媚薬霧被った渉


「管理人様、ここは僕が引き受けましょう。」

渉はいつものようにニタリと笑い前へ出る。
この男の嗅覚もどうかしているのだが、渉は確実にここに新たな刺激があると予感した。

渉が1歩、境界へ踏み入れると扉が閉まり管理人や他囚人が驚いたような小さな悲鳴が聴こえた。

瞬間、渉の全身に甘い香水のような霧が降り掛かる。

(ふむまるで裕福な貴婦人が付ける香水?)
鼻をスンと鳴らし匂いを確かめたその時、眼球がこめかみの方向へ引っ張られるかのようにビクついた。

「ぁ゙?」

違和感を感じ始めるまで、恐らく1分も掛からなかっただろう。

霧が完全に消えてから扉が開く。

<渉!見た所大きな怪我が無いようで良かった>
「えぇ、特に問題ありませんでしたククッ」
<?>
「あぁ、失礼致しました。先へ進みましょうか

渉は口元を手で抑え笑っていた。
(あ゙〜♡何も知らない管理人様はとてもお可愛いですね)

ふぅ、と重たく呼吸を漏らし、まるで産まれたての子鹿のようになっていく脚の感覚に、渉は興奮を抑えつつ武器を握り締め再び歩き始めた。

「フハッ、道端の敵にでも切られながら達する事が出来たらさぞ面白そうですね