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焉
Public
モノクロームメビウス
【小説】モノメビEND後の話
ぷらいべったーからの再録。2022-11-23 04:15:48
モノメビのとあるエンディングのシーン後を勢いで妄想。ネタバレ有り、クリア後推奨。そして駄文(超重要)
何度かエンディング観たら、自分の解釈がまたかわりそうだけど、エンディング見た勢いで書いたので、それを大切にしてみた。
2026/01/28
※新作発売日が発表されたので、パスワードを外しました。
※クリア後推奨。
遠ざかる広い背中を見えなくなるまで見送ったシューニャは、ふぅと小さく息を吐き出した。
大きな背中。
それはかつての父のようであり、たくさんの想いを背負った漢の背中だった。
今までの自分であれば今すぐ駆けだしてあの背中を追ったことだろう。
置いて行かれることは、シューニャにとって恐怖だ。
けれど、もう、あの背について行くことも、横に並ぶことさえ今の自分には出来ない事実に、シューニャはさみしそうに眉を下げる。
近衛になって初の任務、遠征だと彼は笑った。
その瞳に満ち足りた自信と、己が背負うべきもののために強くなる意志を宿しながらも、どこか心配そうにこちらを見つめてくる双眸にシューニャは申し訳なく思った。
心配されている。
そう、シューニャの体調のことをとても心配しているのだ。
あの日からオシュトルの心配性は日々増すばかりで、それはシューニャの体調が一向に回復する兆しを見せないためでもあった。
パシュパクルの手紙にもあったように、いずれシューニャに不調が訪れるかもしれない可能性は皆わかっていたというのに、実際にそれを目の当たりにすると過度に心配せざるをおえなかったのだろう。
エンナカムイのあの秘密基地へ戻ろうにも、あまりに遠いこと、シューニャをひとりで故郷に見送ることを恐れたのは、自分の知らないところで失うことを想像してしまったせいだろうか。
間に合わなかったときの喪失感を、彼らは既に知ってしまっていたから、尚更。
シューニャ自身、ひとりになることはとても恐ろしく、ひとりでは帰らないと、オシュトルが話を切り出す前にきっぱりといいきっていた。
――
オシュトルは、私をひとりにするの?
あの言葉を言ってしまったときの、彼の表情が今も忘れられない。
申し訳なさに、日差しの強さに、シューニャは思わず瞼を閉ざした。
久しぶりの外はじりじりとシューニャの剥き出しの肌を焼いていく。
「チィ、部屋に戻るぞ」
心配げな声が下から投げかけられる。
そっと瞼を開けば、足もとで自分を見上げるハルと視線があった。
ほら、と促すように耳が離れへと向いている。
早起きしても寝てしまったのは、それだけシューニャの体力が落ちているのだとわかっているのだ。
「うん、そうだね」
もう、身をかがめてハルを抱き上げることはしない。
ハルが嫌がるのだ。
外でいつシューニャが躓くのかが心配で、いざというときに自身をクッションにするために彼女の足もとから離れることはしない。
シューニャもそれがわかっているから、寂しい両手を紛らわすように胸元の首飾りに触れた。
さみしい。
さみしい。
置いていかないで。
その言葉を喉奥に押し込んで、シューニャはもう一度玄関へと視線を向けた。
とうに見えないオシュトルの背中をさがして。
「行ってらっしゃい」
彼が帰る日を待ちわびながら、来い来いと耳で手招くハルへと一歩、踏み出す。
はやくかえってきて、と叫びそうになる心をそっとしまい込みながら。
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