けろか
2024-10-08 18:26:09
3040文字
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竹くく♀⚠️生理ネタ小話

室町竹くく女体化、生理ネタ
兵助ががくのたま 🎋♡→←?📛🎀

裏垢で呟いてたネタを書きたいとこだけ…
思春期、男女の体の違いに悶々もだもだするのが大好きなんです……
特に八左ヱ門は悶々としそうだし兵助♀は小さい頃のようにはいかないなって思って欲しい

 机を並べ、書類を積み上げる。埃を払い、備品を整える。額に汗が滲んで、目に沁みた。いつものように、委員長会議の、準備の最中。同じように部屋の端から書類を運んでくる桃色の装束の――久々知兵助とすれ違って、違和感を覚えた。いつも流れるように作業をこなす彼女の動きがわずかにぎくしゃくしてる。あれ?と気づいたらそこから違和感はどんどん膨らんでいった。いつも澄んだ線を描く眉は、若干苦しげを含んで寄せられているし、いつも伸ばした背筋も、わずかに丸まっている。極め付けに、無意識だろう、そっと腹を撫でる姿は隠しきれない痛みが滲むようだった。
「なあ、兵助、お腹痛いの?」
「え」
 誓って百パーセントの好意と心配で(あとから百パーセントの無知だと知った)心配になって尋ねると、兵助はぴくりと肩を震わせた。いつもの澄ました生真面目な顔が一瞬で曇る。
「否定しない、ってことは痛いんだろ、言えよ!座ってろって」
 そんなことも気づけなくて、言ってもらえなくて、自分にも兵助にも腹立たしくて、荒々しい語尾になる。
「いや、お腹は……うん、大丈夫」
「え、じゃあ何、体調悪い?あ、トイレ?はやく行ってこいよ」
 大きな瞳を泳がせ、兵助は言葉を濁した。大体彼女の大丈夫は大丈夫ではない。いつもはふっくらと桜色をした頬が今はどことなく白い気がして、畳み掛ける。優等生な彼女のことなので、準備を放り出して席を外すのに気が引けたのだろう。追及する八左ヱ門に、兵助は観念したように小さくため息をついた。
「いや、体調も悪いわけじゃ……トイレとかでもなくて。その、うーんと、なんて言えば伝わるかな、」
「遠慮すんなって、どうせ豆腐食べすぎたんだろ?俺そういうの気にしないから」
 兵助がもじもじと目を伏せると、特徴的なまつ毛が扇形に広がった。八左ヱ門は首を傾げる。言い淀む彼女は珍しくて、もっと見ていたくなるが、我慢は良くない。くのたまの久々知はトイレなんてしないと言っている同級生もいるが、いや気持ちは分からなくもないが、人間なんだからそこら辺はあるだろう。それも含めて俺は彼女が好きっていうか。もじもじに対して悶々としていると、ぱくっと小さな口が開かれた。
「ほら……女性が、えーと、月に一度……おれはまだそんな規則的じゃないけど、一般的には月に一度くるアレ……そっちでお腹痛いんじゃないし、怪我や病気じゃないから、」
 だから、大丈夫。よく聞こえないほどの小声で、兵助がぽつりと言った。
 女にしかなくて、月に一度の、月のもの。はっとする。男として生まれ、なおかつ彼女いない歴が年齢に等しい八左ヱ門には、あまりピンとこない言葉だった。が、その意味するところを理解するのに、さほど時間はかからなかった。どきりと胸を冷や水に打たれる。そうか、兵助は女性なのだ。近くにいるけどなんとなく崇高的な彼女だって肉体を持つ生々しさがあると、理解していたはずだったのに。
「ご、ごめん......変なこと言ったりして、」
「ううん、いいよ。心配してくれたんだよな。嬉しい」
 女性の一番の機微に触れるようなことを口にするなんて、失礼なことをしてしまった。わたわたと慌てる八左ヱ門に、青白い頬に少し朱をのせて、兵助は優しく微笑んだ。
「ごめん、いやほんと、座ってろって。体調悪くないって言うけど、駄目なんだろ?そういう時に無理したら。あとの机は俺が全部運ぶから、書類の整理とかしてて」
「いいよ、これくらい。おれくのたまだよ?今日も体育の授業してきたし」
 額の汗は脂汗かなんなのか、それを拭う兵助の姿を見て、体育の授業、実技の授業、校外実習。八左ヱ門の頭の中でぽんと連想ゲームが始まって、生々しさを伴ってピースが繋がっていく。新野先生の授業で聞いた、月経、排卵、出産。と、校外実習、最近同級生の間の話のネタといったらそればかりの、くのたまの房中術。
 ふと兵助の顔の肌色を見れば、やっぱりいつもより青白い。長いまつ毛の下の白目もいつもより透けるようだ。制服の上から弧を描く胸元。布越しでもわかる薄い腹。その胎の内には、血が通っていて、もう子を産める準備が整って──こいつ、こんなに細いのに、もう、そういう体なんだ。
 胸の奥がぎゅうっとざわつき、脳の制御を振り切って、口が勝手に動いていた。
「え、なあ……房中術とか、あるじゃん。最近、くのたまの方ではじまったって聞いた。そんな、子供できるようなこともあるかもだろ。大丈夫なの?」
 何が大丈夫なの?だ。言葉を発した瞬間、一瞬で肚の内から後悔が込み上げる。きょとんと丸い目を向けられ、八左ヱ門は立ち竦む。やばいやばい、だめだ、デリカシーのかけらもない。こんなこと、同い年の、十四歳の、しかも自分の好きな女の子に聞くなんて、最低すぎる。制御の思考は働くのに、けれど、もう言葉は止められなかった。彼女を想う気持ちが、ブレーキを超えて溢れる。
「お前さ、だって、実家あれだろ。大きいじゃん。子供できたらやばいだろ、なんで、そんな危険なことするくのたま続けて……
 思わず口走ったその言葉に、兵助の表情が強張る。大きな瞳がかっと見開かれた。
「それは、」
 一際通る声で遮られ、八左ヱ門は息を呑んだ。青白かった頬が、一気に朱に染まっている。
「おれの実家の仕事、知ってるだろ?……男の人ばかりだから、将来舐められないように、って、父上に言われて、行儀見習と武術の鍛錬を兼ねて忍術学園に入ったんだ」
「知ってるって!もう兵助は十分すぎるくらい強いだろ。なんで......」
「心配してくれたことだけど。房中術実習は逆に月のものが来てる時にやるんだよ、間違いが起きないように。だから、大丈夫」
 答えになっていない。きゅっと噛み締められる紅い唇を見て、八左ヱ門は堪らず視線を向けた。潤んだ黒目とがっちり目を合わせる。
「大丈夫でもなんでもないだろ!俺はお前にそんなこと、」
 してほしくない、けれど、何の資格があって、そんなことが言えるんだ。飲み込めない熱さを飲み込んで、歯を噛みしめれば、兵助がぼそりと口を開いた。
……本当に大丈夫だ。だって、おなじこと、もう言われてるんだ、父上に。もう十分だろって。だから、実家帰ったら、多分……
 言葉の続きが読めなくて、苛立って、それでも、うながすように兵助を見つめた。
「結婚、させられるから。おれの実家、一緒に継いでくれる人と。それ、いやだから。まだ、鍛錬足りないって、父上に言ってる」
「は......」
 脳裏が真っ白になる。けっこん。結婚。一緒に実家を継ぐ。兵助が“そういう”家の子だということは知っていたし、知っててどうしようもなく好きになったのに。いざその言葉を突きつけられて、脳内は真っ白だし目の前は真っ暗だ。思考が停止してしまう。
「じゃ、じゃあさ!俺が恋人になるんじゃダメなの?そしたらさ、お前は結婚させられないし、ほら、好きな人いるから!とか言ったらさ、いいじゃん?そんな危険なことしなくて済むじゃん?」
 思考は停止してるのに、ブレーキもアクセルもないのに、唇が本能が、勝手に言葉を紡いでいた。
 もう自分が何を言っているのかわからなかったけれど、青白い頬が、桃色に染まって、じわりと瞳に涙が滲み、ふるりと長いまつ毛が震えて、多分、いや、絶対、うんって言われたと思うんだけど。それからのことの記憶がない。