shibacan
2024-10-24 23:43:50
1599文字
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【TF ONE】嘘つきロベリア(書きたいとこだけ)

モブD

だって公式がDちゃんは騙されやすいってドチャシコ設定をお出ししてくるから……
※ロベリア…花言葉 悪意

「ああ!君を探していたんだ」

急にコグありに声をかけられて、D-16は思わず動揺したように足を止めてしまった。
キョロキョロと回りを見回してみても、声をかけてきたコグありは自分の方へまっすぐ近づいてくる。
だが、D-16にコグありの知り合いといえば鉱脈の作業監督員であるダークウィングくらいで、こんな風に声をかけてくるコグありには心当たりがなかった。

「あの、ええと……

体格も力も圧倒的なコグありを怒らせると厄介だ。
思わずなんと答えればいいか窮したD-16は少し不安げな表情でコグありを見上げる。
近づいてきたコグありは優しそうな笑みを浮かべると屈んで目線を合わせてきた。

「君のお友だち、赤と青のこ。探してるんじゃないかな?」

パックスのことだ。
D-16はスパークがドキリとした。
瞬間、ブレインの中に想定される悪いことが一気に何個も浮かび上がる。
とくに最近はデータ保管庫と言ったおいそれと入れないところに不法侵入を繰り返しているらしい。
もしかしてパックスの身に何かあったのだろうか。
D-16は思わずそうなんです、と頷き返した。

「いつもならこの時間はチャージスラブにスリープに戻ってきているんですが、まだ帰ってこなくて」

するとコグありはD-16の手をそっと握る。

「そのこの居場所なら分かる。けれど怪我をしているようでね。よかった、君の手を借りたいんだ」

オライオンが怪我をしている。その言葉にD-16は思わず排気を詰めた。
どうしよう、早くなんとかしなければ。

「と、とにかく、当局の医療班に連絡を」
「ああ、それは大丈夫だよ。私が連絡しておいたからね。でも気が動転しているようなんだ。私と一緒に彼のところへ行こう」
「はい!」

D-16は頷くとコグありに手を引かれるまま薄暗いアイアコンの路地裏を走り出した。
しかし薄暗く、雑多なものが転がる路地裏は走りづらい。
なかば引きずられるようになりながら躓くと手を引いていたコグありはああ、すまない、と足を止めて振り返った。

「ごめん、焦りすぎたね。ここは足場が悪い……私がだっこしてあげよう」

驚いてD-16が立ち上がる間もなく、コグありに抱き抱えられてしまう。

「わっ!だ、大丈夫です。自分で走れます」

するとコグありはD-16をガッチリと抱き抱えたまま、どんどんと走り出した。

「今は時間が惜しい。彼もきっと君を待っているよ。だから、ね?」

そう言われてしまえばD-16に拒否する選択肢はなかった。
そしてコグありに抱き締められたまま、D-16は気づけば全く知らないアイアコンの奥にまで来ていた。
アイアコンと言えば四六時中、照明が光り、空を飛行型のコグありたちが飛び回っている。
けれどもD-16とD-16を抱きかかえているコグありがたどり着いたのはちょうど建物と建物が複雑に増築され、繋がった薄暗い場所だった。

「ええと……、あの」

行き止まりで足を止めたコグあり。
けれどもそこにはオライオンの姿はなかった。
あるのは上、右、左を行き止まりに囲まれた小さな袋小路。
すり、とD-16の太ももをコグありが撫でる。
す、と急に背が寒くなってD-16は自分を抱きかかえているコグありを見下ろした。

「パックスは……?」
「おかしいな、お友だち、いなくなっちゃったかも」
「えっ」

じゃあ探さないと。
そう思ったD-16がコグありから降りようとしてもボディを捕まえた腕はびくともしなかった。
あれ、なにか……何かがおかしい。
ぞわぞわと感じる不信感になんとかコグありから離れようと両腕に力を込める。
だがD-16を捕らえた腕はむしろ逆にD-16の身体を抱き寄せた。

……お友だちいないね。じゃあおじさんと一緒にここで待とうか」
「待ってください、パックスは怪我をしてるって」