萩月
2024-10-17 10:55:53
2945文字
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その胸に愛を抱いて

ブロッケンとウォーズの強めな接触があるのでご注意です。2人は500%ユウジョウです。
アタブロ(絡み少なめ)、アイドルのみんなでわちゃわちゃ。時期的にスグルさんは大王業、ウルフは親方業で不在です。ごめんなさい…!

アイドル超人は今日も今日とてお仕事である。
といっても、この日は夕方から打ち合わせ程度なので、集まり出した参加者達は和気あいあいと談笑していた。

そんな中、ブロッケンはふと、ひとりの超人が疲れたオーラでぼんやりと座っていることに気がついた。

「なぁなぁロビン、ウォーズなんかあった?」
「あぁ、午前中ちょっとな」

ぼんやりと座ってるのはウォーズマンである。気の所為か頭から煙が出ているように見えてしまう。
一緒に来た彼の師に尋ねると、はは、と軽やかに笑いながら説明を始める。

「イギリスでちょっとした集まりに付き添ってもらったんだが、まぁ、所謂上流階級の集まりでな。大したことはさせてないんだが、慣れない場で緊張していたようだ」
「ふーん……

ロビンの言葉に、ブロッケンは再びウォーズマンへ視線を移す。

同時に横で聞いていたバッファローマンは、テリーマン、ラーメンマンに小声で尋ねる。

「あいつの言う“大したことない”は信用できんのか」
「否」
「ロビンは悪気はないんだけど、ほら、本人は生まれ育った時からそういう環境だからさ……
「だよなー、俺だったらそんな堅苦しい集まり、10秒ももたねぇよ」

3人が憐憫の眼差しを向けると、ちょうどとことことブロッケンがウォーズマンの元へ寄っていった。

「よっ、ウォーズ!今日はお疲れ様らしいな」
「あぁ、ブロッケン、ちょっとな──?!」

優しいウォーズマンが少ない元気でなんとか返事をしかけた時だった。その身体をブロッケンがそっと抱き締めた。座ったままなので、ウォーズマンの頭がブロッケンの胸元に預けられる形である。

「ウォーズは頑張ってて、えらい、えらい」
「えっ?!ちょっ?えぇ!?」

驚きの声にも動じず、ブロッケンは少し加減をしながらも、抱きしめる力を強くした。

「俺も昔、親父にえらい大人の集まりとかに連れていかれたことあってさ、うんうん、あぁいうの息苦しいよな〜わかるぜ〜」
「あっ、あの……あっ、うん」

ウォーズマンはどうしたものかと悩んだが、ブロッケンは自分を元気付けてくれていると理解した。
それを無碍にできるわけもなく、そのままその温かい胸に身を任すことにした。

「ありがとう……
「こうすると、ストレスが減るって最近読んだ本に書いてあったんだ!どう?ちょっとは元気出たか?」
「あぁ、そうだな」

得意げに歯を見せるブロッケンに、ウォーズマンもゆっくり頷く。体温と純度100%の思い遣りに、コンピューターで弾き出した以上の回復効果を感じていた。

一方、その様子をただただ呆然と眺めていた他の大人達は。

「あーっ!眩しい!眩しい!」
少し場を沸かそうとわざと声を上げるバッファローマン。

「素晴らしい友情だ」
スッ……と、どこからかカメラを出すロビン。

「トウトミノカタマリ」
「え、偉人?」
静かに頷くラーメンマンと、その様子がどうしても引っ掛かったテリーマン。


後に、一番最後に来たジェロニモが「今日はみんなずっとにこにこしてたズラ〜」と語った。




数日後。ドイツはブロッケン邸。

「──っつーことがあってさ〜〜、いや〜あれはこっちで言うと、ムッティ?だっけか」
「ほう」

ダイニングテーブルの上はまだ前菜の時点。
にも拘らず、既に酒が進んでいるバッファローマンと、その話を聞くソルジャー。
うんうん、といつも通りの涼し気な態度に、バッファローマンは眉を潜める。

「ソルジャー隊長よ、お前こんな時も冷静だな〜、嫉妬とかしねぇの?」
……何を。私の可愛いブロッケンの心優しいエピソードじゃないか」
「その気持ち悪……愛情溢れる呼び方の癖に、意外と寛大なんだなァ。アンタが嫉妬するレアな姿が見られると思ったんだがな、つまんねぇな〜」
「それは残念だったな。……いや寧ろ残念なのは、お前はそれを見て何をしていたんだ!」

ガタッ、と立ち上がりソルジャーがバッファローマンに詰め寄る。ついさっきまでの「つまんねぇ」態度から一転、怒気すら滲ませている。

「えっ、何急にどこ地雷?」
「お前はそんな素晴らしい情景をなんで撮っていない!?」
「ハァ〜?!」

「よぉ〜肉焼けたっつぇ〜」

ブロッケンがキッチンから美味しそうな湯気と共に運んでくる。
そこで目にした状況にやれやれと息を吐く。

「おいおいバッファ、もう酔ってんのか?」
「この状況俺が悪いみたいに見える?!」
「私の可愛いブロッケン、」

ソルジャーはバッファローマンから離れ、料理を置いたブロッケンにすすすっと寄り添う。

「酔っ払いに絡まれた俺を抱き締めてくれ」
「え……今はやだ
「振られてるし」

ふっ、と溜飲が下がったバッファローマンは、ブロッケンのジョッキに好物のビールを注いでやる。
その黄色の煌めきに、ブロッケンも早々と卓に着き、バッファローマンと乾杯を交わす。

その横顔に、冷静で的確な眼差しが向けられていたことには気付かなかった。




そのまた数日後。


「おいバッファ〜〜!!!」
「お、おう??」

今日はイギリス集合、だったバッファローマンはドイツに寄って来た。
おーいと声をかけると、怒り心頭な館の主が現れた。

「この前!ソルジャー隊長に!何か余計なこと言っただろ!!?」
「この前……?」

ウームと顎に手を添え、先日の酒盛りを思い出す。
その様子をギリギリと、歯噛みしながらブロッケンが追い立てる。

「絶対言ったろ!もう〜お前が帰った後ほんと……ッ」

もにょもにょと勢いが急降下していく。
代わりに顔、首元まで赤くしている。そこであぁ、と大人のバッファローマンは察しがついた。

「なんだよ、しっかり妬いてるじゃねぇか」
「ホラ!やっぱり変なこと言ってるじゃねぇか」
「俺は事実しか話してねぇよ」

自分よりひと回りふた回り小さいブロッケンが、ぷんぷん!と怒ったり、時折恥ずかしそうに、ころころと表情を変えるのは、失礼ながら面白く感じる。別に喧嘩になったわけではないし、多分解決してるなら、今更自分が取り繕うこともないだろう。

そう思った所で、バッファローマンはあっ、と声を上げた。

「これ撮っておいた方がいいやつか?」
「何言ってんだお前?!!」

ブロッケンJr.には色んな友達がいるのだ。


end


没シーン

※ウォーズは絶対攻め、という方はここまででお止まりください。
描写はないですが、所謂受だと取られる表現をしております。









■□■□


「こうすると、ストレスが減るって最近読んだ本に書いてあったんだ!どう?ちょっとは元気出たか?」

その様子を見ていたバッファローマンが、ブロッケンにつられるように笑う。

「おうおう、殊勝なことしてるじゃねーか。よし、俺も参加してや
「ホァチャ──ッ!!」
「痛ぇーッ!?」

ラーメンマンの長い脚が鞭のようにしなり、その巨体をはたき落とした。
その様子に、テリーマンがハッと目を開く。

「聞いたことがある……百合の間に挟まろうとする男は死ぬと!」


カットです。