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net20156
2024-05-07 21:09:38
2395文字
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愛妻家の憂鬱
五条悟は悩んでいた。
伊地知が買ってきたコンビニの新作スイーツもあまり喉を通らず、車窓から流れる景色をぼんやりと眺める。
「ふぅーーーー
…
」
後部座席で深い溜息をつく特級術師を、伊地知がルームミラーで心配そうに覗いていた。
複数体の1級呪霊を瞬時に殲滅し、五条の希望通り予定よりかなり早く帰路についているというのに、なぜこんなにも憂鬱そうなのだろう。
「あ、あの、明日からの出張は成田なので、朝8時にご自宅にお迎えに上がりますね。」
「うん
……
」
数か月前、庵さんとご結婚されてから長期出張が入る度にすごい顔をされていたのに。
こんなに素直に返事をされるなんて、やっぱりどこか体調に悪いところがあるのではないだろうか。
これは呪術界の危機かもしれない。
伊地知は小さく唾を飲みこんだ。
【愛妻家の憂鬱】
高層マンションのエレベーターに乗り込んで目を瞑った五条は、再び大きなため息をついた。
―――
嫁が可愛すぎてしんどい。
それが今の特級術師の深刻な悩みだった。
結婚して3か月、お互いに多忙な術師のため、毎日家に帰ったり会えている訳ではない。それでも、同じ屋根の下で暮らすということは五条にとって大きな変化だった。
付き合っていた時もできるだけ仕事にかこつけては京都に通っていたが、日常の生活の中に互いが入るのは全く違う。
だって疲れて家に帰ったら惚れた女がいるんだよ??
酔っ払っておっさんみたいに野球観戦してるのも可愛いし、僕のシャツ着てソファで寝てた時は卒倒するかと思った。
家に帰って歌姫がお風呂入ってるシャワー音が聞こえたらそりゃ服脱いで乱入するし、キッチンで料理してるエプロン姿とかむらむらしちゃって襲っちゃうよね。
何より、さんざん二人でエロいことして朝目覚めた時に歌姫が腕の中で丸まってるのとか、ちょっと寝ぼけたまま足を絡めたり擦り寄ってくるのがたまらなく可愛い。
普段のツンを知ってるからこそ、寝起きが悪くて甘えたな奥さんを僕だけが堪能できるのは至福の時間だ。
あーーーーーー幸せすぎて感情がジェットコースターでしんどい。
御三家の会合でも「妻です」って紹介する時とか、「いつも夫がお世話になっております」とか聞くと毎回感動を噛みしめてしまう。
人妻の歌姫、めちゃくちゃエロいよな~~
……
(そのあと床の間でしたらめちゃくちゃ怒られたけど)
今日は歌姫は高専の授業だけだから、もう帰ってるだろうな。独身時代、ドアを開けても暗闇が広がって、ただ疲れを取るためだけに食べて、睡眠を取ってた時とは違う。
あのちょっと怒ったような、でもこちらを労わるように微笑みかけてくれる顔が、早く見たい。
内廊下を通って一番奥の自宅前に来ると、いい匂いがしてきた。歌姫は僕の帰宅時間が分からない時は多めに料理を作っておいてくれる。
五条は浮き立つ心のまま、勢いよくドアを開けた。
***
「明日から僕2週間もいないんだよ!?なんでダメなの???」
手料理をしこたま頂いた後、喜び勇んでベッドに運んだ歌姫からまさかのNO枕を押し付けられて、悲しみの声をあげてしまう。
呪具封印のために東南アジアを回る長期出張はどうしても僕の眼が必要で、だからこそ今夜は歌姫をじっくりねっとり堪能して、出張中のおかずもたくさん撮ろうと思ってたのに。
「だって
……
」
NO枕の後ろからそろそろと顔を出した歌姫の目が泳ぐ。
「今したら、いない間寂しくなっちゃうでしょ
…
」
ええええええええええええええ僕の嫁が可愛くて天元突破しそう
………
「いやいや寂しくならないように2週間分するんじゃん。歌姫も僕の写真とか動画取っとく? それかほんとは僕の以外いれたくないからオモチャとか使ってなかったけど、僕の型とったディルド作る?」
「いらねえよ!!!」
「えー、でも歌姫もう普通サイズじゃ満足できないでしょ」
「
……
あんたのがいいから、きっちり仕事してちゃんと帰ってきなさいよ」
えええええ
…
こんな殺し文句どこで覚えてきたの
……
僕のがいいなら今すぐあげるからさぁ
……
「じゃあ出張中、テレフォンセックスしよ。それなら寂しくないでしょ。」
「
……
やり方よく分かんないけど
…
まあ、それであんたが浮気しないなら
……
」
は???? 歌姫は僕が出張中に浮気すると思ってんの??? 他の女にちんこ突っ込むとかありえないしそもそも勃たねーし。
「歌姫こそ酔っ払って前後不覚になってお持ち帰りされるのとか絶対やめてよ。まあこの最強の嫁に手を出そうなんて輩は呪術界にはいないだろうけど、飲み屋で会った一般人は分かんないからさー」
「しねーわそんなこと!それに、しばらくお酒飲めないし」
「なんで?」
歌姫がまた視線を外した。
一度開いた口を閉じてから、ゆっくり、小さく呟く。
「まだ、検査薬しか使ってないけど、たぶん
…
」
「え
…
」
「できたみたい、赤ちゃん」
――――
宇宙一可愛い嫁がはにかみながら見上げてくる。
赤ちゃんができるようなことはめちゃくちゃしてたから心当たりしかないけど、まさか、こんなに早く。
嬉しくて、歌姫を思い切り抱きしめた。
この腕の中に、歌姫と、僕たちの子供が。
自分でもよく分からない感情で胸がいっぱいになって、とにかく愛おしくて、何度もその黒髪に頬を擦り付けた。
出張なんてすぐに片づけて帰ってくる。歌姫の身体にいいもの、たくさん買ってこよう。
「だから、しばらくそーゆーことできないかもだから、そこは我慢してよ」
「歌姫、挿れる以外にセックスって色んなやり方があるんだよ。たくさん試そーね♡」
「
……
ばか」
愛妻家の五条悟に子煩悩が加わるのももう少し。
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