」
そうね。私もあんたも、すっごい魔法使いになったわ。
きっと今では、世界中で私たちを上回る魔法使いなんて、ほとんどいないはず。
あの頃には感じられなかった大気のマナの流れ、波動、自分を満たす魔力。
語りかけてくる精霊たちの声。今ならば手に取るようにわかる。
ねえ、あんた知ってる? 旅に出て、努力嫌いの私は努力をしたわ。血がにじむほど。勉強嫌いの私は学んだわ。寝る間を惜しんで。精霊たちと語ったわ。時を忘れて。
でも、私なんかより、よっぽど頑張り屋だったあんたは
……
。
「よかろう、王女よ。闇の魔力の前に、自分がいかに無力であるか思い知る事になろう」
ああ、バカね。私は、すごい魔法使いになりたかった。あんたにだって、なってほしかったわ。
でも、私は、あんたとのこんな再会は望んでいなかったのよ
……
。
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