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三毛田
2024-10-06 16:02:05
1075文字
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72 02. 手の繋ぎ方
72日目 指先から触れていく
少しだけ触れた指先は、ひどく冷たく。
緊張しているのか、それとも嫌なことでも思い出してしまったのか。
心もとなさを感じさせる動きは、きっと無意識。だって、丹恒だもの。
「丹恒」
名前を呼ぶと、指先が跳ねて。驚いたように俺を見る。
「嫌ならちゃんと嫌って言っていいから」
「それは」
そう口にすることすら許されなかたのだろう。
視線が少しだけそらされる。
「お前になら、いくらでも巻き込まれても大丈夫」
「俺がよくない」
いつものお前を巻き込みたくない。という言葉を封じるために、俺から指を絡めていく。
「きゅぅ」
驚いたのか、呼ぶ声は掠れていて。
「大丈夫」
「でも」
「丹恒、俺はね。お前のためなら何だってできるんだ」
「流石に、それは」
「ううん。本気」
そう告げると、何かを口にしようとして視線をさまよわせ。
「好きだから」
「そんなんもの、理由にならない」
〝好き〟と言うと、頭ごなしとまではいかないものの、否定してきた。
「丹恒のことが好きだから、力が湧いてくる。好きだから、丹恒のために頑張りたいと思える。これは恋だし、愛でもある」
驚きで、瞳が大きくなる。
繋いだ指先は冷たい。でも、さっきよりは温かく感じた。
「穹、次の話をしてもいい?」
「ご、ごめん寒鴉」
「穹がすまない」
「えっ。丹恒が謝るの?」
まさか彼が謝るとは思わず、そんな声が出て。と、寒鴉はやってられるか。というようなため息をつき。
「イチャイチャはよそでやって」
「はい」
なのみたいな反応されてしまった。
「寒いなら、別の場所でするけど」
「いや。大丈夫だ」
丹恒が首を振ると、チラッと俺たちの手へ視線を向け。一人納得したように表情を失くしてこちらを見てから口を開く。
とても気を遣わせてしまったようだ。後で何か差し入れを持ってこよう。
「うん。大丈夫そう。また今度何か聞くかもしれない。その時は、ここじゃないところにするから安心して」
「ありがとう」
「あなたのためというより、穹が余計な事をしないようにかな」
その言葉に、二人して俺を見る。
何でそんな変な表情で観てくるかな。
「なるほど」
納得しないで欲しいな、丹恒。
「外で観光でもしてから帰って。まあ、あなたたちのことだから既に全部の場所に行ったかもしれないけど」
「何回来ても楽しいもんね、丹恒」
「それはお前だけかもしれないな」
「そんな~」
手を繋いだまま抱き着くと、また寒鴉から冷たい視線を向けられ。
「私だってお姉ちゃんに」
聞かなかったことに。
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