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三毛田
2024-10-21 20:58:12
1091文字
Public
1000字
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87 07. 貴方の声が好き
87日目 好きです
『穹』
柔らかな声色で、名前を呼ばれると嬉しくなる。
「きゅぅ』
色っぽい声で呼ばれれば、興奮して。
『穹!』
切羽詰まった声ならば、大丈夫だと抱きしめたくなり。
何がいいたいかと問われれば、丹恒の声が好き。特に俺を呼ぶときの声が。
「アンタ変わってるよね」
「別にいいじゃん。丹恒そのものも好きだし」
「ハイハイ惚気。丹恒、アンタの彼氏どうにかしなさいよ」
「別に穹とは恋人ではない」
「え?」
「はあ? あんなにラウンジでいちゃいちゃしてるのに?」
なの、女の子の口から出ちゃいけない声が出てますよ。
というか、俺と丹恒恋人じゃなかったってマ?
と思いながら色々思い返していると、
「俺、丹恒に好きだって言ってない!!」
そう。丹恒に好きだと言ってなかった。
「そうだな。言われてないな」
「早く言って!」
「いや。すぐに気づくと思って」
気まずそうに視線をそらしたので、頬を両手でおさえながら
「丹恒が好き。俺と恋人になってください」
翡色が揺らぐ。でも、それは一瞬。
躊躇わせない。躊躇わせたら、この人は逃げてしまう。
だから、ゼロ距離告白が一番効く。
目撃者多数なら、逃げることなどできないだろうし。
「
……
」
唇が言葉を紡ごうとして、空気だけを吐き出し。
それから、諦めたように。
「お前は、俺の予想を簡単に裏切る」
「嫌?」
「嫌なら、切り捨てている」
丹恒の優しさで、俺は今も生きております。
「た、丹恒さん。へ、返事はっ!?」
俺の手から逃れるように距離を取るので、慌てて声をかける。
「他の人に聞かれたいのなら、告げるが」
「あ、え
……
」
俺の告白は聞かれてるのに!!
という言葉を飲み込んで、歩き出した丹恒の後についていく。
客室車両の廊下。隣の車両との間に設置された椅子に座ったので、その目の前に俺も座り。
若干躊躇いを見せる丹恒の口から、言葉が出てくるのを待つ。
「俺も、穹が好きだ」
目を伏せながら、ボソボソと。
「丹恒、顔見せて」
「む、無理だ」
よく見ると、耳が真っ赤だ。
想いを告げるのが、相当恥ずかしかったらしい。
ずっと俯いているのも、きっとそれが理由なのだろう。
可愛い人だ。
「顔見たいし、キスもしたい。いい?」
「だ、駄目だ」
ぶんぶん勢い良く首を横に振って。でも、見たいんだよなぁ。
ジッと見つめていると、視線に耐え切れなくなったのかゆっくりとこちらを向いて。
「可愛い」
ボソッと告げると両手で顔を覆ってしまう。
その姿だって、可愛い。
「お前は、恥ずかしくないのか」
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