NEO
2017-09-14 00:40:14
2481文字
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炭善版深夜の描き書き一本勝負log

増えます(12/27現在17作)

↑新古↓
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第十七回 2017.12.27

目覚めて、まだ夜明けに遠く、脱ぎ散らかした羽織を引き寄せたら己のものではなかった。はて何処にやったものかと仰いだ先に、市松染めの相方が寝ぼけ眼で厠へ向かう。いけない、それは駄目だぞ、お前……膨れ上がったこの熱を、一体どうしてくれるんだ?

▼着せ替え

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第十六回 2017.12.20

全集中・常中の呼吸なんて格好の心身技を覚えてしまったうら若き身空の悲劇……会えるのも久々で、切なさに箍が外れたら、御天道様も外気も気にならなくて、ただ貪るような情事に耽って、漸く落ち着いて仰いだ空に、浮かんだ星を見た時の俺らの気持ちよ。

▼一番星

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第十五回 2017.12.13

昔、こうしてやったのは幼い弟妹たちのためだった。習慣というのは恐ろしいもので、今や必要とする者もいないのに無意識に房を分けている。仕方なく手近な口元へ運ぶと、彼は、指ごと舐って慰めんと試みる。俺は、寂寥を紛らすように柑橘の薫る唇を奪った。

▼みかん

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第十四回 2017.12.6

とある國では糸で電話ができるらしい!と博識ぶりを披露するので、黄糸を繰りながら話半分に聞き流していたら真面目に聞け!と怒鳴られた。が、そんなもの必要ないと思う。お前の声ならいつでも何でも、直に、俺の身体で受け止めたいと願ってやまないから。

▼糸電話

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第十三回 2017.11.29

朝起きて支度して、散策がてら手を繋いで街を出て、川向こうに見つけた秘密のお花畑に招待したら、花の冠を作って飾って、昼餉にはおにぎりを食べて、いっぱいお話しして、嫌ってほど遊んで、帰るの━━そんな生娘染みた俺の夢を、お前と語り合った閨。

▼妄想デート

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第十ニ回 2017.11.22

遂に暴かれてしまった。毎夜精魂尽き果てて意識を失う姿に無理を頼めず、こっそり起き出しては隠れて片付けていた醜態を。「本当に馬鹿だなぁ」と困ったような笑顔が堪らず抱き締める。そんな俺の劣情をも、お前は。癒してあげると優しく囁いた……

▼今夜は一緒に

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第十一回 2017.11.15

夜露のように透き通って濁りない綺麗な眼を見つめているのが幸せだった。薄く緋を帯びた双眸がゆっくり俺の像を結ぶ、その、過程に在れることが。お前は俺を見て、故郷の山を思い出すよ、と微笑んだ。いつか俺も故郷と呼びたくて、もう一度、彼を強請った。

▼紅葉

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第十回 2017.11.8

不器用な俺は何事も手子摺り、塩梅を図れるまで相当な時を要す。苦悶の顔を見るにつけ、申し訳ないが、お前の肢体は今後もさぞかし難儀するだろうと慮る、そう謝った時のお前の喜びようといったら。口を滑らせたつもりはないぞ?察しがよくて嬉しいよ。

▼言葉の意味

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第九回 2017.11.1

いけない、出来ない、無理だ、と云っておいて、すぐに続けて、独りでは、まだ、このままじゃ、なんて付け足すから。待って、待って、待ち草臥れるくらいに焦がれて堪えて、遂に同じ朝を迎えたのだから教えてよ。秘めていたお前の真意を、さ。

▼ちょうだい?

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第八回 2017.10.25

桃の香だと教えただろう?熟した果実酒の芳醇を、喉奥まで飲み込み深く味わっている。微細な違いで苦楽が判り、そのどれもが好ましく堪らない匂いで、不思議に思いつつ考えるよりも満たされてしまうよ。まるでお前が情事の悦びを刻んでくれているようで。

▼印

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第七回 2017.10.18

困るだろうな。優しくすんなと云われたら。想像通りというか期待を裏切らないというか、其の、手付きも所作も感覚も。ぎこちなく不器用でおっかなびっくり確める度、其れに、堪え忍ぶ俺の気持ちよ。お前の好きにしてほしいのに。

▼素直になれなくてもどかしい

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第六回 2017.10.11

抗えない。全身が求めてる。視て、見られて、絡み合う視線。幸福と快楽に痙攣する様を、眇めた瞼の奥で愉悦する、嗚呼、そんな、そんな風に潤んだ瞳を向けられたら、俺は。もう離せはしない……どんな結末になろうと。

▼目が合いすぎるのは見つめてるから

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第五回 2017.10.04

実は分かっちゃってたんだけど眼を瞑っておいてほしいんだよ、大手を振ってお前に構っていられる、またとない機会だからね?本当の病を患っていたら夜なゝ慰めてなんてやれないよ。お前、段々熱くなるねぇその熱、俺が貰ってやろうか。

▼風邪?看病するね!

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第四回 2017.09.27

激しい豪雨に濡れそぼっていた時も、延々止まぬ氷雨に打ち拉がれていた頃も、傍らにはいつもお前が、柔らかな思い遣りの時雨を降り注いでいた。深い哀悼に、そっと寄り添う山吹。誰にも気付かれたくないと願ったのは、生まれて初めてのことだった。

▼みないで

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第三回 2017.09.20

苦痛、辛酸、恐怖が厭だった。日銭を奪われたら飯が食えない、鼓膜を破る罵声も無理。でも時に、数刻堪えれば殴られずに済んだお前が傷付くようなことじゃないのに、お蔭で満たされちゃう俺は、いつから麻痺しちゃったんだろうなぁ

▼なかせたい、という欲求

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第二回 2017.09.13

三度目を契機に火が灯る。胸に轟くは地鳴りか雷鳴か……焦土に降る恵みの雨を求め、潤沢な善逸の身を掻き抱く。喪失の日から求めてやまない渇きに苦しんでいる。互いに同じだと知らなければ俺達は、幾度も交わしたいと望まなかったのだろうか

▼二人だけの秘密

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第一回 2017.09.06

手を、脚を、体躯の隅々を。毒に触れて傷を吸い、涙を落としては嘆き、憂い、喜び咽ぶ。慈しみの海に沈ませる。そんな、音を、立てるなよ。そんな呼び声で捕らえないで……

こんなに溺れるほどの優しさを俺は、今だ嘗て味わったことがない。

▼囁かれた名前

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