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Hizuki
2018-08-10 12:45:56
2568文字
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FF14
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相棒は一人で十分
【FF14】エス光。MHWコラボ、リオレウス戦後の話。MHW本家の内容を若干含みます。突貫作業。何でも許せる方向け。その立ち位置を譲るつもりはない。
東方の窓口の街は以前訪れた時と同じく活気に満ちていた。
風の便りで聞こえた噂を確かめに、久し振りにこの地を踏んだ。
「あれ、エスティニアンだ。久し振りー」
不意に聞こえてきたのは相棒の声で。
聞こえてきた方を見遣れば、潮風亭の前の長椅子に座り、こちらに向かって手を振る相棒の姿。
午後の休憩時の頃合、同じような目的の人らで茶屋の前は溢れかえっていた。
「何やらアジムステップにまた竜が現れたそうだな?」
「あ、エスティニアンもその噂聞いて来たんだ?」
「まあな。行くなら付き合うぞ」
やはり相棒の耳にも入っていたようで、竜というだけで何を指しているのか理解したらしい。
とはいえまだ俺の元に大した情報はない。
行くのならばもう少し情報を集めてからにはなるが、と続けようとした言葉は相棒によって遮られる。
「残念。その竜なら私がもう倒してきたよ」
何事もなくあっさりと言ってのけた相棒に目を丸くする。
俺が話を聞いたのだって本当につい最近のことだ。
やはり冒険者という身軽な立場な分、情報も動き出しも早かったということか。
「
…
随分仕事が早いな」
「ふっふっふ、今回は助っ人もいたからねー 」
得意気な顔でそう言うと、相棒の身体の影に隠れていた何かを示す。
助っ人、という言葉に首を捻った。
相棒の身体で隠れるほどとなると、大方ララフェル族かと思っていたのだが。
「
…
何だその猫は」
…
そこに座っていたのは、どう見ても猫で。
エオルゼアでは見たことのない装備。
薄黄色のフードにゴーグル、背負ったドングリのシャベルは武器だろうか。
「アイルーですニャ。よろしくなのニャ」
「この子が今回の助っ人で、私のオトモだよ。こっちはエスティニアン」
…
猫が喋った。
いや、竜も喋るのだから猫が喋っても不思議はない。
「オトモとは一体何だ?」
「ハンターさんの相棒のことですニャ」
「ほう
…
?」
各地のリスキーモブの狩猟を生業とする者はモブハンターと呼ばれている。
こいつは生業というわけではないが、リスキーモブを狩っていることもあるし、そういう意味ではハンターには違いない。
そんなことより相棒とな。
また聞き捨てならない単語が飛び出したものだ。
「まだ見習いなんだって。だから一緒に冒険して経験を積みたいんだってさ」
何かもやもやとしたものが心に広がる。
「今回現れた竜、リオレウスって言うんだけど、アイルーの故郷にいた竜らしいんだよね」
「ボクはそいつを追いかけてここに来たのニャ」
こいつの故郷がどこだかは知らないが、この地と繋がっているどこかということか。
まだ詳細が知られていない地などたくさんある。
そのうちの一つがこの猫の故郷ということだろう。
「相棒というからには何か役に立ったんだろうな?」
「ニャニャ!?」
アイルーと呼ばれた、相棒の隣に座る猫をちらりと見ればびくりと身を震わせた。
その猫をなだめるように頭を撫でる相棒が得意げに答える。
「もちろんだよ!この子がくれた回復薬がなかったらやられてたかもしれないんだから」
「
…
お前がか?」
「だって回復魔法の効果が全然なかったんだもん。あの一帯だけ完全にあの竜の領域って感じでさ」
「
…
なるほど」
イシュガルドの竜や、アジムステップの巨竜と刃を交えたこいつがやられたかもしれないと言う他の竜。
一括りに竜と言ってもやはり棲み処が違えば攻撃や対処方法も違うということだろう。
となればその回復薬とやらもエオルゼアの錬金薬とはまた異なるものか。
「ボクが一人前のオトモになったら、色んな道具を使ってハンターさんをサポートするのニャ!」
「どんなことができるの?」
「楽器の演奏でハンターさんの持ってる力を強化したり、体力を回復するミツムシを呼んだりできるのニャ!」
「おおー、吟遊詩人みたいな感じなのかな?期待してるよ相棒!」
…
なるほど、分からん。
そもそもミツムシって何だ。
エオルゼアにそんな生物がいるなどとは聞いたことがない。
得体の知れないそれはサポートになるのかと顔には出さずに疑問を抱く。
そんな理解の及ばない異国の生態を思案していると、背後から客を探す茶屋の娘の声が響いた。
「あ、私達の分かも」
立ち上がった相棒がぱたぱたと店先に駆けていく。
俺ともう一人
…
いや一匹の相棒が残される。
クガネの街並みが珍しいのか辺りをキョロキョロ見回している。
あいつの姿を目で追えば、盆を手に両手剣を背負った男と話す姿が見えた。
「お待たせー」
「さっきの男は?」
もう片方の手で座布団をずらして作ったスペースに、茶色のタレがかかった団子と茶が乗った盆を置いた。
焼き立てのようで香ばしい匂いがする。
「ああ、例のリオレウスの話を教えてくれたモブハンターだよ。何かまたアジムステップで見かけたって話があったんだって」
倒したと思ったんだけどなぁ、と相棒が呟く。
これは願ってもない好機。
「行くんだろ?」
「そりゃ当然。あ、これ食べてからね。エスティニアンも食べる?」
いや、俺はいい、と辞退する間もなく団子を口に突っ込まれる。
たっぷりとかかっていたタレは甘い中にしょっぱさがあり、団子の温かさも相まって実にうまいものだった。
そしてあっという間に団子を平らげ、腹をポンと叩く。
盆を店に返しに行く相棒を見送ってから、隣に立った猫に視線を落とした。
「
…
アイルーと言ったか」
「ニャ?」
俺の身長の半分以下の猫がこちらを見上げる。
見習いと言っていた通り、まだその顔には甘さがある。
「
…
先に言っておくが、あいつの『相棒』は俺だからな」
…
どうやら俺はあいつが俺以外の存在をその名で呼ぶことがどうにも気に食わんらしい。
いまいち状況が飲み込めていないらしい猫は、ただ首を傾げるばかり。
分からないなら分からないでそれでいい。
先に釘を刺しておくに越したことはない。
「んじゃひと狩り行きますか!」
「何だそれは」
「狩りに行く時の掛け声みたいな?」
戻ってきたあいつが拳を掌に打ち付ける。
向かう先はアジムステップ。
俺の相棒を苦戦させた異国の竜の実力、この目でしかと確かめさせてもらおう。
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