お芋さん太郎
2024-09-02 23:43:19
6650文字
Public ONEPIECE
 

【反省会】麦わら草子【裏話】


2024/7/17に投稿した『麦わら草子』について、ひとり反省会したので公開します!
裏話・プロットもあるよ!




いきなりですが、こちら、いつものプロット(という名の構想メモ)です。
思いついたことを手書きでキタネー感じでまとめてるのも、いつものこと。



はじめは左上にあるみたいに、ロビンの日常を数話書くというのを考えてたのに、ずいぶんと変わった。

もともとロビンとブルックが西の海トークするみたいな話を書きたいな〜というのがあったので、ロビンと大人組の話に若者たちがちょっと出演する感じかな、と。そういう構想。

それで書いたのが「夏は夜」だけど、はじめのタイトルは「あなたのための肉の歌」だった。

「肉の歌」が書けたので、なるほどこういうノリねって自分でも思って、しっくりくるタイトルを探した。

ロビンちゃんの、ピカピカ輝くお宝みたいな日常を書くので、サニーと掛けて「Beautiful Sunny Day」みたいな感じがお気に入りだったかな。

でもなんかもっと、こう、日常感というか日記みたいな感じのイメージなんだよな〜ってなって。

で、困ったときの古典オマージュ!

グランドラインは島ごとに季節が違うので、これを使わない手はないな、と。
その結果オマージュ元はみんな知ってるアレですね。

春は揚げ物。


以下、書き上げた季節順に感想・考察・課題など好き勝手に語ってます。


▼夏は夜▼

『夏』は、はじめと終わりで同じフレーズを使ってて、しかも少しユーモアもあって好き。

・まばたきも忘れるほどの美女と、パチリと目が合う。ブルックには、目もまぶたも無いのだが。

・嬉しそうに、楽しそうに、音楽に合わせて手拍子を打つロビンと目が合った。「ありがとう」と告げる口もとに、ブルックはパチンとウインクを返す。ブルックには、目もまぶたも無いのだが。

うーん、好きです。
わたしのブルックのイメージそのままで書けて、かなり満足してる。

シリアスぶち壊し船長を書きたかったし、なんだかよく分からんがロビンのためなら歌うぞ~!な一味を書きたかった。

あと、歌ってるときの一味の描写。
原作のONEPIECEで戦闘終了後、セリフなしでワイワイ宴してる描写が好きなんだけど、そういうイメージ。
大ゴマでどーんと全体でわちゃわちゃしてるところに、小さいコマでそれぞれが何してるのか詳しく描かれてる感じのやつ。
もともとディズニーとかの、感情表現で歌って踊るみたいな表現が好きだから、そういう感じみたいで書いてて楽しかった。

それっぽくなってるか分からないけど、自分ではうまくできたつもりだな。

一個だけ悩み中なのが、ロビンのセリフ
「ずっと、うらやましかった」

「壁越しでしか聞いたことがないの」
を続けるかどうか。

二次創作でロビンの過去は読者みんな知ってるのに、ここまで言わせた方がいいのか? 読み手の想像にお任せするか?
でも悲壮感が大きいほうが、そのあとのやり取りでグッとくるよね。

ちなみに私の中の設定だと、ロビンはオルビアに歌ってもらった記憶が無いし、ロジおばさんはロビンに歌うはずがない。
おばさんが娘に歌ってる子守歌を壁越しで聞いていた、っていうことになってる。

やっぱり「壁越し」追記した方がいいかなあ。
そのうち手直しするかも。


▼冬はつとめて▼

『冬』について。
ナミさんとジンベエのお話。

冬といったらみかん、みかんといったらナミさん、ナミさんといったら魚人、魚人といったらジンベエのマジカルバナナで配役が決定した。

ハチやケイミーの件とか魚人島でゴタゴタありつつ和解という流れがあったものの、ジンベエ的には負い目ゼロとはいかないよね、たぶん。
そうだとしてもお互い普通に認め合ったり、普通に気にし合ったりしててほしいなと思って書いたお話。

ナミにとってあのみかんの木は特別なもので、その管理をするとき「普通に」ジンベエを頼ってるというところがこの話の肝です。
ナミはかなり心を許してる。

ジンベエはきっとナミのことを尊敬してるよ。
航海術や、自分の人生に起こった悲劇との向き合い方とか、ジンベエにないものをナミはいっぱい持ってるので(もちろん逆も然り)。

そういう感情を、二つ返事で手伝うとかみかんの木の管理に舌を巻く描写とかで書いたつもり。

ジンベエがどんなに謝っても、ナミがどんなに許しても、お互いどんなに言葉を尽くしてもそれは所詮ただの言葉だから。
ふたりの間の大きな溝(種族間の溝ともいえる)は、誠意のこもった行動と思いやりで埋めていくんじゃないかな、と。

お手伝いをお願いされて、お手伝いして、正当な報酬をもらう。
うす暗い歴史を見てるとさ、なーんかいいよねこういうの。

ジンベエがパフェ嫌いなのはちまちましてて食べにくいからという設定があるので、みかんの皮もむくの苦手だろうな~と思った。
ので、その設定を使いました。

ナミはそれに自然に気がついてむいてあげるんだけど、それを相手に悟られないように理由をつけてむきました。
優しいよね。
船長に気づかれちゃったけどね。

ただもらったみかんならジンベエはルフィにちょっとあげたと思うんだけど、ナミからジンベエへの優しさがこもったみかんなので、あげられません。
そういうタイプだと思う。ジンベエって。

しかしこの話、正直なところ序盤が不満。
淡々として足早な印象があってちょっともったいないと思う。

ジンベエの語りが長いから序盤がそれなりにスピード感あるのは間違ってないと思うので、もっと見せ方に緩急をつけられればもっと面白くなるんじゃないかなと思ってる。

そして一文めがセリフなのが良くない。
今回の話の雰囲気と全然合ってなくて、ちょっと手を抜いちゃった感があるので反省してる。

🍊「ジンベエ、ちょっといい?」

体育館裏への呼び出しかよ!

あとラストの描写。
「魚人のジンベエは寒さに強いから冬島も全然寒くないけど、どこかぽかぽか温かくなったのはナミの優しさがいっぱい詰まったみかんを持ってるから」みたいな描写を入れたかった。
でも枕草子オマージュ文を入れるとしたらここだし、ラストが長すぎても読後感が気持ちよくならないから削っちゃったんだよな。
うーん、惜しいことをしたどうにかならないものか


▼秋は夕暮れ▼

草子の全体のバランスから、『秋』は
・ウソップとチョッパーがメイン
・サブキャラとしてルフィが出る
・芸術の秋っぽい
・ほのぼの話
の4点を盛り込まないといけなかった。

この時点で「えのぐの雨を降らす」っていうアイディアが出てきたので、それを採用。
ここで2つのシーンが思い浮かんだ。
・サニー号の甲板でスプラトゥーンみたいなことしてる一味
・でっかい紙に、たどってきた島を絵に描きながらキャプテン・ウソップ版の冒険譚を聞く一味

前者だとアクションになっちゃう可能性があるからほのぼのできそうな後者にって思ったんだけど、なんとなく流れがフワッとしてて、オチも決まらなくて。

それで「芸術ってなんだろう?」っていうアプローチをしたところ、「ルフィがいて初めて完成する作品」っていうアイディアが出てきた。
じゃあ、ラフテルだなって。
ラフテルって原作1100話以上ぶんの想いが読者にあるわけで、何も説明しなくてもいろんな感情がのるよね。
それを利用させてもらったわけです。

で、ここで浮かんだラストが映画とかでよくある感じの、メインキャラが爆弾発言をしてバンって暗転してそのままエンドになって観客が えっ!?とかウワー!ってなるやつ。
これがやりたかった!
ラフテルの説明いらないからできるよね!

🎯「その島だけどよ、ラフテルだ」

バンっと暗転
~END~

かっこいいじゃん。
でも映画とかは視覚効果があるからそれができるけど、小説は暗転できない。
だからとにかく暗転に匹敵するほどインパクトのあるラストをどう演出していくかが課題だった。

それで、思いっきり焦らし作戦を決行。
ウソップがどうしても描きたい島がルフィの到達したラフテルだって明かすまで、2600文字ていどの本文のうち1/3くらい使ってます!

焦らしのために必要だった要素は以下の通り。
・色が消えるタイムリミット(ピンクのマリモはタイマーの代わり)
・島を描いただけでは完成しないウソップの作品(どうやらルフィがいないとダメらしい)(サブキャラとしてのルフィの立場を利用)
・なのに発生するルフィとのアホ会話(かわいい)
・じっくりアングルさがし(地の文で語りも入れて、時間の経過をゆっくりにする)
この焦らしを経たうえで、「ラフテルだ」。
これですよ。

このオチの演出は自分なりにちょっとしたチャレンジだったなー。
うまくいっただろうか。

だけどじつは例の虹色の島がラフテルだってわかる描写を練り込んでる。
焦らしの一番最初のあたりだよ。

「しかしウソップはその島を描かずにはいられなかった。急いで筆を動かして、あらゆる色で最後の島を描く。」

「その絵具で描く最後の島」って意味合いにとれるけど、「彼らの最終目的地点」って意味の「最後の島(つまり、ラフテル)」にもとれる。
ここはちょっと面白い仕掛けしたな〜って思う。

ジョリーロジャーの件は、一度いたずらで描きかえたのが元に戻ってることで、
「いたずらで描きかえはする(どうしてもって言うなら、おれがキャプテンになってやってもいいぜ!)けど、ラフテルに掲げる旗は麦わら帽子のジョリーロジャーであるべき(おれたちの船長はお前だろ、ルフィ)」
っていうウソップのスタンスがうまく表現できて好きシーン。
ピンクのマリモがタイマーになってくれてるので、タイミングもバッチリだった。良かった良かった。

このシーン、ルフィをラフテルの絵に立たせたときにジョリーロジャー背負ってるとかっこいいよねと思ったけど、そのシーンで突然マストのことに触れるのはいきなり感があるので、事前に悪戯して描きかえてたっていう描写を入れたら、なんだかいい解釈が生えてきたって感じ。
ワンダーランドだね。

ルフィが足もとを見た瞬間に色が消えるのは、ルフィには見せる必要が無かったから。
ラフテルの事前情報は聞きたくないし、つまらない冒険はしないというルフィへのかわいい意趣返しみたいなもの。ウソップの絵とはいえここで見るのはちょっと違うかな、と。

👒「ウソップ、チョッパー! なんだよ、おれだけ仲間はずれかよ!」
🎯「そう言うなって、お前は本物のラフテルに行くんだろ?それでいいじゃねェか」
🦌「そうだぞ、ルフィ!」
👒「でもよー……

ブーブー文句言うルフィがいるかもしれないな。


▼春はあけぼの▼

『春』はね、悩みましたよ。

・サンジとフランキーでホットコーラを作る
・ギャグ

これだけしか決まってなかったので。
チラシで「『春』はギャグ」って書いちゃったの後悔したよ。

せっかくなのでオマージュ先の枕草子を意識した一文を、各季節でどこかに入れたくて
・春→だんだん鮮やかに色づく水平線に紫色の雲が細く薄くたなびいている
・夏→月夜も闇夜も趣があるが
・秋→目線を上げると夕暮れのまっ赤な空を、芸術なんて知らない海鳥たちが三つ四つ、二つ三つと陸に向かって飛び急ぐ
・冬→小さいみかんを手のひらにチョコンと乗せて廊下を進む~火鉢の炭より温かい

上記4か所、そういう文を入れたんだけど、この春の感じからどうギャグに持っていくよ?
とか、
フランキーって寒くてもキンキンに冷たいコーラを貫きそうだけど、どうする?
とか、いろいろ繋がらなくて大変だった。
そもサンジとフランキーって良い感じに大人の情緒だから、ギャグにしにくい……

始めに思い浮かんだのは、フランキーがサンジを煽ってサンジがムキになるパターン。

🤖「バルジモアではよく飲んだもんだ、ホットコーラ。まさかお前ェ、できねェってことはねェ……よな?」
🕒「当たり前だ! できるに決まってる! ちょっとそこで待ってろ、3秒で持ってきてやる!」

🤖「ビーム開発の過程で生まれた、マイクロ波で食材を温める装置を使って……
🕒「そういうことかよ! ズルじゃねェか、そんなん!」

オチは2案あって、
①金属+電子レンジの爆破オチ
②コーラを一杯温めるのにコーラ〇樽ぶんの燃料が必要なのであまりに非効率→サンジ「次こそおれが作るから、コーラ無駄にすんな」

オチはいま思うと②もけっこう良かったな。
爆破オチはフランキーの特権だから①にしたけど、正直ちょっとオチが弱くてまとまりがなかった。

🤖👍✨「これ、おれのせいか?」

でキッパリ終わりにすればギャグとしてのインパクトはあるんだけど、キッチンがグチャグチャなままで終わるのが気になる人もいるかもしれないしな~と思って、いろいろ付け足した結果なんだよな。
いやでもフランキーなら許されそうではあるけども。

②のオチはギャグ感は薄れるけど、まとめやすそうではある。ウーン。
今でも迷ってるし、②で書き直してみたい。

🤖「ルフィにバレりゃ、飲ませろってうるせェからな。おれとお前の秘密にしとこうぜ」
🕒「野郎と秘密の共有……なんてトキめかねェ響きだ……せめてお前が美女だったら……
🤖「お前なァ」

みたいな会話しながら朝焼けの中で温かいコーラをすすり、船長の声がどこかから聞こえて、サンジが二つ分のカップをこっそり下げるって感じかな。

スーパー3分クッキングはイベント直前で浮かんだアイディアだけど、このおかげでうまいことギャグにできて良かった!ありがとうキューピー!


▼エピローグ▼

ずっと寝てばかりのゾロ、エピローグでやっとしゃべった。
このエピローグは雰囲気重視だったな。

構想の段階では、ゾロとロビンの話になる予定だった。

ロビンがゾロのそばで読書し始めて、
⚔️「何読んでるんだ?」
💐「『随筆』よ。ワノ国で人気の、昔の人の日記のようなもので、興味があったから写させてもらったの」
⚔️「へえ、おもしれェのか」
💐「私にとってはおもしろいけど、ゾロにはちょっと退屈かも」
⚔️「わかんねェだろ。読んでみろよ、聞いといてやる」
💐「いいわよ。じゃあ読むわね。『随筆――
⚔️「ぐー」
💐「ほら、言ったでしょう」

みたいな感じなところに、ルフィが遊びに誘いに来るので本を閉じるって流れにする予定だったんだけど、ロビンだけメインが2回はバランスがな〜って。

そしたらいるじゃん、もう一人仲間が。
サニー!!!

というわけです。
メリーの事があったから、ゾロだけじゃなくて他のクルーもしょっちゅうサニーに語りかけてたらいいね。
REDラストのルフィみたいに。

クラバウターマンもサニーくんもいいけど、「偶然かもしれないしサニーかもしれない」みたいな不思議な雰囲気にしたかった。
そういう雰囲気、ゾロともよく合うし。

そしてゾロは「1人目」なので、決意みたいなのと太陽を、こう、こねこねした感じでした。
構想段階では昼間の話で昼寝中のゾロが~っていうイメージだったけど、夜明け、太陽、サニーを繋げたくて深夜~夜明けの話になった。

船長はもちろんルフィだけど一味のNo.2として責任もって一味を見守ってる感っていうのがゾロにはあるので、この話ばかりはルフィが出演しない方が雰囲気でそうと思ったので、そういった面でも都合のいい時間設定だと思う。
たぶんいい感じになった。

眠りかけたゾロが、マストのロープがどこかに当たった音で目覚めて
「悪ィな、サニー」
のシーン。
これ、実写ONEPIECEの1話目で、ルフィがオールをカァーンってやってアルビダを起こしちゃうところを見て思いついたシーンです。

せっかく夜明けの話なので『白』要素も入れれば良かったかな、と今さら思ってる。




とりあえず反省会はこれで終わり。

なにはともあれお気に入りの話ばかりなので、読む人みんなに楽しんでほしいな。
私は書いてて楽しかった!

以上!