ふみすけ
2024-10-15 00:17:16
386文字
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◆ 夜はまだ明けない ◆

 本当にお前を救える時なんてないのかもしれない。
 ただ、それでも諦めきれなくて―—これは一種の執着だ。

重たい煙が肺を満たして自分がここにあるという事を実感させてくれる。
朝はぼんやりとして苦手だが嫌に冴えてるのは昨晩抱いた女のせいかと未だベッドで眠る姿を失っていない瞳で眺めた。

こういう関係になって暫く経つが、徐々に自身を取り戻していることに安堵もあるか。
ベッドの傍へ寄り、乱れたままの髪を雑に撫でれば指に絡んだ。その抵抗感から顔を顰めたが、どうにも間抜けな顔で笑声が零れる。

「ツバキ。……あんた、そろそろ楽にならんかね」

再び寝息を零しながら唇が開く。――随分と懐かしい名前に目が細くなった。
まだ無理だよなと観念したように窓の外へ視線を向ける。

「ままならんね」

椅子に腰かけ、二本目の煙草に火をともす。
生徒を抱いた。ガキ臭くて、色気なんてなにもない癖に乙女みたいな顔をするから。

厄介だよ。ほんとにお前は。

溜息ともつかない煙を吐き出した。