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三毛田
2024-09-29 13:08:43
1067文字
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65 05. 心をまるごと奪われる
65日目 恋に落ちた合図
その人のことを知れば知るほど、心を奪われるような不思議な感覚。
何もないからこそ、何でも得られることができるとまずは知識を蓄えろと言われ。
手の空いてる時などに、資料室を訪れ丹恒にお勧めを訊いてそれに目を通す。
「意外と静かだな」
「俺、そんなに騒がしいと思われてる?」
目を通していたものを読み終えたので、続きを探していると読んでいた本から顔を上げてそんなことを。
思わず拗ねた声が出て、顔にも出たのだろう。
彼は、ふっと笑みを浮かべてこちらを見た。
その瞬間、心臓のあたりが今まで聞いたことのない音を立て。
「穹、どうした。胸が痛むのか? 星核に何か異変が?」
胸に手を当てて首を傾げていると焦ったような表情で腰を軽く浮かせ、こちらへ手を伸ばして。
「いや。それは、大丈夫」
だけど、俺の返答に安心したように息を吐いて、腰を下ろす。
これは、なんだろう。
「それならいい。だが、急に知識を詰め込むと知恵熱を出すらしい。今日はこれで終わりにしよう」
「大丈夫だって」
「
……
不調があったら、すぐに言え。お前を寝かせて休ませることくらいなら、できる」
「わかった。ありがとう、丹恒」
お礼を言うも、不安そうに俺を見ている。
これは、俺を心配してではない。星核が暴走しないかが気にかかっているのだろう。
それはちょっとだけ寂しくて、不満でもある。気がする。のは何でだろうか。
「あー
……
やっぱり、ちょっとだけ寝かせてもらおうかな」
「靴を脱ぎさえすれば、好きに寝ていい。休んだら、この一冊に軽く目を通せ。そしたら、ちょうどよくなるだろう」
「わかった」
俺の手からスマホを取り上げ、手にした本と一緒にテーブルに置いてしまう。
「スマホを見ていたら、休めないだろう」
「はーい」
素直に返事をして、靴を脱いで丹恒の布団に寝転がる。
別に眠くないとは思っていたが、瞼は下りてきて。
「
……
」
気づいたら眠っていた。ゆっくり瞼を開くと電子音と、紙をめくる音が耳に届いて。
「起きたか。ああ、返事はいい。喉が渇いているだろう。カコカーラでいいか」
「うん」
言われたとおり、答えるために出した声は掠れていた。
口が開いていたので、ゆっくり飲んで喉を潤す。
丹恒は、俺が飲んで一息をつくまで見守ってくれていた。
また心臓の辺りが変な音を立てる。
理由も原因もわからない。でも嫌なものじゃないことだけは確か。
この現象が起きるのは、丹恒の近くにいる間だけ。
その理由は、彼に恋をしたからだった。
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