「ふう」
浴槽に背を預け、息を吐く。
「今日もお疲れさまでした。俺」
大きく伸びをして、体を湯に沈める。
今日は、なのから貰ったちょっと甘い匂いのする入浴剤を入れてみた。
お湯は薄くピンクで、彼女の髪を連想させる。
「どうせなら緑が良かったかも」
丹恒の色。
そんなことを思っていると、ドアの悪音。入浴中の札をかけておいたんだけど、誰だろうか。
まあ、犯人は一人しかいない。
「
……」
「いいよ。おいで、丹恒」
腕を広げると、ゆっくりと浴槽の中に入ってきて。
シャワールームの方で全身を洗ってきたのだろう。水滴が髪から落ちて、ピンクと混ざる。
「何で先に入っている」
「だって、丹恒は気絶してたから。起こしても起きなかったし。そんなに気持ちよかった?」
膝の間に座って背中を向けてきているので、お腹に腕を回して肩に顎を乗せて問うと、手を叩かれて。
「
……お前に触れられるのは、いつも気持ちいい」
ぼそぼそと口にし、顔までお湯に浸かり消えようとして。
「こらこら。顔まで埋めちゃ駄目だって」
それにしても。
こうして素直に自分の気持ちを口にするようになったのは、いい傾向だ。
「よいしょ」
「何をしている」
「何って。丹恒の胸を下から持ち上げてついでに揉んでる」
「持ち上げるな。揉むな」
ぺしぺし叩かれるが、じゃれ合いのような状態なのであまり痛くない。
「ふわふわでふかふかで柔らかい胸。最高」
「
……こうしたのは、お前だろう」
今度は地味に勢いよく、鎖骨の辺りに後頭部をぶつけてきて。
「丹恒、それは痛い」
「痛くしている」
ふ。っと、柔らかく笑って。
こうして裸でくっつきあっていると、互いの体温が酷く心地よい。
きちんと服を着て、眠るためにくっつきあって手を繋いでいても、心地よいと思う。
「穹?」
「ん?」
「尻に当たるんだが」
「うーん。丹恒と触れ合ってると、すぐに元気になっちゃうから」
「それは理由にならない」
「えー」
不満な声を出すと、キッと睨んできて。
そうやっても睨まれても、可愛いだけなんですけどね。
「お風呂出たら、もう一回する?」
「しない!」
半分叫ぶように告げ、バシャンと水音を立ててお湯の中に消え。
「わっ」
そして勢いよく出てきた丹恒は、飲月の姿に。
「が、お前がしたい、なら
……その、こっちでもいいだろうか」
耳まで顔を真っ赤にし、俺の手を撮ると自分の腹に触れさせて。
何処でそんなエッチな誘い方覚えたの。
俺までじわじわ恥ずかしくなってくるじゃん。
「駄目、か?」
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