三毛田
2024-10-13 14:01:26
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79 09. たまにケンカもするけど

79日目 そういう時もある

……
……
「どうしたんじゃ? 二人とも、頬が腫れておるぞ」
「ちょっと、ね」
 チラッと丹恒を見ると、彼も俺を見ていて。でも、気まずさと意地を張っているからすぐに逸らされ。
 そんな俺達を、パムは不思議そうに見上げたあと氷を持ってきてくれて。
「これで冷やしておけ。これから、貼り薬を処方する」
 何かを察したのか、
「喧嘩は程々にな」
 と、ちょっと呆れたように。
「気をつけます」
「うむ。丹恒、お前もじゃぞ」
「わかっている」
 頬に氷を当てながら頷いているのが、視界の端に映り。
「若いわね」
「喧嘩するほど仲が良い。という関係になれたようで良かったな、丹恒」
 姫子とヴェルトの言葉に、丹恒は彼らに背中を向けて体を縮める。
 ヴェルトの表情は、ネットや漫画で見た〝お父さん〟のそれ。
「丹恒、行こう」
 なんか、今の状態の丹恒を他の人に見られたくなくて、腕を掴む。
 驚いたように俺を見上げ。
「これ! 戻るならこれを持って行け」
「あ。ごめん、パム。ありがとう」
 貼り薬を持ったパムが、耳で俺の足を叩いて渡してくる。
 それを受け取り、丹恒の腕を引いたまま確執車両へ向かう。
「座って」
 廊下の椅子の前で立ち止まり、座るよう促すと、若干呆然とした表情のまま素直に腰を下ろして。
「触るから」
「ああ」
 互いに殴り合った個所だけが熱く。それ以外は冷たい。
……
 唇を強く噛んでから、殴ってしまったところに貼り薬を貼って。それから、鼻先同士をくっつけ。
 きょとんと驚いて目を丸くしたのが可愛くて、思わず笑う。
「殴ってごめん」
「いや。俺もお前を殴ったから、おあいこだ」
「うん。好きだよ」
……俺も好きだ」
「キスしていい?」
「お前の頬に貼り薬を貼ってからだ」
「じゃあ、お願い」
 顔を離すと、テーブルにお委託するを貼ってくれて。
「じゃあ、ん」
「俺からするのか……
 きっと表情が引きつっているのだろう。けど、俺は目をつぶっているので見えません。
 ゆっくりと唇が触れ合って。
「ふっ」
 唇を離した後、嬉しそうに笑うから。好きだなって気持ちばかりが溢れていく。
「嫌いだなんて嘘だから」
「そんなこと言ったか?」
「多分行った。だから、好きって伝える」
「そうか。ああ……お前に嫌いだと言われたから、思わず手が出たんだったな」
「それで、俺も意地になって殴ったんだよ」
「お互い様だ」
「うん。だから、もう一回仲直りのキスしてもいい?」
「いいぞ」
 頷いてくれたので、もう一回キスをするため顔を近づけた。