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三毛田
2024-10-20 16:02:28
1089文字
Public
1000字
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86 06. 舌で味わう
86日目 君のことも、食べ物も
「ん。垂れた」
ほぼ独り言だったのだろう。
少々眉間にしわを寄せながらそうこぼすと、手首に垂れたものを舐めようと顔を近づけていって。
「穹?」
思わずその腕を掴むと、驚いたように俺を見る。
「えっ」
ほぼ無意識だった。
丹恒の手首についたそれを、舌で舐めて。
「ひゃっ」
少し高い声で悲鳴を上げたのを耳にしつつ、一滴残らず綺麗にし。
「うん。美味しい」
ちょっと唇についたので、それを指の腹で拭う。
「丹恒?」
丹恒は顔を真っ赤にして、固まっている。
「唇にもついてる」
逃さないよう後頭部に手を回し、唇についていたものを舐めるついでにキス。
「あいてっ」
足を思い切り踏まれ、慌てて距離をとる。
「穹っ」
「丹恒痛いってば〜」
「な、な、な、なっ」
「ん? キス、嫌だった?」
「嫌とか嫌じゃないとかの問題じゃないっ」
「舌で、唇で、丹恒と同じものを味わうの、駄目?」
「駄目とか駄目じゃないとか、そういう問題じゃないっ」
顔を真っ赤にして、おまけにプルプル震えている。
可愛くて、このまま全て食べてしまいたい。
そんな衝動に襲われ。
というか、同じ言葉を繰り返しているあたりかなりテンパっているようだ。
「丹恒、このままエッチな事
……
痛い!」
顔を掴まれ、こめかみのあたりにどんどん力が込められていく。
骨がミシミシ言ってる気がするんだけど、真っ赤になってテンパってる丹恒には伝わっていない様子。
力が強すぎて体が浮いている気もするし、滅茶苦茶痛い。
「たんこ、あの、痛いんで
……
そろそろ、放していただけると、嬉しい、です」
「はっ」
慌てて俺の顔から手を離す。
「ぐえっ」
浮いていたから尻もちをついたし、顔がとにかく痛い。
「破廉恥なことはしないし、まずは俺に言うことがあるんじゃないだろうか」
「あー
……
ごめんなさい」
「よし」
正座してから謝ると、腕を組んで頷いて。
「普通にキスをしてもいいですか?」
胸の前で両手を組んで、上目遣いに告げる。
でも、眉間のしわが深くなったので諦めておく。
「穹」
名前を呼ばれ、くいっと上を向かされ。
「ぐえっ」
首が変な音を立てた気がする。
上を向かされ、それからそっと唇かが重ねられ。
丹恒からキスをしてもらえたという嬉しさと、この体勢は辛いという気持ちでごちゃごちゃだ。
「俺がいいと言うまでは、正座でいるように。いいな」
「ハイ」
「よし」
頭を撫で、俺から離れていく。
丹恒がいいと言うまでって、どれくらいだろうか。
正座に慣れていないから、しびれてきた。
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