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Hizuki
2017-05-13 14:32:17
2146文字
Public
FF14
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※効果には個人差があります
【FF14】エス光。自室の話。部屋に置いているもの。
「エスティニアンの部屋って何もなさそうだよね」
「何だいきなり」
そろそろアパルトメントの模様替えでもしようかと考えながら、友人との待ち合わせ場所に向かう途中。
神殿騎士団本部の前を通りかかり、ちょうど中から出てきたエスティニアンと軽く挨拶を交わす。
そして彼の顔を見てふと思ったことがそれだった。
「いや何となくそんな気がしただけ」
歩き出したエスティニアンを追いかけ、その隣に並んだ。
特に理由はない。
けれど普段の彼を見ていれば、恐らく必要最低限程度のものしかないのだろうというのは容易に想像が付いた。
「まぁそうだな。そもそも動いていればあまり部屋に戻ることもないからな」
「机と椅子とベッドと、あとちょっとした棚くらい?」
「それだけあれば十分だろう」
「味気ないなぁ」
私物らしき私物のない、それこそ兵舎に備え付けられているものだけの部屋。
よく言えばシンプル、悪く言えば殺風景な部屋が目に浮かぶ。
邪竜討伐を目的に動いているエスティニアンからすれば、それ以外の物事にはあまり興味がない。
そんなところか。
彼らしいといえば確かにその通りだ。
「そういうお前はどうなんだ」
「え、私?」
「あぁ」
急に話を自分に振られ、思わず聞き返した。
私が部屋を持っているというのは、いつぞやかの野営の見張りの交代の時に話したことがある。
一度自分の部屋に帰ってゆっくりしたい、と。
エスティニアンにとって興味のないものとしてとっくに忘れられていると思っていたからこそ、そう問われたことに驚いた。
「やっぱ自分の部屋って帰った時にほっとする場所にしたいじゃない?だから好きなものとか色々置いてるよ」
「例えば?」
「本、は結構あるかな」
ウルダハ、グリダニア、リムサ・ロミンサ。
三国それぞれ違った背景を持ち、背景が異なれば当然文化も違う。
それに加えてイシュガルドに古代アラグ文明、過去の霊災。
成り立ちや民間伝承、衣食住、そういった物事を調べ始めると、あっという間に書籍の数は膨れ上がっていった。
元々部屋を買ったのもそれらの本を置いておける部屋が欲しかったから。
「ようやく壁一面の本棚が手に入ってちょっとすっきりしたところ」
部屋の天井まで届きそうな高さの本棚が3台。
これのおかげである程度系統を分けて収納できるようになった。
部屋の一角だけを見ればまるで小さな図書館みたいで気に入っている。
「それでも入りきらない本はまだ部屋の隅に置いてあるけど。本に囲まれてるのって何か落ち着くんだよね」
それこそ何もなければ部屋に引きこもって本を読み漁るなんてこともしたい。
とはいえそんなことをしている余裕なんてないのが現実。
「そういうものか」
「うんうん。ほら、一級品の槍に囲まれてるみたいな感じって言ったら分かる?」
「分かるような分からないような
…
」
いまいちピンと来ないようで、エスティニアンは首を傾げてみせた。
戦いに身を置いているのだから、分かりやすい例えだと思ったんだけど。
「あとはぬいぐるみかなぁ」
「
…
ぬいぐるみ」
隣のエスティニアンの動きがピタリと止まる。
意外とでも言いたげに目を大きく見開いて固まっている。
「何その反応」
「いや
…
何というか
…
」
私の声でストップ状態から戻ったエスティニアンに咎める視線を送れば、逃げるように目を逸らした。
「癒し効果あるんだから」
「
…
俺にはよく分からん世界だな」
ふぅと小さく息を吐いた彼の様子を気にすることなく言葉を続ける。
恐らくぬいぐるみの癒し効果を理解してもらえる男性は多くない。
以前友人の部屋で見た大きなモーグリのぬいぐるみなんて文句の付けようがない。
惜しむらくはそう簡単に手に入れられるものではないということか。
「
…
よし決めた、今度私の部屋にあるとっておきのもの送ろう」
パン、と軽く手を打ち合わせる。
とりあえず部屋に置いてもらおう。
効果を実感してもらえれば良し、そうでなくても少しだけエスティニアンの部屋がにぎやかになってくれれば。
「お手製だから大切にしてね」
「ん?」
「じゃないと呪いがかかるかもよ?」
「呪い!?」
呪い、という単語に反応したエスティニアンから彼らしくない大きな声が飛び出した。
近くにいた人々が私達2人を振り返るほどの声。
声の主のせいもあるのだろう。
「じゃ、私約束あるから。またねー」
「一体何なんだ!おい相棒!」
くすくす笑いながら、ひらりと手を振る。
焦った様子でエスティニアンが私を呼び止めようとする声を背に受け、友人との待ち合わせ場所に向かった。
数日後。
「
…
聞いたか、あの噂」
「
…
蒼の竜騎士の部屋にモーグリのぬいぐるみがあるって噂だろ?」
「あぁ。でも一体何でそんなものがあるんだ
…
?」
「さっぱり分からん
…
。もしかして呪いの人形か
…
?」
酒場で食事を取っていると騎士団の兵らしき人達の話し声が聞こえてきた。
エスティニアンに送ったぬいぐるみは私が初めて作ったぬいぐるみ。
呪いなんてそんな物騒なものがあるわけがない。
何はともあれどうやらちゃんと部屋に置いてもらえているようだ。
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