わらびもち
2024-10-16 21:51:15
1310文字
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妖怪根掘り葉掘り爆誕

THESEUSげんみ×

自探索者(ほさん)の話
NPCと自陣ほいちも出てくる
ほにほよんは名前だけ出てくる

「兄ちゃん!どうしたのその怪我!?」
「美明......。はは、ちょっと事故に遭って。でも大丈夫、命に別状はないって。」

14歳のある日。
兄が大怪我を負って帰ってきた。
病院で診てもらうほどの大怪我だ。事故の記憶がまだ鮮明なのだろうか、顔色は未だ蒼白で笑みもいつもの快活なものとは程遠い。

「取り敢えず今日は私がご飯作るよ!食欲はある?お風呂......は、傷に触るよね?今日はご飯食べてすぐ寝て!休んで!」
「うん、ありがとう美明。」

バタバタと、兄の荷物を取り上げ体を支えようとする。しかしそれは叶わず、むしろ自分の体が温かいものに包まれる。ふわりと香る優しい匂いに、焦っていた鼓動が落ち着いていく。

「兄ちゃん?」
「............生きてる」

絞り出すように呟かれた言葉に、どう返せばいいかわからず、ただその背を撫でながら「生きてるよ」と、兄の言葉を復唱する。
温かな体温が伝わり、兄が生きていることを自分も確かに実感する。

ああ、兄が生きていて良かった。その時の自分にはそれが精一杯で、何があったのか詳しくは聞かなかった。あの兄がここまで怯えるような、事故のことを思い出させるのもどうかと思ったのだ。今にして思えば、この時無理矢理にでも聞き出していれば何か変わったのだろうか。

次の日、起きてきた兄はいつも通りだった。傷が残っているだけで、いつもの笑顔で挨拶をし、朝食を食べ、家を出た。

そうして兄は、それを境に家に帰ってくることはなかった。





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時は流れ、7年後。テセウス日本支部ラウンジにて。

「ーーじゃあ次、1番印象に残ってる郁人先輩の失敗は?」
「そうだな......。やっぱり新人の頃、火力調整ミスって宗教組織の建物が燃えたことかな。なんとか脱出は出来たけど回収しなきゃいけない書類燃えちゃってさ。」
「あー、それは始末書ものだ。」


「......何やってんだ?」

傍から見れば兄妹の和やかな語らいだが、新人の頃のミスを持ち出された相賀郁人からすればたまったものではない。たまたま通りすがっただけだったが堪らず声をかける。

「あ、郁人。」
「郁人先輩!」

嬉しそうな顔と声が揃う。

「今ですね、お互いの思い出話をしてて!」
「それで何で俺のミスを聞くんだ。」
「先輩方の話をする時の兄ちゃんが1番輝いてるから。」
「他にあるだろ聞くこと!」
「かっこいいとこはもう大体聞きました!」

そう、何も相賀だけではなく部隊メンバー全員分の話をかなり長時間している。手元のペットボトルは既に三本目だ。再会してようやく共にゆっくり出来る休日、1日をお互いの思い出話で終わらせようとしている。

「よし、そういうことなら俺からもひかるの話をしてやる。3年前かなー、こいつなーー」
「ちょっと、美明に俺のかっこ悪いとこ言わないで!」
「私は聞きたい!」
「俺のミスは話しただろ!」

この後、兄から話を聞くだけでは満足出来なくなった美明は、通りかかった七生や瀬木乱も呼び止め兄の話を聞き出すこととなりラウンジは一日中賑やかだった。