三毛田
2024-10-08 10:00:20
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74 04. 二人の食卓

74日目
君との食事

「いただきます!」
「いただきます」
 両手を合わせ、フォークを手にソーセージに刺す。
 それを食べ終えてから、トーストにバターを塗り、スライスチーズとハムステーキ、レタス、スライストマトを乗せ、バターを塗ったもう一枚のトーストで蓋をするようにサンドイッチ。
 丹恒は、コンソメスープを一口飲んで、ほっと息を吐き出している。
「中身を落とさずに食べれるのか?」
「今日こそ成功させる!」
「皿の上で食べろ」
 どうせ中身を落とすんだから。という副音声が聞こえた気がする。気の所為、気の所為。
 声は呆れているが、視線は柔らかい。そういうところだぞ、丹恒。
 彼は俺から視線を外すとトーストにバターを塗り、ベーコンエッグを乗せて少しだけ口を大きく開けた齧り付く。
 今日の黄身は堅焼きなのか、流れ出してこない。
 そして丹恒が唇についたパンくずを払い、カフェオレを飲むところまで見届けてから、いざ挑戦!
「ん〜! ハムの塩加減でちょうどいい感じ!」
 よし。今日は一口目では落とさなかった!
 かじりついた部分を飲み込んでからそう口にすると、新聞を手にした彼は優しい笑みを浮かべてこちらを見る。
「それはよかったな」
「うん!」
 姫子は部屋にこもりきり。なのはまだ起きてこない。ヴェルトは、もう食事を終えて珍しく自室で作業。
 パムの存在を意識しなければ、ラウンジで二人きりの朝食。
「穹、飲み物のおかわりはどうする?」
「もらう! 今日のノーベリージュースがいいな」
「少し待っておれ。丹恒はどうじゃ?」
「スープのおかわりを。それから、ノーベリージュースもカップの半分」
「うむ」
 カートを押してくると、ピッチャーに入っているジュースをカップに注ぎ、俺たちの前に置いてくれて。それから、丹恒がおかわりを頼んだスープをスープカップに入れる。
「ありがとう、パム」
「ありがとう。たまには、ジュースも悪くないな」
「パムのジュースだからだよ!」
 俺が丹恒に力説すると、パムは照れたのか耳で顔を隠している。
「次は、仙人爽快茶に挑戦しようよ」
「考えておく」
 ここで断らなくなったのは、彼なりの進歩だろう。
「なんだ」
 サラダを口に運ぼうとして、俺の視線に気づいてこちらを見る。
「丹恒、いい方向に変わったなって」
「それはオレも思っておった。穹と過ごすうちに、いい影響を受けたのじゃな」
 と、嬉しそうに尻尾も耳もピクピク動かして。
……そうだな。誰かと食事を摂る楽しさを、穹に教えられたから」
「丹恒!」