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NEO
2015-11-15 03:44:53
3706文字
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【CFB】白虎の遺跡を目指す理由【ナオカケ前提】
捏造、支離滅裂注意。色々忘れてます。
〓〓〓
懐かしい声に指示された通り、カモンと連れ立って白虎の塒へ向かう。道案内は彼の端末から送られてきた地図だ。ナビゲートするラインが明滅し、所々に目印として巨大な樹木や特殊な形の岩などが几帳面に記してあった。これならよほどの方向音痴でない限り迷ったりはしないだろう。相変わらずの用意周到さにカケルは意識せず笑みをこぼした。
「━━━なぁ、ナオヤってどんなヤツ?」
南のBマスターといえどカモンは自分とそう変わらない普通の少年だ。先ほどの通話相手が誰なのか、と興味津々に聞いてくる。一言では到底云表せないあの──煩雑で鬱陶しい──経歴をどう話そうかと逡巡し、強いよ、とだけ答えるに留めた。
「へぇ、カケルが云うなら相当だな!スバルやバサラも強かったし、会うのが楽しみだぜッ」
屈託のない笑顔で握拳するカモンに乗っかって、ガルバーンもそうだな!、と意気軒昂な合いの手を入れた。真相を知るドラシアンが小さく唸る。それに気付いて不思議そうに顔を見合わせる二人に、カケルは苦笑するしかなかった。
「なんだよ
…
会いたくないのか?」
他意なく発せられた問いに心臓が跳ねる。仲間たちから含みをもって訊かれた時は、事前に心構えもできていたので何とか誤魔化せた。けれど、一切事情を知らないカモンから不意に問われた今、取り繕うことは難しい。
沈黙したパートナーの心中を察し、ドラシアンが口を挟む。
『Bクリスタルの件でこっちも色々あったと話しただろう。ナオヤも深く関わった人物の一人だ』
「?? だったら尚更会いたいんじゃ
…
」
「ナオヤは特別なんだ」
嘘をつきたくはない、でもありのままを話すことも躊躇われる彼について──止揚したカケルの解釈に、ドラシアンが妥協の溜め息をついた。
『特別って、何がだ?』
当然の疑問を抱くガルバーン同様、カモンも視線で返答を促す。カケルは考えをまとめながら、ゆっくりと口を開いた。
「すごく、頭がよくて
…
クロスファイトも得意で。WBMAの特別研究員だったこともあるよ。丁寧で、優しくて
……
だけど
…
本心はよくわからない、かな
…
」
「へっ?仲間だったんだろ?」
『微妙なところだな。ナオヤは常に裏で別の計画を持っていた。共闘した時はこれ以上なく頼れる存在だったが、カケルたちと対立したことも一度や二度じゃない』
ドラシアンの回想を、ガルバーンの驚く声が遮る。
『対立?カモンとリョーマみたいにか?』
「おい、ガルバーン?!俺は別に──っていうか、あれはバカ兄貴が勝手に暴走してるだけだって!!」
「カモンは
…
お兄さんを恨んではいないんだね」
『ウム。その点はカケルとナオヤにも通ずるな』
暗に不仲を否定したドラシアンに、ガルバーンがなるほど、と頷く。
『つまりナオヤという奴には問題が多々あるが、カケル自身は彼を認めている、ということか』
「ソレ、俺とバカ兄貴に変換するのやめろよ、ガルバーン」
心得顔で呟く相棒に、カモンは素早く牽制をかけた。
「もう着くし、あとはカモンが自分で確かめてよ。ね!」
これで話は終わりと言わんばかりに先を急ぐカケルに、出遅れたカモンとガルバーンが彼の人物像を変に勘繰るのも無理はなかった。
焔ナオヤ───
GP終幕を待たずに彼はまたもや姿を消した。チャンピオンの最終候補8強にまで残っていたものの、なんの予告もなく忽然と消息を絶ったのだ。多分、ううん、ほぼ間違いない、とカケルは確信する。
勝利より──興味を惹かれるものを見つけたのだ、と。
強豪の一角を欠きながらも大会は白熱した。熱狂の渦中にありながら、頭の片隅がひやりと冷めていた感覚に、我ながら戸惑ったことを覚えている。皆が勝負の行く末を一心に見守る中、自分だけ、どこか別の何かを見ているような──あらぬものを望んでいるような。腹の底でちりゝと騒ぎ、胸をざわつかせ、集中を脅かすもの。それこそが。
僕を此処に立たせている、理由。
『
…
リュウジは武者修行と称して世界を回っていたのだったか。ナオヤも同じようなことをしたかったのではないか?』
相棒の渦巻く疑念を察し期待を込めるドラシアンに、声を潜めるよう目配せを送る。カモンたちは景色に目を奪われているようだが、油断はならない。
「いいよ、無理しなくて。君も本当は疑ってるんだろ」
スバルやドラヴァイスたちと同じように、自分を心配してくれている。また、騙されはしないかと。けれど彼らと違って声高に糾弾はしないのは、やはり自分のパートナーだからなのだろうか。
彼を──信じたい気持ちが勝っているから。
『カケル。お前にできることは全てやったはずだ』
「うん
…
でも僕一人の考えでは、自由に出来なかったから」
それを望むには彼の仕業が稀有過ぎた。クロスファイトチャンピオンの自分にも、精々処分を減免するよう願い出るくらいしか干渉が許されなかったのだ。けれど、そんな自分の懸念とは無関係に、彼の在籍が抹消されることはなかった。
本当はもっと身軽にしてあげたかったのだけれど。
(一緒にツアー参加したかったし、クレストランドにだって
…
【聖獣】の遺跡に興味があるのも、同じなのに、)
WBMAから要請されたスバルやユキヒデと違い、自分は自由意思でクレストランドにいる。主な目的は島に眠るという『聖獣』の伝説を調べること。(東のBマスターになったのはロードファイトやクロスファイトの結果であり、嫌ではないが予定外のことだ)そんな自分と同じく自己判断で此所へ来たのが、ナオヤだ。そして既に伝説とされていた白虎の遺跡を見出だしている。彼とは他の誰よりも興味のベクトルが近い。謎を追いかけずにいられない
…
ただ、彼の方が効率的に手際よく真実に迫れている、という違いがあるだけで。
Bクリスタルの一件はWBMAの権威をもってしても鎮静化に手間取り、彼、焔ナオヤも司法的処分を免れなかったという。但し未成年であること、またWBMA中枢の機密に深く関わっていたことから彼の名が公になることはなく、経歴に傷が残る最悪の事態も避けられた。その後、居場所も知れぬ彼がWBMAから何らかの処分を下されたらしい、と人伝に聞いた。しかし今日脱走を知らされるまで、彼がWBMA本部内にほぼ軟禁状態であった、などとは考えもしなかった。
━━━罪を犯してさえ、彼が存在価値を損ねることはない。
当然WBMAが優秀な彼を見捨てることなど、あり得なかったのだ。
(疑いと期待
…
相反するものを掛けてるのに、結果は同じだ)
柵は彼を益々雁字搦めにし、逃げ場をなくしている。問題は、彼自身がそれを蔑視するかのように無関心で、ものともしない質だということ。不安なのが自分だけでは忠告もできない。
彼が一人でドラゼロスを生み出したことも物事を複雑にしている。
WBMAがしたことといえば一度破壊された際の修復くらいで、実際全てを作り上げたのはナオヤだ。ドラゼロスの相棒であるバサラは今、彼と繋がっているのだろうか?例え敵愾心があったとしても、ナオヤがドラゼロスの創造主である事実は変えられない
…
そこまで考えて気分が悪くなった。これからもずっとバサラがナオヤを無視できないで居続けるなんて、考えたくない。
できるならさっさと忘れてほしい。バサラだけじゃない。スバルやドラヴァイス、ユキヒデたちにルリさん、WBMAだってそうだ。彼を自由にしてほしい。でも、誰も彼もナオヤを放っておいてはくれない。
そのことが耐え難いほど苛立たしく、同時に頭の痛くなるような自己嫌悪を齎した。
なんてわがままなんだろう!
誰よりも彼を束縛したいと願っているのはこの、ぼくだ。
ずっと側にいてくれればいいのにと、ぼくだけ連れてってくれればいいのにと、思ってる。共にミステリーを追い求め、協力して謎を解明し、彼が神秘を紐解くその瞬間を、隣で一緒に味わえたなら
…
さぁ、此方へ
興奮と期待で胸がぞくぞくする。いつだってこうだ、彼のことを考える時は。 身体の芯が熱くなって、自分で自分が抑えきれない。あぁ、ナオヤ
……
いつかぼくを見てくれる?ぼくのことを選んでくれる?そうでなくともぼくは、ずっと
………
頬が熱い。頭がくらくらする。もうずっとずっと。いつからか解らないくらい想像のナオヤに依存している。彼はとても優しく、頗る残酷で、幾ら自分が縋っても応えてはくれない。あの甘い声
…
「ここみたいだなっ!」
カモンの明るい声が物思いの沈黙を破った。遺跡に通ずるであろう洞窟が目の前に聳えている。思わず息を飲んだ。なんて暗いのだろう。先の見えない暗い道を、それでも、進むしかない。
艶やかな銀の髪を脳裏に思い出し、綺麗な翡翠の瞳を瞼裏に浮かべ、整った鼻梁と薄い唇に乗った酷薄な笑みの記憶を頼りに足を踏み出す。本物の彼は自分を歯牙にもかけないというのに。
あの、微笑みに抗う術が、ぼくにはない。
熱が冷めない。加速する。この先に、行く宛のない想いが報われる場所があるのだろうか。
〓〓〓
案ずるより産むが易し!
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