第16回 塩津能の會
宝生能楽堂
2024年9月23日(月) 振替休日 13時半開演
能『自然居士』
自然居士:塩津圭介
少年:塩津希介(子方)
人商人:宝生常三
仝:則久英志
門前の者:山本則秀
笛:栗林祐輔
小鼓:田邊恭資
大鼓:亀井洋佑→原岡一之(変更)
狂言『饅頭』
饅頭売:山本東次郎
大名:山本則孝
能『山姥』
里女/山姥:塩津哲生
遊女:佐々木多門
遊女従者:舘田善博
仝:野口能弘
仝:野口琢弘
里人:山本凛太郎
笛:松田弘之
小鼓:大倉源次郎
大鼓:亀井広忠→亀井洋佑(変更)
太鼓:林雄一郎
*・*・*
久しぶりの喜多流。お囃子豪華だなァと思ったら、広忠さんが裏番組の都合上、欠席になり、その結果、洋佑さんがスライドし、『自然居士』の大鼓は原岡さんに。でも2曲とも最初からこの組合せだったんじゃないか、というくらいまとまっており、お囃子って凄いなと思いました。
能『自然居士』
初見。自然居士という若い説経師(シテ)が、人買い(ワキ)に連れ去られた孤児(子方)を救うというヒーローもの。貰ったパンフの解説(by村上湛氏)によるとワキ方が演じる人買いは、強面の人物とのことなので(常三さん
…🙄)、人買いが子供を連れ去る場面やアイとのやり取りなどでは怒号が響くといった、能にしては珍しく(?)かなり緊迫した場面もありドキドキ。こんなお能もあるのだなァと興味深く見守っておりました。
ちなみに主人公は美青年(というかほぼ少年に近いくらい若い)のようで、演者の二人は親子だが、目の前にいたシテと子方は、まるで兄弟のような歳の近さを感じました。孤児を助け出すシーンでのシテは、まさに特撮ヒーローに出てくる優しいお兄さんのようでした。
舞のシーンではアップテンポになる場面もあり、お笛の人が大変そうだなァと思いつつも、でも音の響きが良くて活きがあって、凄く好きなお笛だなァと思いました🥰
狂言『饅頭』
初見。調べたら、廃曲になっていたものを東次郎家で復曲し、以降、たまにこうして上演されているようです。
内容は零落した男が饅頭売り(シテ)となり、市場で饅頭を売っていたところに、帰郷する為に土産を探しにやって来た遠国の大名(アド)が通り掛かったので声を掛ける。すると大名は「その饅頭が美味いかどうか、お前が食ってみせよ」という。饅頭売りは「これは売り物だから私が食べる訳にはいかない」と断ると、大名は「代金は後でいくらでも払ってやる。お前の口元を見れば美味いかどうか分かるのだ」というので、饅頭売りはお言葉に甘えて食べる事にする。
ちなみに饅頭は小道具として、ふわふわの綿で出来たものが用意されているのですが、その大きさがバーガーキングのワッパー並み(いや、それ以上?w)で、想像してたものよりデカくて驚いた(笑)その饅頭を「あむあむあむ
…」と少しずつ萎めながら食べるので、ちょっとした手品を観ているような感覚でした🤭
大名に勧められるがまま、手持ちの饅頭を完食した饅頭売りは、当然代金を求めます。すると大名は「そんなこと言った覚えはない」とすっとぼけ。😮⁉️
このまま帰すわけにはいかないと、饅頭売りが大名の前に立ち塞がると、今度は大名が怒って刀を抜いたので、流石にこれには敵わず「命だけはご勘弁を!💦」と逃げ惑う饅頭売り。この時の東次郎先生の動きがとても機敏で、お若いなァと思いました🤭
そして大名は「良い暇つぶしになった」と市場を去り、残された饅頭売りは、稼ぎゼロのまま空っぽになった桶を見て「女共になんと言われるか
…」と哀愁を漂わせながら帰っていくのでした。
ということで、やはり代金後払い方式は危険やね(苦笑)。
てか、口約束ってやっぱあてにならんな、と😅
能『山姥』
過去にも何度か観てる演目ですが、喜多流で観るのは初めてかも。鬼女として恐れられる山姥を精霊として扱った作品で、現代人から見ても山姥そのものの印象が変わる演目ですが、シテ方さんによって演じ方や装束のコーディネートに個性が出るのか、観る度に印象が変わります。誰一人同じ山姥は居ません。それだけ奥深い作品なのかもしれません。
塩津哲生師の山姥もなかなかカッコよくて、でも恐ろしい見た目のせいか遊女(百魔山姥)との出会いは、どこか儚げでもあって、山姥を自然の化身、精霊とするならば、とても奥深い存在だなと色々と想いを巡らせましたが、こう考えられるのも数回観てるからであって、そういう意味では、なかなかのスルメな曲なのかもしれないと思いました。
過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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