蘇芳
2020-03-27 01:43:30
1091文字
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後でデザートでも如何?

閃の小話。閃Ⅳ後のクロリンです。クロリンでふぃっしゅばーがー出すの好きだなと常々思います。

 
 黄昏が終息した後の慌ただしい日々の中で、俺は毎日ではないのだがフィッシュバーガー作りに勤しんでいる。何故かって? リィンを肥えさせる為だ。すっかり痩せた、ではなく窶れてしまったリィンを標準体重に戻そうと一日三食きっちり食べさせているのに体重が戻らない事態に直面している。
 忙しなく動き日々の鍛練も欠かさないリィンの体重は、減りはしていないが増えもしていない。
 このままでは倒れる可能性が高くて不安だ。そこで間食を用意する事になったのだが白羽の矢が立ったのが俺が作るフィッシュバーガーだったのである。
 他の間食も用意されたのだが、窶れて胃が縮んだのか食事以外の食べ物は一口二口食べて申し訳なさそうに食べられないと言ったリィンが、どういう訳だか俺が作ったフィッシュバーガーならぺろりと平らげるのだ。
 ならば、とあらゆる方面からリィンを思って送られてきた食材で腕によりをかけて作るとしよう。
 今日も今日とて作ったフィッシュバーガーをリィンと一緒に食べる時間だ。
 周りに人気のないベンチに二人で座り、隣のリィンを見れば上機嫌にもぐもぐとフィッシュバーガーを食べている。
 口を開けて噛みちぎって、咀嚼して飲み込む。一口は小さめで随分と綺麗に食べる。時に舌で唇を舐める仕草がどこか子供っぽくもあり艶めかしくもあって俺の別腹が飢えを訴えた。リィンが標準体重に戻るまで手を出すのを控えている為か最近では頻繁に飢えを訴えてくるのだ。
 もう少し耐えろよ。

「ん? どうした」
「えっと、今日のフィッシュバーガーもとても美味しくて……あともう一口くらい食べたい感じがするんだ」
「あー、そういうのあるよな。食べ終わってあと一口欲しい! っての。俺の食い止しでよけりゃ食うか?」
「いいのか?」
「おう、いいぜ。リィンがよければ……な」
 
 じゃあ、頂きます。と一口ぱくり。
 リィン側の俺の肩に重みが掛かったと思ったら、身を乗り出したリィンがまだ俺の手元に食べていた状況もあって口元より少し下くらいにあったフィッシュバーガーに食いついた。
 こくりと動くリィンの喉がはっきりと目に映る。

「んっ……うん。やっぱりクロウが作ったフィッシュバーガーが一番美味しいな」
 
 至近距離でぺろりと唇を舐めたリィンが視界を占拠し、思わず手を伸ばそうとしたところでするりと移動したリィンは次の準備があるからと、フィッシュバーガーの礼をして颯爽と去って行く。
 えっ? そういう事する??



 クロウが我慢してるのを分かってるリィンなのでお誘いしてみた話。そんなに柔じゃないぞ?