僕くんは友人の雨竜くんが里帰りから帰ってこなくなったことで心配してその「高塔」なる家にいくんだけど、そこは小さな街ぐらいのお屋敷で歓待を受けるわけよ。そして当主である「戴天」に「雨竜くんはまだ到着しておりません」と言われて、それとなく追い出される。道中で何かあったのかな……と思って門から出たら、見知らぬ男性に腕を引かれるわけ。
宗雲と名乗った男は、「雨竜がここに入るのを観た」と言う。なぜ雨竜を知っているのかと聞くと「高塔を調べていた」「見張っていたら少年が通りがかって少し話をした」「その時に名前を知った」と話す。
「高塔は十年に一度、当主継承の“おやどりの儀”というものを行う。それに雨竜は巻き込まれたのかもしれない」
裏山にある高塔神社にいる可能性が高いと言われた僕くんは、人の少ない夜を待って宗雲と一緒に行くことになる。
夜の神社に来た二人。(ゲーム的に、この辺で雨竜くんの痕跡を見つけたい。)
宗雲は知識豊富で、以前の儀式のことやそれを阻止するために「赤の組み紐」を見つけなければならないという事などを解説してくれるものの、恐怖耐性がゼロで怪奇現象が起こるとフリーズしてしまい何の役にも立たなくなる。だから僕くんが、手を引いて「あやとりをする子どもたちの霊」や「押入れから伸びる手」、「落ち続ける女」などから逃げたり、未練を残したアイテムを探してあげたりする。
神社の書庫で見つけた書状と、写真の抜けたアルバムからかつて「叢雲」という少年が儀式の対象であったことがわかる。
「あやとりをする子どもたちの霊」から教えてもらったことで「赤の組み紐」のありかがわかる。盗み出すと「これは俺が預かる」と宗雲が受け取る。
儀式を阻止する手筈は整った。本殿へ向かうと、途中で真っ白な和服を着た戴天を目撃する。水垢離でもしていたのか全身が濡れていて、松明に照らされて赤い縄の跡が見える。
隠れて進もうとするが、戴天に気付かれる。
「あなたは」
宗雲を見て絶句。髪の毛が蛇のようにのたうつ。全身に赤い縄が走る。
「あなただけは、赦さない」
「……逃げるぞ!」
フリーズしない宗雲に手を引かれ逃げる。
蛇のように動く赤い縄を自在に操る戴天から逃げるが、捕まれば即死。(その場合、両手で宗雲の首を絞める戴天のムービーが見れる)
「儀式が近い。そう遠くまでは追ってこれないはずだ」
「宗雲さん。あなたは何者なんですか!」
「わかっているだろう。当主になりそびれた男だ」
当主になる「お宿りの儀」にかけられるはずだった宗雲は、直前で「儀式の仕組み」を暴き、脱走という禁忌を侵しその権利を失う。名前を奪われ、追い出される。
「儀式の仕組みって……?」
「先代、先々代、始祖、その魂を受け入れ、先祖の傀儡になることだ」
――今の戴天はもはや戴天ではない。先祖の操るまま、高塔の繁栄のために動き死ぬ人形だ。
「当主になるということは、自分を失うということ。耐えられなかった」
「だから壊してやろうと思ったが――失敗した。戴天に役目がスライドしただけだ」
「戴天はそれで俺を恨んでいる。恨む心が残っている今が、チャンスだ」
「どうする。まだ逃げられるぞ」
唖然とする僕くんは、それでも雨竜を助けることを決める。儀式を行わせてはならない。
儀式の直前に殴り込む。赤い縄で縛られていた雨竜を解放し、逃げようとする僕くん。
しかし宗雲は戴天の前にまっすぐに立ち、逃げない。
「俺を恨んでいるのだろう。役目を押し付けた俺を」
「……ぅ……」
戴天は絶望の表情を浮かべたまま、呪いを立ち上らせる。
「覚えて、いないのですか」
「約束を」
戴天は役目を「自ら引き受けた」。本来、脱走の禁忌を侵して儀式を妨害した叢雲は殺されるはずだったが、戴天は「私が引き受ければ、儀式は問題なく行えます。だから生かしてやってください」と懇願した。
座敷牢にいれられている叢雲に、戴天が微笑む。
「ずっと、傍にいてくださいね」
「……あぁ」
そして戴天は儀式にかけられる。叢雲は家を出され、「もともと居なかった」ものにされる。
戴天は生き延びたはずの叢雲を探した。どこにもいない。家のものは誰も話さない。
戴天は、叢雲が名前を奪われ敷地を跨げなくなったことを知らされていなかった。
逃げた。そう判断した戴天は、心を失っていく。
「あなたは、来なかった! 私の世界から消え失せた! 誓いを破った!」
悪霊化。先祖の霊ごと暴走する。全身が呪に包まれる。
宗雲は、赤い組み紐を自分の指にかける。
「遅くなった」
体を蝕む呪の中に自ら入り、戴天の手を取る。
そこに、赤い組み紐を繋いだ。
宗雲は地獄に引き込まれる。先祖の霊から切り離された戴天もまた。先祖の霊たちは現世に繋がるよすがを失い、散り散りになっていく。
雨竜が震える声で「兄さん!」と呼ぶと、二人は微笑んで振り返り、地獄に消えていった。
エンディングであやとりをしていた子どもたちの霊が、幼いころの宗雲と戴天であったんだろうな……という描写をいれて、おしまい。
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