三毛田
2024-10-02 22:01:43
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68 08. 腕の中に抱きしめて閉じ込めて

68日目 君と二人で眠り起きて

「たんこぉ?」
 隣で寝ていた丹恒が飛び起きた気配を感じたので、目をこすりながら起き上がる。
「大丈夫、だ。寝るから、お前も……わっ」
「うぅん……いい子いい子、大丈夫。俺がいるから……
 腕の中に抱きしめて、頭を撫でる。
「きゅう……
 まるですがりつくような、頼りない声で名前を呼んできて。
「たんこぉのおっぱいふかふかだもんねぇ」
 ふわふわとした声が、自分の唇から落ちる。
「それは今は関係ない」
 きっと真顔になって答えているのだろう。でも、すぐに笑っているので、俺が気を使ってそう口にしたとわかっているらしい。
 胸がふかふかなのは事実でしょうに。
 これなら、なのの部屋で寝ている夢獏を迎えに行かなくても大丈夫そうだ。
「俺が、いるから……
 眠い。眠すぎて言葉が続かない。でも、腕の中の丹恒が嬉しそうなのでよしとする。
「ありがとう。おやすみ、穹」
 そんな声だけが耳に届いた。
……
 起きたら、丹恒が俺の胸に顔を埋めていた。
 可愛いので、そっと頭を撫でているともぞもぞ動く。
 そろそろ起きるのかな? そう思って見つめていると、碧は俺を映し。
「おはよう、丹恒」
「ん、おはよ」
 甘く優しい声で、挨拶をくれる。
「きゅう?」
 そんな彼が愛しくてちょっと強く抱きしめると、不思議そうに俺を見上げ。
「丹恒が可愛くて、胸が張り裂けそう」
「それは、うん、困る……困るな」
「大丈夫。簡単には張り裂けないから」
「張り裂けたら、穹が、死んで、しまう」
「うん、そうなるね。でも、丹恒がいれば大丈夫」
「そう、なのか」
「そうなんだよ」
 きっと丹恒にはわからない。でも、そうなのだ。
「起きる?」
「ああ、起きる」
 と答えたものの、俺の胸に顔を埋めて顔を左右に動かす。
「丹恒?」
「お前の腕の中にいるのは、ひどく心地よい。だから、その、離れがたいんだ」
 ぼそぼそと、かろうじて聞き取れる声。
 ああ、もう。可愛すぎるだろ。
「穹?」
「今日の丹恒、可愛すぎるってば……
「俺は、いつも可愛い」
「そうだねぇ。丹恒はいつも可愛いねぇ」
 頬ずりすると、むぅ。と小さく唸って。でも、それから俺に頬ずりし返してくれて。
「好き」
「ああ、俺も好きだ」
 寝起きだからなのか、それとも今日はそんな気分なのか。
 ものすごく素直で。
「二度寝しちゃう?」
「したら、パムに怒られるし、三月にも、怒られる」
 嬉しそうに俺に顔を摺り寄せて。
「今日のご飯楽しみだね」
「ああ」
 頷くと同時に、お腹がぐうと鳴る。
 顔を見合わせて笑う。