はるれに
2024-10-03 00:19:09
346文字
Public #SS(1〜30)
 


 アラームが鳴るより早く意識が覚醒した。
 就寝してからいくらも経っていない筈だ。ぱちりとまぶたを開くと目が合った。
 予備動作なしに起き上がり、槍を握りかけた手を制される。
「キャス?」
 薄闇に浮かぶおぼろげなシルエットの気配を読む。
「なんだよ、驚かせんなよ」
 年食うと朝が早くなるのか、いくらなんでも早すぎる。
「おやすみのチュウしてなかったろ」
「な」
 口を開きかけたその額にキスが落とされる。軽く触れるだけの、幼子を慈しむような親愛の印。
「おやすみ。明日はマスターに呼ばれてんだろ、しっかりやれや」

 キャスターが部屋から去ってから額に手をやった。すでに感触は消えている。残っているのは自身のエネルギーとしての熱だけだ。
…………は?」