2024-10-06 16:13:41
2101文字
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いっしょにお風呂!(不可抗力)2

だってフォロワーが天才だったから!!!だって!!!えっちなんだもん!!!エメアゼがえっちなんだもん!!!!!!

 人が、学ばない生き物であることを、よくよく噛みしめている。
 疲れを取るほかに、思考の整理として湯船につかるのを、エメトセルクは好んでいた。時間があるのならば、適度に湯に浸かりたい、と思っている。しかしその仕事の忙しさから、シャワーだけ、もしくはそれこそ得意になってしまった魔法ですませることも多々あり、だからこそ湯に浸かってゆっくりと過ごす時間とは貴重なものの、はずだった。
その貴重な時間をいとも簡単に、そして短期間に何度も壊すのが、アゼムというこのどうしようもない友人である。跳ね返った湯に目を瞑って、そうしてのしかかる重さと感じるエーテルにまたか、と目を開けば、濡れて身体の線が浮かび上がった背中が見えた。前かがみになっているらしい彼女のうなじがどうにもなまめかしくて、ひっそりと息を吐く。
「おい」
「濡れた! なんでお風呂はいってるの!」
「どうしてお前は人の所へ直接飛んでくるんだ」
 いい温度、とアゼムは少し振り返ってエメトセルクを眺める。この女、今は普通にアーモロートに滞在しているはずである。なんだ。
「用があるならまず一方をいれろ。お前のその通信魔法は飾りか?」
「直接飛んだ方が早いかなって……あと大した用じゃないから逃げられちゃいそうだし」
「逃げられそうな用を持ってくるな」
 二回目なのだ。すぐにアゼムをリビングに移転させようと魔法を弾こうとして。けれども、なぜかアゼムがそのままこてん、と後ろへ倒れ、エメトセルクに寄り掛かってきた。そうなると濡れてローブが張り付いて浮かび上がる双丘がよく見え、エメトセルクは思わず顔を背けてしまった。やけに柔らかく浮かび上がった輪郭があまりにも脳を焼く。瞼にこびりついてしまいそうな情景に、温かい湯の中で触れるやわい肉に、どうしようもなくじわりと欲が滲むのをどうにか押し込めて、エメトセルクは不機嫌な声を作った。
「おい」
「君の家の湯船広くていいな……
 もういっそ浸かっていこう、とばかりに力を抜いて寄り掛かる。おそらく外出用ではないローブは少し生地が薄く、やけにアゼムの身体の肉感や薄い皮膚の下の骨や筋肉のつくりを伝えてくるものだから、どうしようもない。
「浸かるな、気を抜くな。出ていけ」
「もう濡れちゃったからいいかなって……それに私も家にいたから、この下パンツしか履いてないし前より重くな、」
 ぱちん、と指が弾かれ、ンギャッと悲鳴が聞こえてきた。ふざけるな、おまえ、おまえ。頬の内側の肉を噛む。目を閉じて頭を抱えたいのに、閉じてしまえば先ほどのローブから浮き上がる身体が瞼の裏に浮かびそうでままならない。薄い布一枚越しの感触にどうしようもない劣情が込み上げて、眩暈がする。
「ねえー! 君の部屋濡れちゃったよー!」
「うるさい、おとなしく着替えて待っていろ、掃除しておけ!!」
 怒鳴った声が浴室にぐわん、と反響する。しばらくは湯に浸かるのはやめておくか、と呟いて、エメトセルクは気合で欲を押し込めて湯船から立ち上がった。

 身体の水気を取り、少し悩んで寝間着にしている衣服ではなく外へ出るときと変わらないローブを身に着けてリビングに向かえば、相変わらず勝手にエメトセルクの予備の寝間着を着て床を拭いているアゼムがいた。
「うう、ひどい。掃除させるだなんて」
「なにもかもお前が原因だろう」
 めそめそと泣きまねをして見せながら四つん這いになって床を拭くアゼムがふとこちらを見上げる。その襟元からふいに二つのまるく膨れたものが見えて、咄嗟にエメトセルクはアゼムの腕を掴んで立ち上がらせる。しかし残念ながら、エメトセルクとアゼムには男女だからこその対格差があった。ずるり、と肩から服が落ち、さらに膨らみが露出する。こいつ、やはり下着をつけていない!!!
「お前には! 恥じらいがないのか馬鹿者!!!」
「あら、やーんえっち」
「ふざけるなお前、本当に、お前は!」
「ごめんてぇ、でも自分で作るより君の服ちょちょいと借りるのが楽なんだもん! ほら襟の後ろ縛ればきゅってなるし」
 そういってアゼムが襟の後ろをひっぱると、薄い寝間着が身体のラインを拾い上げる。そうして胸の先を一瞬目にしてしまい、エメトセルクは無言で厚手のブランケットを創るとアゼムにかぶせた。
「んぉわ」
「お前は、友人との距離感がおかしい……本当に……
「あれ、なんか疲れている?」
「いい、もういいからさっさと要件を言ってくれ……
 不思議そうにブランケットから顔を出すアゼムの濡れた髪をかき上げてやれば、彼女はにこりと笑った。その無邪気さが、どうしようもなくエメトセルクの心を蝕むのと同時に、この友人の願う関係を守ってやりたい、と思ってしまうのだからしょうがない。
「家に持ち帰った資料で気になるものを見つけてね、ぜひとも君の意見が聞きたかったんだ!」
 そういってアゼムはエメトセルクの腕を掴むとまっすぐにソファーへ向かう。そうして座って、隣をぽんぽんと叩くのだから、エメトセルクは頭を振って邪な感情を追い出し、その隣に座るのだった。