サッカーやバスケット、鬼ごっこに特訓。激しく運動したあと疲れて、お互いに寄り掛かって休んでいる時、セイランはいつも、はぁ~と満足げなため息をつく。白い素肌がほんのり染まり、うっすら汗ばむ身体から普段は感じない体臭が匂い立つ。荒くなった息を整え落ち着くまでの間に、埃っぽい髪は汗に濡れてぱらゝと額に張り付いた。何の遠慮もなく全体重を預けて、楽しげに笑いながら、あー面白かった、またやろうぜ!と次の約束をしてくれる。明るくて、元気で、優しい、セイラン。そんな彼と過ごせることが、一緒にいられることが、嬉しくて、楽しくて、幸せで。いいよ、またね!と返事をするつもりで、目の前にあった唇に、ひとつ、口吻を落としていた。
「━━━ !! 何すんだよっ!!」
ドンッ、と強く押し返され、一瞬キョトンとセイランの顔を見つめる。見る間に赤々と染まっていくその顔を見て、漸く今、自分がとんでもないことを仕出かしたようだ、と理解し始めた。あんまり幸せで、気持ちよくて、爽快な気分だったから、気にならなかったけど、もしかして俺……驚かせちゃった?
「く、口が……っ」
「━━━あ、ごめん」
「!! 謝るくらいならすんなよっ!!」
怒鳴られる勢いに萎縮する。涙目になりながら唇をゴシゝ擦っているセイランが、なんだか幼く見えて可愛くて━━━けど嫌がる態度はあからさまで、胸がぎゅっと締め付けられた。痛くて、苦しい。無数のトゲに刺されるような感じがする。
怒らせたんだ。どうしよう?謝ったらダメだったのかな。だけど…セイランの、こんな顔が見られるなんて……
十分休んだはずなのに、鼓動は速くなっていた。
「……ううん、謝るよ。驚かせちゃって、ごめん」
真っ赤な顔で口許を押さえ、小刻みに震える姿はどちらかといえば怯える小動物を思わせたけど、そんなことをいえば彼が怒り狂うのは分かりきっていたので、黙っていた。
「でも、それ以外は……謝らない」
「!」
ハッとして強張るセイランから僅かに身を離す。どんな反応が返ってくるかわからないけど、彼に避けられるより、自分から距離をおいた方がまだマシだ。
「なんで……こんなことしたんだよ」
「なんで…って……」
セイランが側にいて。嬉しくて、幸せで。幸福な気持ちがいっぱいになって、溢れて……気づいたら。そんなことしか、分からない。
「えっと、その……う、嬉しくて、」
「はぁ?イミわかんないんですけど…」
「……! あの、セイラン、俺、悪気はなくてっ」
「当たり前だろ、あったら絶交だ。でも、もう、お前のこと、よくわかんなくなった……」
「せ、セイラン!」
スッ、と立ち上がり背を向けた相手を慌てて追いかける。けれど彼が振り返らずに放った、来るな、の一言が、あまりに冷たい響きを持っていて、ギクリと身体が硬直してしまった。
「わりーけど、……しばらく一人にしといて……」
「セイラン!!」
いやだ、嫌だ、嫌だよ、セイラン……いかないで……嫌いにならないで……
「セイラン…」
いかないで。いかないでよ。
君がいなかったら、かなしくて、さみしくて、どうしたらいいかわからないよ、ねぇ。
セイラン、
\(^^)/こーゆー年相応感もmgmgしたい
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