スサ
2024-10-07 18:46:57
1110文字
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【鬼水】幕間の話

疲れたな〜!事後のきたみが見たいな〜!と思って、でも、事後もだけどなだれこむ前の話も好きだし、合間に一呼吸タイミングの話も好きだし、選べない!の話です。やまなしおちなし。


……っ」
 小さく堪えるような詰めた息をこぼし、汗で湿ったたくましい肩が揺れる。まだ熱く火照った体は湯気が立ちそうな程で、短く刻むような呼吸を繰り返しながら、体を丸めるようにくの字になっていく。尻のあわいは赤く、しとりと濡れていた。
 それを見つめながら、彼の震える肌に手を置いて、鬼太郎は顔を近づけた。常はひんやりしている体も、今は少し熱を移して温かい。
 伺うように顔を寄せれば、それに気づいたように、横たわる彼──水木が顔を向けた。玉のような汗と、大きな瞳に滲む涙。ぱちりと瞬きしたのに合わせて、星が落ちるように雫が落ちた。
 ふ、と水木は笑い、ゆるやかに鬼太郎の頭を抱きしめる。自然、胸元に引き寄せられる形になり、鬼太郎は思わず深く息を吸い込んだ。横向きになり、腕をぎゅっと寄せた格好になっているせいで、目の前には普段より強調された厚い胸がある。どうかするとそれは乳房のようでもあり、どきりとしてしまうのは無理もないこと、かもしれない。
 けれども、自分を抱き寄せた人は、こちらの背中を優しく撫でて、それはまるで、頑是ない頃のようで。
 甘やかされるのはやぶさかでないし、このひとが自分を甘やかすのを好んでいることもわかっているけれど、あやされるようなのが少し気に入らない。だから、鬼太郎は目の前の胸、意外と柔らかく、むちりと触り心地の良い弾力を持つそこにカリ、と歯を立てた。途端、ビクン!と大きく水木の体が跳ねた。
 そこまでの反応があるとは思っていなかったので、鬼太郎も少々驚いて水木の顔を見上げる。
 あわれ──、彼はぱくぱくと唇を開閉し、眉根を寄せた顔で鬼太郎を見ていた。陸に上がった魚のような必死さがあり、鬼太郎の口の中にじゅわりと唾液が溢れそうになる。
 獲物を前にした時の正しい反応。眼差しには再び熱がこもり、どこから食らってやろうかと値踏みするようだった。
 水木は、はく、と唇を動かした後、ぱたんと反対側を向き、鬼太郎に背を向けた。
 精一杯の抗議か、それとも
 鬼太郎の、そこまで大きくはないが厚く固い手が水木のうなじから背中をス、と撫で下ろした。
「次は、後ろから?」
 縁の欠けた耳に口づけながら囁けば、返事のかわり、後ろ手で軽く頭をたたかれた。くすくす笑いを堪えきれずに覆い被さり、鬼太郎はもう一度ちゅっと耳の尖りに口づけ、そこからうなじを辿って肩口まで舌を這わせる。
「大好きです。だから許して」
 果たして、そうやって甘えれば俺が何でも言うこと聞くと思って、とボソボソ聞こえてきて、わかってるんじゃないかと言ったらきっと拳骨をもらうんだろうなあ、と鬼太郎は思った。