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Hizuki
2016-05-19 19:39:50
2307文字
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FF14
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騎士の休暇の使い方
【FF14】オル光。ドラゴンヘッドの休暇事情の話。休暇制度の設定を適当に盛ってますのでご注意ください。
「じゃあ、行ってきます」
「あぁ、家族に元気な姿を見せてくるんだぞ」
私がテレポでキャンプ・ドラゴンヘッドを訪ねると、ちょうどそんなやり取りが聞こえてきた。
声が聞こえた階段の下を見れば、ここの主と兵士の姿。
何かが違うと思えば、兵の装いが見慣れたホーバージョンではないということだった。
「何かあったらすぐ戻ってきます!」
「こちらのことは気にするな。久し振りの休暇なのだから」
休暇、という単語を聞き、だから装いが違うのかと一人納得する。
兵士が頭を下げ、イシュガルド方面へ足を進めていく。
そして、その姿が雪原の向こうに消えるのを見送って主に声をかける。
「オルシュファン」
声の出所を探すように辺りを見回すオルシュファンと視線が合い、手を振って合図をする。
私の顔を見るやいなや、嬉しそうに笑みを浮かべる。
「おぉ、来ていたのか」
「今来たところだよ」
エーテライト横の階段を下りると、彼の側に寄った。
「さっきの方、しばらく休みなの?」
「数日ではあるが、休暇でな」
話を聞けば、ドラゴンヘッドでは数ヶ月に一度、休暇がもらえるとのこと。
単身で任地に赴いている人達がほとんどで、本国に戻って家族と会ったり、恋人や友人に会ったりと思い思いに過ごして帰ってくるのだという。
「なるほど」
こうやって部下を思う上官がいるからここは上手く回っているのだろうな、と思う。
冒険者という立場上、自分より上の立場にあたるような人は各国グランドカンパニーの盟主や、その関係者くらいしか思いつかない。
それに、活動するも休むも自分の采配で決めるから、誰かから休みをもらうなんてことはまずない。
もしも自分が今の立場ではなくなって、どこかの組織に属するのであれば、オルシュファンのような人が上官のところがいいな、なんて考える。
「でもまともに休暇取ったことないんですよ、このお人」
背後から聞こえてきたのは、やや呆れ気味のコランティオさんの声。
「
…
そう易々と私が休みを取るわけにもいかないだろう」
「上官が取らないと部下は取りづらいんです」
上の者が休むと部下に示しが付かない、ということか。
そのことだけが理由ではないというのは以前オルシュファンから聞いた話で察しは付いた。
そしてコランティオさんの言うことも分かる気がする。
自分より働いている人がいるのに、その人を差し置いて休むというのはちょっと気が引ける。
「大丈夫ですから、彼女とデートにでも行ってきてください」
「な!?」
「はい!?」
急に自分を巻き込んだ話が出て、オルシュファンの動揺した声と自分の素っ頓狂な声が重なった。
あらかじめ用意してましたと言わんばかりにファイルに挟まれた書類とペンがオルシュファンに差し出される。
書類は休暇の申請書だろうか。
「一体どれだけ取ってないと思ってるんですか?本当は多少まとめて取っていただきたいくらいですよ」
「しかし急ぎの書類だってあるだろう」
「大丈夫ですよ。急ぎと言っても数日の猶予はありますから」
「
…
止むを得まい」
全く退く様子のないコランティオさんに、オルシュファンが渋々書類を受け取って署名をするのを見る。
返された書類を確認して、確かに、と大きく頷いた。
「これで今日明日は休みです。非常事態以外では連絡しませんから、ごゆっくりどうぞ」
にっこりと笑い、満足した様子でコランティオさんは戻っていった。
まるで突風のような出来事に、ただ後ろ姿を眺めるしかなかった。
「
…
すまない、みっともないところを見せたな」
私の方に向き直り、きまりが悪そうにそう言った。
その顔はやや赤い。
赤いのはきっと自分も同じ。
「ううん、全然」
部下が上官に休んで欲しいと言えるところ、上官が現場を部下に任せて休めるところ、それがこのドラゴンヘッドという場所。
オルシュファンが休みを取ったと聞けば、それはそれで士気が上がるのだろう。
主が不在の時こそ、より一層我々が頑張らなくては、と。
「ということで、急遽休暇を取ることになってしまったのだが、予定は空いているか
…
?」
ああ、私冒険者でよかった。
今日明日と何も予定入れてなくてよかった。
思いがけないお誘いにドキドキして心は落ち着かないものの、返す答えは一つしかない。
「
…
もちろん!」
「
…
よかった。これでお前に予定があると言われたらどうしようかと思っていたのだ」
私の返事を聞いて、ほっと安心したようにオルシュファンが息を吐く。
本来なら順番が逆なのだろうが、と付け加えて。
「さて、悪いが少しだけ待っていてくれないか?」
オルシュファンからの依頼に首を傾げる。
「折角のデートだ。それに相応しい格好でなくてはな」
そう言われて慌てて自分の格好を見る。
まさかこんなことになるなんて思っていなかったから、至って普段通りの街の外に出る時の服装のまま。
「えっと
…
私も準備してくる
…
」
そうだ、デートなんだ。
流石にこの格好じゃダメだ。
せめてもっとこう、イイ感じの服じゃないと。
「フフ、ならば準備をして1時間後に大審門の前で待ち合わせよう」
「わ、わかった!」
確か以前マーケットで一目惚れして、ちょっと高かったけど奮発して買ったドレスがあったはず。
慌てて拠点にしているグリダニアに戻ると、すぐさまリテイナーを呼び出す。
私の様子を見て何かを察したらしく、何も言わずにそれを手渡された。
袖を通し、いつもより念入りに鏡を覗き込んで身なりを整え、約束の待ち合わせ場所に向かった。
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