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koto
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れめしし😈🦁
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〘Z〙zeal:熱意
10月27日一賭千金SP2024にて発行予定の新刊「カレイドスコープ」れめしし短編・掌編集より
れめ→ししで今更🦁の恋人になりたいと言い出して絶賛奮闘中の😈に、フレンズ三人が言いたい放題しているれめししになってます
「ねーねー、敬一君ってば」
「だーっっ! デカイ図体でまとわりついてくるんじゃねーよ‼」
「なんだよ。オレが敬一君よりも小さかったらくっついて良いわけ?」
「そういう話じゃねぇんだよっ!」
キッチンで繰り広げられている騒ぎは、すっかりお馴染みの光景と化していた。ここのところ二人寄ればいつもあんな具合だ。
「まーたやってるよ」
「あそこまでいくと滑稽を通り越していっそ不憫だな」
「仕方ない。自業自得だ」
少し離れたテーブルでまさしく他人事よろしく評するのは友人三人で。叶の振る舞いとそれに応じる獅子神に生暖かい視線を送っていた。すったもんだの挙句、埒が明かないと諦めたのか獅子神は叶を後ろに引っ付けたままで調理に取り掛かる。ここまでくると、いかに叶を居ないものとして振る舞うか、半ば意地のように見て取れた。叶は何が楽しいのか飽きもせず背後霊のようについて回っている。見ているだけで鬱陶しいことこの上ない。
「で、アレは最近どうした?」
村雨はキッチンから視線を戻すと同席の二人に尋ねる。どちらかというと質問の回答よりも目の前に用意されたロールケーキのほうがよっぽど村雨の関心を引いている。
「なんかね、急に焦っちゃったらしいよ」
真経津はまだキッチンに視線を留めたまま、ポイと手元のチョコレートを口に放り込む。
「なにを?」
「獅子神さんが誰かの恋人になる可能性に」
「
……
今更か?」
忙しなく動いていたフォークが止まる。村雨の疑問ももっともだ。例え自分が好意を持った相手にどんな関係性の人物が居ようとも眼中に入れない男だ。相手が自分に向ける感情以外に重要視するものなど無さそうに見える。
「そうそう今更。なんかねー、獅子神さんの恋人になりたいんだって。叶さん」
ゆうゆうとティーカップを口に運んでいた天堂の手が止まる。
「あの黎明が?」
酷く疑わしそうに眉を顰める天堂だが、それも無理のないことだった。天堂が知る叶黎明という人物像とその思想は一致しない。
「そう、あの叶さんが」
関係性の名前に拘りを持つようなタイプではなく、どちらかといえば自分がそういったもので枷をつけられるのを厭わしく思うような部類だろう。叶が獅子神に好意を持っていることは三人とも疑いようもなかったが、恋人志願となると話は変わってくる。青天の霹靂だ。同じ名前がある関係でも、セフレになりたいと言われた方がよほど納得できる。
「今までの叶の所業を考えれば気まぐれにとられても仕方ないだろう」
「だよねー。だって説得力のカケラもないもんね!」
「晨君、聞こえてんぞ」
笑い交じりに明るく言ってのけた言葉を、のっそりとテーブルに戻ってきた叶が回収する。
「あ、叶さんおかえりー」
ぶすっと不貞腐れた顔で椅子に座る叶を真経津は悪びれもせずに笑顔で迎える。
「あなた、なにを今更無駄なあがきをしている。どこかで頭でも打ったか? 今までの振る舞い全てを忘れたのでもなければとてもじゃないが正気を疑う」
「無駄とか言うなよ! 正気だよ!」
「黎明。オマエがしようとしていることは天動説を常識としている者に、なんの物証も脈絡もなく突然地動説を信じるよう迫っているものだ」
その心は限りなく不可能に近いということだろう。常軌を逸した人間に分かりやすく己の振る舞いを説いてやったという意図が分かり叶の癪に障る。ただし天堂の言うように信じるに足る実績も物証もないというのはそのとおりだった。
「特定の相手とか作るのめんどくさいって言ってたの誰だっけ?」
「恋人とか耳障りのいい首輪みたいなものだろうと言っていたな、おまえは」
「そもそも責任感のない都合のいい関係をあの男に打診していたのは他ならぬあなたでは?」
叶にとっては耳に痛すぎる言葉のオンパレードだ。そのどれもに心当たりがありすぎて、叶に反論の余地は残されていない。
「まあ、仕方ないよね。身から出た錆ってやつだよ」
「晨君
……
」
真経津は慰めるようなトーンでトドメの一言を突き刺す。意気消沈とする叶を見て三人はほとほと呆れてしまう。物証も論拠もないが、驚くべきことに叶が本気で恋人になりたいと言っていることはこの三人には分かる。ただ同時に、それを獅子神にも分かってもらうのは生半可なことでないことも分かっていた。
「黎明、ローマは一日にして成らずだ」
「堪え性のないアナタがどこまで誠実に言葉と態度を尽くし信頼を勝ち得るか見物だな」
「あ、そうだ! せっかくだから賭けようか? 叶さんの想いが成就するのと、それより先に諦めるか飽きるかしちゃうの」
良いことを思いついたと言わんばかりに、一切の悪気なく全開の笑顔でそんなことを言う真経津を叶は恨めし気に見る。どれもこれも言われて面白くはないものの正論で、むしろ客観的に見て獅子神の中でどんな立ち位置にいるのかを知らしめてくれる基準にもなり得ていた。
「好き勝手言ってればいいよ。オレの本気を見せてやるから!」
どう考えても道は険しいが、可能性がゼロじゃないのならばどうとでもなる。気合ややる気など柄でもないが、必要であれば地道な努力もするしかないだろう。
「諦めるにbetだな」
「礼二君っっ!」
そんな叶の熱意を挫くように村雨があっさりと診断をつきつける。
「あなた、獅子神の臆病かつ慎重さを甘く見ているのでは? あなたの今までの所業を顧みて、めでたく満願成就となるには、この先十年ほどの歳月が必要だろう」
「いや、さすがにそんなには
……
」
「桃栗三年柿八年っていうしね」
「う~~~
……
」
反論をしたいところだが、それに足る材料を叶は持ち合わせてはいない。
「皆そこまで長くは付き合えんだろう。賭けの内容を成就するか否かではなく黎明が諦めるまでの期間に変更するとしよう」
天堂の合理的かつ無情な要望が入る。
「なるほど。たしかに、そっちの方が現実的だな」
「もーーーっ!」
「っとに、なーに騒いでんだよ」
延々と続くディスりに叶が声を上げると、獅子神が呆れて声をかける。どうやら飲み物のお代わりを持ってきたらしいが、己が渦中の人物であるとは思いもしてないようだ。
「敬一君! みんながオレのこと虐めるんだけど⁈」
「っとに、どうせくだらねーことで騒いでんだろ。ほどほどにしとけよ」
おまえらのおふざけにいちいち付き合ってやるほど暇じゃねーんだよ、と言外に匂わせながら獅子神は聞く耳も持たずにキッチンへと戻っていく。
「今の関係性に甘んじて、一ヶ月後、恋人の肩書を諦める、だな」
「私も」
「僕もー」
天堂の意見に二人も追随する。具体的な負け戦を明示され、叶の中にふつふつとやる気が蘇る。
「いいよ、絶対に恋人になってみせるから! そしたらオレの一人勝ちだからな!」
そう息巻く叶を煽るように三人はいやらしく笑みを浮かべる。正直、叶と獅子神が恋人になろうがなれなかろうが三人にとってはどちらでも良いことだ。それでも、面白がれる要素があるのならばそちらに全力で乗っかるまでだった。
こうして決意を新たにした叶が、この後、熱烈なアプローチを繰り広げることを獅子神はまだ知らない。
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マシュマロ
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