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Hizuki
2021-02-15 20:09:24
2187文字
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FF14
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手紙と想いと可能性と
【FF14】ルン光。アリアの元に手紙を託したヒカセンとその手紙を受け取ったルンの話。2021年ヴァレンティオンデークエの内容を含みます。ヒカセン本体の出番はなし。赤70クエクリア済みの方がいいかもしれない。少しでも可能性があるのなら。
レヴナンツトールの石造りの景色の中に見知った金色を見かけて声をかける。
赤魔法の手解きをした弟子の一人。
「よっ、アリア。元気にしてたか?」
「師匠!今日はどうしたんですか?」
オレの声に気付くとアリアはこちらを振り返り、嬉しそうにぱたぱたと駆け寄ってきた。
「弟子の様子を見に、な。修行の調子はどうだ?」
「順調ですよ。ここの人達の頼み事を引き受けたり、魔力のコントロールの練習をしたりしてます!」
「それは何よりだ」
アリアの表情は明るい。
実際本人の言う通りなのだろう。
とはいえ、一人で取り組んでいると、やはり困った部分も出てくるのだろう。
ぽつりと溢した悩みにオレから返せる答えを告げれば、アリアは素直に頷いた。
そして、話題が一区切りついたところで、思い出したように別の話を切り出した。
「そうそう、先輩も来てくれたんですよ!」
アリアが先輩と呼ぶ人物は一人しかいない。
エオルゼアの英雄でもある彼女。
元の戦い方とは別の手段を求めて、彼女は赤魔法を身に付けた。
「ほう?」
「同じように様子を見に来てくれたんです。師匠が来るちょっと前にウルダハに発っていっちゃいましたけど
…
」
彼女もまた妹弟子を気にかけてくれている。
二人の元を離れた後も不安がないのは彼女の存在があるからでもある。
「
…
そうか」
自分の口から出た声が思ったよりも沈んでいることに気付いた。
何かと問題事の渦中にいて、オレ以上に各地を飛び回っている彼女。
故にあまり会う時間を取ることはできない。
互いにそれを理解した上で想いを通じ合わせたものの、時に少し寂しさを感じてしまうことは否定できない。
「ただ、これを先輩から預かりました」
そう言ってアリアはオレに封筒を差し出した。
真紅の蝋で封がされた、白い封筒だった。
「手紙?」
「はい。もし師匠が来ることがあったら渡してほしい、って」
オレも彼女もアリアの元へ顔を出す。
ならばアリアに預ければ必ずオレに届くと踏んだのだろう。
「なるほど、ありがとな。確かに受け取ったぜ」
差出人も受取人も分かっているからか、封筒には何も書かれていなかった。
それを軽く眺めていると、アリアの名を呼ぶ別の声が聞こえた。
どうやら手伝いを求められているらしい。
明るく返事を返すと、一度オレの方を見た。
「それじゃ、ちょっと行ってきますね」
「ああ、気を付けてな」
手を振りながら声の主の元へ駆けていく。
後ろ姿を見送ってもう一度自分の手元に視線を落とした。
「
…
しかしこのご時勢に手紙か。一体何が書いてあるのやら」
確かここにはカフェテラスがあるとアリアから聞いた覚えがある。
彼女からの手紙を道端や酒場で開ける気にはなれず、そちらに行ってみることにした。
一際大きな建物の2階、紅茶を注文して、空いている席に座る。
オレがアリアの元を訪ねるのに周期はない。
手が空いたタイミングでになることはきっと彼女も知っている。
となれば、内容はきっと急ぎのものではないはずだ。
運ばれてきたカップに口をつけてから、封を切った。
『ルンさん、お元気ですか?私は元気です。
ヴァレンティオンデー真っ只中のグリダニアでこの手紙を書いています。』
「そういえばそんな時期か」
封筒と同じ色の便箋に並ぶ彼女の文字。
書かれていた単語に今の時期を思い出した。
『何でいきなり手紙?と思っただろうけど、たまにはこういうのもいいかなと思ってペンを取ってみました。なのでちょっとだけ付き合ってください。』
元々外からの影響を受けやすい性格だと自分で言っていた。
つまり街の空気に乗せられて書いてみた、といったところだろうか。
『実は私、ラブレターをもらったんです。あ、ラブレターって言っても恋愛的な方のじゃなくて、憧れ的な方のですよ?それがすごく新鮮で嬉しくて。』
単語が目に入った瞬間、自分の眉間に力が入るのが分かった。
大人気ない。
落ち着かせるように紅茶を多めに流し込む。
直後に書かれていたフォローの言葉でその力はすっと抜けていく。
それはラブレターというよりはファンレターの方が近いんじゃないか、と心の中で突っ込んでおく。
『ルンさんにはルンさんのやることがあって、私には私のやることがある。会えない時間の方が長くて、普通の人みたいに会うことも難しい。でも、だからこそ会えた時に嬉しいなって思うんです。』
今もまた、何か騒動の中にいるのだろうか。
こうやってオレ宛ての手紙を書くくらいの余裕はあるようだから、そこまで切羽詰っているわけでもないということか。
『次がいつになるのかは分からないけど、またルンさんに会えるのを楽しみにしてますね!
大好きなルンさんへ
――――
より』
「次、か
…
」
便箋を封筒の中に戻す。
あいつはオレが来る少し前にウルダハに向かったとアリアが言っていた。
会えるという確証はない。
けれど、今から追いかけたら見つけられるかもしれない。
幸いなことに急ぎで片付けなければならないような用事もない。
…
会いたいのは、オレだって一緒なんだ。
そうと決まれば話は早い。
カップの中身を飲み干して立ち上がる。
ほんのわずかな可能性に托して、砂の都へと向かうことにした。
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