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Hizuki
2019-02-21 12:40:32
1188文字
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欲しいものはただひとつ
【グラブル】ジクグラ。現パロ、バレンタインの話。パーシヴァルとのやりとりのみで、グランのグの字もないけどジクグラ。欲しいのは、ただ一人からの想い。
翌日の会議の資料の確認を終えると、窓の外はとうに夜に包まれていた。
パソコンの電源を落として帰り支度を整える。
まだ残っている者達に早めに帰るようにと声をかけ、フロアを後にした。
エレベーターホールに向かうと、そこにはよく知った赤髪の男が立っていた。
「パーシヴァルじゃないか」
「ジークフリートか」
名を呼べば髪色と同じ色の瞳がこちらに向けられる。
デジタルの階数表示を見ればちょうど下りていったばかりのようで、パーシヴァルの隣に立ち、エレベーターが上がってくるのを待つ。
「そういえば聞いたぞ。今年はバレンタインの贈り物を受け取らないそうだな」
先に口を開いたのはパーシヴァルだった。
それは今日の朝礼でのこと。
先手を打って、今年はバレンタインの贈り物を辞退すると宣言した。
「毎年気を使わせるのも申し訳ないからな。その方が皆も気が楽だろう」
2月14日の朝、毎年のように目に入るのは机の上に置かれた数々の包み。
また業務の合間をぬって、わざわざ直接俺の元に届けにくる者もいた。
そして社内だけではなく社外、その日に出向いた取引先からもいただいてしまい、帰る頃には複数の紙袋がいっぱいになるほどの量になってしまっていた。
去年は殊更数が多かったように思う。
流石にあの量は消費し切れないと、よく知った少年に助けを求めた。
「感謝の気持ちをということだろう?」
「それは仕事で返してもらえれば十分だ。正直なところ、お返しの品を見に行くのも結構大変でな
…
」
当然お返しを蔑ろにはできず毎年用意はするが、如何せんそういったことには疎い。
それなりのもので、贈って喜ばれるものとは一体何か。
目の前のパーシヴァルを含め、相談するのに適した友人達がいるのは幸いだった。
戻ってきたエレベーターが開き、揃って乗り込む。
1階のボタンを押し、扉を閉めた。
「不特定多数からよりも、たった一人からもらえればそれでいい」
何より今は俺の隣にいてくれる人がいる。
一般的な言葉で言うのなら、恋人、というものだろう。
恋人からもらえればそれだけでいい、と。
そう続ければ、はぁ、と呆れ混じりの声が聞こえた。
「それよりパーシヴァル、お前こそどうなんだ?例の
…
」
「俺のことはいい」
少しばかり仕返しを試みるもあっさりと切り捨てられてしまった。
パーシヴァルの元にも毎年俺と同等の、いやそれ以上の贈り物が届けられていることを知っている。
そして同じように愛しく思っている者がいることも知っている。
あっという間にエレベーターは1階に着き、開いた扉から入ってきた風には外の冷気が混じっていた。
先に降りたパーシヴァルが立ち止まってこちらを振り返る。
「まぁその
…
もらえるといいな、お互いに」
時は2月の初め。
運命の日は遠いようでいて、すぐそこまで来ている。
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