ちゃび
2024-10-23 21:00:06
1309文字
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【BL】DomSubユニバースのベルフワ

ベルトランがDomでフワフワがSub

「Kneelです。正座で。できますか?」


 正座は得意なんだ、と嬉しそうにしたオミローが、いそいそと足を折りたたむ。

 コマンドを発した当のベルトラン自身は正座を苦手としているため、感心の意味もこめた褒め言葉を贈り、より満足そうに目を細める彼の頬を撫でる。

 「そうしたら、『そのまま』。Stayですよ、我慢できますね」

 「え……、できるよ。見ててね」

 命令どおり、そのままの姿勢で他愛のない話をいくつかしながら、チラとベルトランを伺うような目線を感じるたびに「まだ、まだstay」と制す。


 ところで、正座という姿勢は、膝から下をペタリと曲げ、床に押し付ける座り方だ。
自然、圧迫されて血流が止まり痺れにつながっていく。だからベルトランは正座が苦手だ。


 「そろそろ痺れてきました?」

 「意地悪……!」

 「痺れてきたかどうか『言って』、オミロー」

 手始めとして簡単に済むはずだったKneelの意図を悟り、しわしわの顔と悔し気な声色で「感覚なくなってきた……」と言わされている姿が愛おしい。

 「ありがとうございます。ちゃんと言えて偉いですね」

 顔を撫でまわすと、この状況でもやはりSubのサガか、穏やかな顔色を見せた直後、ハッとしたように自分は遺憾の意を感じているのだ、と表情を繕うので余計に高まってしまうのだった。


 とはいえ、長くこの姿勢をとるのはいくら頑健なオミローでも身体によくない。

 「もういいですよ、長らく我慢できて大変素晴らしいです」

 顔は先ほど撫でたので今度は頭を引き寄せてわしわしと撫でながらStayを解く。コマンドを解かれたオミローが、頭をこちらに預けたままジリジリ、恐々と脚を崩していくのを眺めつつ、今はどうか、と脚の様子を問うと「絶対これからがヤバい……」と、か細い声が返ってきたので、少し可哀想なことをしたかもな、と思わなくもなくもない。思わない方が少し上回り、笑みがこぼれてしまいそうだが。ふふ。


 そうこうするうちに、微動だにしないオミローから甲高く小さな悲鳴のような声が漏れ始めた。正座は感覚が戻った後が最もつらい。

 先ほど預けた頭を押しつけるに留まらずこちらにしがみついて悶絶するオミローの顔まわりをさすっていると、つい物足りない気がしてくる。


 「オミロー、今どうですか?」

 簡単に応えられる状態ではないことは承知の上でコマンドなしで聞いたし、実際、答えに代わってくぐもった声が聞こえてくるばかりだ。

 それじゃあ──。

 「今どうですか。『言いなさい』」

 コマンドをのせた途端、支えている頭から抗議のうめき声があがり、「痛いんだか痒いんだか何が何だか分からなくて耐え難い」と言った趣旨の回答が途切れ途切れ、息絶え絶えに絞り出されるので、従順さを愛おしく思うやら、こうまで頑張ってくれることが嬉しく思うやら、ベルトランとしても感極まったような気持ちになり、偉い偉いと頭から背中の方まで撫でくり回していたところ、段々ビリビリとした痺れに変わってきていた脚に触れたようでひときわ大きな悲鳴があがった。