Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
Hizuki
2018-10-13 01:34:06
1379文字
Public
Clear cache
鍵のかかった箱を開けて
【グラブル】ジクグラ。両片思いの2人の話。告げるつもりは、互いになかった。
―
この感情は、表に出してはいけないものだと分かっていたんだ。
だからこそ心の奥底にしまい込んで、蓋をして鍵をかけていた。
なのに。
『ほう、この者を好いているのか。』
「なっ
…
!」
心が見える、と告げた星晶獣は不躾にそう言い放った。
遠慮のない紅の瞳が僕達を舐めるように眺める。
一瞬で顔に熱が集まるのが分かった。
視線を感じて、唇を震わせながら隣に立つその人の方に目を向ける。
同じようにこちらを見る金色と目が合った。
何も言わない。
何を考えているのか読めない。
ただ、ぐっと朱色の大剣を握り直すと対峙する星晶獣に視線を戻した。
相手がこれ以上の言葉を発する前に剣を構えて駆け出す。
基本も何もない、感情に任せた剣。
ひらりふわりと攻撃を立て続けにかわされ、その動きに振り回される。
『ああ、これだからヒトは面白い。』
そう言い残して眼前から姿を消した。
荒くなった息を整えながら空を仰ぐ。
「
…
グラン」
背中からかけられた声に心臓が跳ねる。
振り返るのが怖い。
どんな顔をしているのか。
どんな顔をしていいのか。
「ジーク、フリートさん
…
」
恐る恐る振り返れば、困った様子の彼がそこにいて。
その表情に押されるように自分の口からは謝罪の言葉が零れる。
「ごめんなさい
…
ごめんなさい
…
!」
背を向けて道のない森の中を駆け出す。
もう一度名前を呼ばれたような気がした。
だけど振り返らない。
振り返れない。
「待て、グラン!」
それでも相手の足の方が速く、伸びてきた手が僕の腕を掴んだ。
自分の力では振り払うことは不可能で、地面に目を向けて唇を噛む。
一瞬離れた手は僕の身体を抱え込んだ。
肩口に顔を寄せられ、緩く波打った髪が肌に触れているのが分かる。
「
…
俺だけではないと、思ってもいいのか」
「えっ
…
?」
切実な、搾り出すような声。
「お前が、俺のことを好いてくれていると、そう取ってもいいのか、グラン」
隠さない物言いに一際心臓が大きく脈打つ。
不安の色を帯びた金色の瞳が真っ直ぐにこちらを見つめていた。
「あの
…
ジークフリートさん、も
…
?」
確かめるように問えば、声はなくこくりと頷いた。
こんなことってあるのだろうか。
「自分の年齢を考えれば、伝えるべきではないと考えていた。だが先程の様子を見て、もしかしたら、と
…
」
戦闘の師として教えを請い、接する時間が増えていった。
初めて会った時には分かりにくかった表情も少しずつ分かるようになっていった。
自分がこの人に向けている感情が最初の頃と変わってきていると気付いたのは、大分前のことで。
けれど、それは表に出してはいけないものだとすぐに察した。
こんな子供に想われたところで迷惑にしかならない、と。
だからこそ心の奥底にしまい込んで、蓋をして鍵をかけていた。
知られてしまうことで、今までの関係が壊れてしまうのが怖かった。
なのに、この口ぶりでは。
「
…
僕が、あなたを好き、って言っても、いいんですか」
―
ひとつだけ、あの星晶獣に感謝をしようか。
隠し続けていたのなら一生聞けなかった、想い人の気持ちを聞く機会をくれたことに。
鍵を外して、蓋を少しだけ開けた。
僕の言葉に金色から不安が消える。
問いかけの返事は優しく唇に落とされた。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内