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Hizuki
2017-02-22 13:33:37
2016文字
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FF14
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冬の風物詩
【FF14】エス光。ドマ式暖房器具の話。かりんさん(@kalin14_r) のリクエストで『冬を満喫する話』
各国で天気を知らせてくれている気象予報士達が緊急の報せを出したのが一昨日のこと。
エオルゼアに寒波が襲来するらしいという話が各地を駆け巡り、大雪になる恐れがあると聞いた人々はその対応に追われていた。
もちろんイシュガルドも例外ではなく。
私はエスティニアンと2人、皇都の巡回という任を神殿騎士団総長から受け、一通り回って本部前に戻ってきたところ。
「はぁ
…
寒い
…
こたつが恋しい
…
」
あまりの寒さに耐えかねて、自分の口からぽろりとこぼれたのは、とある暖房器具の名前だった。
「
…
コタツ?」
「そう、こたつ
…
」
「何だそれは」
それを聞いたエスティニアンが不思議そうに言葉を繰り返した。
イシュガルドでは聞き慣れないものだから仕方のないこと。
「ドマの風物詩の暖房設備で罠
…
。入ったら最後
…
出られなくなる
…
」
「
…
よく分からんな」
さっぱり分からないというようにエスティニアンは肩を竦めてみせる。
この説明で分かる人がいるのなら、きっとそれを知っている人だけ。
「百聞は一見にしかず。エスティニアンも体験しに行こう!」
「おい?」
総長に手早く報告を済ませ、エスティニアンの手を引いて表に出る。
何かあった時に備えて、休養を取っておいて欲しいとの指示もあった。
それなら、とテレポの魔法を唱え、自宅のあるグリダニアのラベンダーベッドに飛んだ。
「散らかっててごめんね」
「
…
邪魔するぞ」
リリーヒルズの一室が自分の城。
体験してもらった方が早いだろうけれど、我ながら軽率に連れてきてしまったとも思う。
人の出入りのあるロビーは扉が開く度に寒いからか、その場に住人の姿がなかったのは幸いだった。
当のエスティニアンは文句の一つでも言いたそうな顔をしているものの、やはり気にはなるらしい。
「これが『コタツ』か?」
「そう、靴を脱いでそのまま入るの。あ、お茶淹れるね」
部屋の一角に東方の草で編んだ敷物を敷いてそこにこたつを置いている。
ドマ文化はこちらの国々とはあらゆるものが異なっていた。
恐るおそるこたつに入るエスティニアンを横目に見ながら、お湯を沸かし、お茶の支度をする。
せっかくこたつなのだからお茶もドマ風のものを飲んでもらおうと、以前ドマの人達からもらった茶葉の入っている缶を開けた。
「ほう、これは温かいな」
「でしょ?」
エスティニアンから聞こえた感想にほっとする。
イシュガルドとは違う文化を受け入れてもらえるのか、やはり少し心配だった。
「あと忘れちゃいけないのがみかん」
コップも向こうのもの。
取っ手のないほぼ筒状の器で、湯呑みというそうで。
木製のお盆にお茶を注いだ湯呑みを2つとみかんの入ったカゴを乗せてこたつに向かう。
「理由は?」
「詳しくは聞いてないけど」
こたつにはみかん、と強く推された。
どうしてそうなのかという理由はよくわからないけれど、きっと現地に根付いている精神なのだろう。
何やら身体の抵抗力を高めるとか何とか聞いたような記憶もある。
「はい、どうぞ」
エスティニアンの前に湯呑みを置き、彼が入っている場所のひとつ右に腰を下ろした。
中に入ると待ち望んでいた温かさがじんわりと足を包んだ。
背の高いエレゼン族が入ったら足が入りきらないのではと少し気がかりだったけれど、その心配は必要なかったようだ。
「これが罠、な」
「一度入ると出るのが辛いの
…
。エスティニアンもそのうち分かるよ
…
」
「
…
知らない方がよさそうだ」
お茶とみかんをお供に色んなことを話した。
竜騎士としてのこと、これからのこと、直近の話題として寒波が去った後の対応のこと。
ドマのお茶も口に合ったようで、湯呑みも空っぽになっている。
いつの間にか窓の外には報せ通り、白い雪が舞い始めていた。
「霊災以降ずっと雪景色を見ているせいか、こちらが冬だと言われても実感がないな」
「冬は嫌い?」
「好き嫌い以前の話だ」
イシュガルドで動くようになってからというもの、雪はもう珍しいものではない。
「私は冬、好きだな。寒くないと分からないこともあるから」
冷えているときほど、温かいものは染み渡る。
人の温もりも例外ではなく。
「エスティニアンが思っていたよりもあたたかい人だった、とか」
「
…
あぁ、そうか」
ニヤリとエスティニアンが笑う。
何やら不穏な気配を感じて湯吞みを台の上に戻した。
「エスティニアン?」
「なら、『あたたかい』で済まないようにしてやる」
「え、ちょっと!?」
あっさりこたつを抜け出したエスティニアンは私の横に腰を下ろした。
トンッと軽く肩を押され、天井が遠くなっていく。
「そのままでいいぞ。入ったら出られないんだろう?」
―
あぁ、もう。
どうやらエスティニアンに罠の効き目はないらしい。
抵抗は無意味だと察して、大人しく目を閉じた。
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