録画リストにいつのまにか料理番組のフォルダが増えていた。中身は平日の昼間によくやってるキュー○ー3分クッキングとか、N○Kの今日の料理とか。結構幅広く雑多に録画されているようだった。
もちろんこんなものを自分で録った覚えはないので、そうなると犯人は何故かうちに居候するようになった吸血鬼しかいない。
「これお前?」とテレビの画面を指差しながら聞くと、リビングのソファの下でゲームをしていたドラ公は視線だけをちょっとだけこっちに寄越して、「そうだよ、それまだレシピメモしてないから消すなよ」と言う。なんでも死のゲームが新作を作ったとかで忙しいらしい。俺はとりあえず「あっそ」とだけ返事をして、もうゆうに30は超えている番組のリストを眺めた。
このレシピ全部メモしてるのか。前から思ってたけど、こと料理に関しては本当にマメなやつだなと思う。趣味かつジョンが食べてくれるからなんだろうけど。それにしても案外こういう俗っぽい番組も見るんだなと思ったままの感想を口にすると、ドラ公は一瞬だけゲームの手を止めてちらりとこちらを見てから「そりゃ君のためにもレパートリー増やさないとだろ」と言う。
……うん?なんでわざわざ俺なんかのために??
ドラ公が俺の分まで食事を用意してくれるのはあくまでジョンのおまけらしいので、別にわざわざ俺に気を使う必要なんてないのでは。
と、そう言おうとしたが、「君のためにも」というその言葉が、悔しいことにほんのすこし、本当にほんのちょっとだけ嬉しかったので。
結局「ふーん。」という気のない返事しかできなかった。
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