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志良(シイラ)
2024-10-27 12:46:12
1635文字
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黄金の終着駅-EXTRA-
2022年12月に発行した無配に加筆をしたものになります。
カムパネルラは列車の中でジョバンニとたくさん話をしました。
停車駅では降りられなかったけれど、構いませんでした。
カムパネルラの知らない物語を、カムパネルラの知らない友の姿を話に聞いて想像するのです。
友は、話を聞く限りいつまでもあの頃の友のままでした。
ちっとも変わっていないようでカムパネルラは少しだけ、胸が痛みました。
忘れてほしいと願った自分を友はいつまでも覚えてくれていたのです。
友は何を忘れることなく、星の記憶をもって未知の旅に赴くのです。
カムパネルラはその旅のことを想うと、寂しくありません。
己の責務にも負けたりはしないと思いました。
だって、友を語るジョバンニは楽しそうだったのです。
きっと彼の旅も変化に富んだ、実りのあるものになるでしょう。
カムパネルラはジョバンニを送り出すときに笑っていました。
――
あなたの旅に幸運を。
おやすみ、カムパネルラ。いつかまた。
「はあ、全く
……
」
白野から夢の話を聞いたギルガメッシュは大きくため息をついた。
てっきり、いつぞやのように一笑に付されるのかと思っていたが。どうやらそうではないようだ。
「あれ? ギル、信じてくれるの?」
「貴様を引き上げるときに、ムーンセルからの干渉が軽くなった瞬間があった。恐らくそやつがムーンセルを止めたのだろう」
ムーンセルって止まることあるんだ。白野は妙なことに気を取られながらも、首を傾げた。
「止めた?」
「ムーンセルの妨害を止めたところを見たのだろう? 呼ばれた元がバーサーカーだけあって容赦がない」
ギルガメッシュがあくまで所感だが、と前置きして言葉を続ける。
「貴様が出会った『カムパネルラ』とやらは、貴様と生まれが似ているのであろう。道具として生まれ、自我を得た。違いがあるとすればそやつは大地を離れては生きてはおれんところだ」
所感という割にはやけに限定的だ。いつぞや友がいたとしても名前など忘れていようと聞いた気がするが、やはり覚えている。
だが、そこを指摘するのは野暮といえよう。
「貴様の道は貴様が切り拓いたものだとはいえ、そやつも労ってやらねばな。
―
まあ、まだ先の話だが」
まるでそれはいつか月に戻る日が来るような口ぶりだ。
白野はあり得ないと思っているが、ギルガメッシュがそう感じているならそうかもしれない。
でもそれはきっとまだまだ遠い未来の話だ。
「それで? 星空を列車で駆けた風景と、この間ネットワークの海を宙から眺めた風景とどちらが貴様の心に残った?」
夢の風景は意識しないと薄れてしまう。まるでそれは元々自分の記憶ではなかったかのよう。
「今ある風景が一番かなぁ」
胸が騒がしい。今も、この先も未知なるものが広がっていて。
おやすみなさいと囁いた過去の声に、白野は答えるように微笑んだ。
おはよう、新しい世界。
願わくば、良き旅になりますように。
彼女と彼の旅の思い出は、終ぞ月に持ち帰られることはなかった。
【裏設定】
エルキドゥ(バーサーカー)
ギルガメッシュルートの表で白野が契約したサーヴァント。
ムーンセルに作られたNPC/神に作られた兵器という縁で召喚された。
マスターの意思がまだ希薄だったため、まだ人の形をとる前のバーサーカーだった。
最初は土の塊だったが戦いを繰り返すうちに最適化し、形を変えた。
ユリウス戦で魔力経路を失い、一度白野と同化してやり過ごしたが、戦闘時の姿は白野と同じ姿になった。
人の姿を取るのは負担が激しく、五回戦の決戦後に消えそうだったがBBが白野を月の裏に引きずり込むのを見て、彼女をギルガメッシュの元へ送り届けるために力を使い果たして消えた。
彼女に同化した時の名残を残して。
エルキドゥは銀河鉄道で白野をギルガメッシュの元に送り届けた後、自分は岸波白野であるとムーンセルに誤認させて中枢に眠っている。
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